3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

吐き気がするほどロマンチックだぜ

昨日は元町映画館に、遠藤ミチロウ監督作『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』を見に行った。

遠藤ミチロウといえば、伝説のパンクバンド、スターリンのボーカルで、『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。』は代表曲でもある。

かつて1度だけ、ミチロウさんの歌をライブで聴いたことがある。
大槻ケンヂがらみのライブで(私が行くのは大抵そう)、心斎橋周防町にあるライブハウスだった。
オーケン遠藤ミチロウトモフスキー、というメンツで、なんのライブだったか今となっては思い出せない。

そのとき『お母さん…』を初めて生で聴き、全身鳥肌が立って、身震いした。
変な例えだけど、自分がトトロになって、総毛立ち、グァァァ~っと叫んで飛びたってしまいそうなかんじがした。
「お母さん!お母さん!血が止まらないのです!」という叫びは強烈だ。
全身で叫ぶミチロウさんはめちゃくちゃカッコいい。
正真正銘のパンクスだ!

と思っていた、の、だけど。

映画が始まって冒頭のシーン。
誰この荒木一郎似のおじさん?
と思ったら、ミチロウさんだった。

…ステージ上と全然違う!

映画の中でも、ライブシーンがあるんだけど、映画でミチロウさんを初めて見た人でも、その落差に驚いたんじゃないかと思う。
普段のミチロウさんは、穏やかで、朴訥ながら芯の強い優し気な雰囲気。

関西にいると、東北のなまりを耳にすることがないから、ミチロウさんの福島なまりはすごく魅力的に聞こえる。
私の中で東北なまりというと、まず寺山修司
そして、人間椅子
青森と福島では全然違うのかもしれないけど、どちらもグッとくる。

ミチロウさんの優しい素顔と同様、びっくりしたのはミチロウさんの❛お母さん❜だ。
まさかあの歌詞に出てくる❛お母さん❜を見る日が来るとは。
そして、そのお母さんが至って健全な、良妻賢母型の老婦人だということにも驚いた。
しかも撮影時お歳が米寿だなんて!

ミチロウさんの映画、というだけで見に行ったけれど、実はこの映画は3.11関連の映画だったことにも驚いた。
そして今、熊本の震災が起きているというタイミング。

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