3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

お父さんそれじゃないよ!

結局、まだ風邪を引きずっている。

 

待ち時間ゼロの不人気医院、K耳鼻科で処方された薬を飲み終えた時点で、全く症状は改善されておらず。

仕方ないので、ダイコクドラッグで薬剤師さんに相談。

「医者の薬よりよく効きますよ」

と、見たこともない古臭いデザインの市販のせきどめ薬をおススメされ、飲めばピタリと咳がおさまったものの、声がれと喉の痛みは増す。

 

たいがいもうヤバい気がして、会社を休んで、花隈で人気の細身耳鼻咽喉科へ。

さすが細見さん、ファイバースコープを鼻から挿入、喉の様子を画面で映し出してくれた。

「そうひどくはありませんよ」

と言われたものの、一週間分のお薬を処方された。

お薬もよく効くし、咳がひどいときに舐めるトローチもありがたい。

それでも、まだ喉の痛みと軽い咳がでる始末。

 

気が付けば、周りに咳き込む人多数。

夏風邪、流行ってるなぁ。

 

そうこうしていると、この週末は母までが咳をし始めた。

ただでさえ元気がないのに、さらに体調が悪そうで、ずっと眠っている。

 

眠りこけてしまって、ご飯が食べられないし、水分補給もできない。

水分が足りないので尿がでない。

代謝が悪くなるので体調が悪化、という悪循環。

 

先週、私は本当にひどい咳だったので、母の隣で寝ているとき、風邪をうつしやしないかと気になっていたのだけど、やっぱりうつしてしまったのかもしれない。

なんかもう、ドミノ倒し。

 

 

風邪が一番ピークだった2週間前。

家事もろくにできなかったために、いくつか弊害が出た。

 

介護施設から、母の紙パンツと尿取りパッドが少なくなっている連絡をもらっていたのだけど、熱のせいでうっかり忘れていたのだった。

全く買い置きがなければ、

「施設の分で対応してください。代金は利用代金につけておいてください」

ということができるのだけれど、家には常にスペアをストックしている。

 

そのため、父に電話で連絡し、

「紙パンツも尿取りパッドも、二階にスペアを置いているから、持って行ってくれる?」

とお願いした。

のどが痛むせいで声が嗄れ、小さな声しか出せない中、一生懸命しゃべった。

 

「え?もっと大きい声で言うてくれ」

父は耳が遠いうえに、私が声が出せないことが理解できないらしい。

「え?何て?え?」

お互いイライラするやり取りの末、

「よしわかった。まかせとけ」

と父は請け合ってくれた。

 

しかし、そんなやり取りも忘れた頃に、ケアマネさんからメールが入った。

「先ほどお父様が、防水シートを持って来られました。」

 

あちゃー、わかってなかったのか…。

確かに、ベッドに敷く防水シートもスペアを並べて置いていたのだ。

 

すぐに父にメールを打つ。

「それではありません! 紙パンツと尿取りパッドです。紺色のパッケージです」

しかし父から返信はない。

やきもきして待っていると、しばらくして再びケアマネさんから、

「お父様が紙パンツ等を持って来られたようです。ありがとうございました」

とメールが入った。

やれやれ。

 

それで万事解決した。

と、思っていた私が甘かった。

 

その次の週末、実家に帰ってからストックを見てみると、紙パンツも尿取りパッドも、スペアがそのまま置いてある。

なんで??

持っていたんじゃないの??

 

不審に思っていろいろ見回してみると、Mサイズのリハビリパンツのパッケージの一部が切り取られていた。

かつてはそれを使っていたのだが、母が痩せてしまったため今はSサイズに変え、吸収量も多いものを使っている。

Mサイズのリハビリパンツは、父が長時間外出するときの念のために使っているものだ。

 

あ、これと間違えたんだな。

紺色ってあれほど言ったのに、黄緑のを持って行くなんて!

 

また、パッケージが切り取られていたものには、もう一つあった。

私の夜用の生理用品だった。

 

どうやら、父はわざわざそれら2種類のパッケージをドラッグストアに持って行って、

「これと同じものを2つずつください」

と言って購入し、介護施設に持って行っていたようだ。

 

紙パンツはまだいい。

MサイズとSサイズの違いだから。

ただ、問題は生理用品だ。

いくら夜用が尿取りパッドに似ているからといっても、この間違いは顔から火が出るほど恥ずかしい。

 

「お父さん、私、紺色の袋で、家にスペアがあるって、あんなに言ったでしょう。メールでも書いたでしょう」

「二階行ってな、これやな、思ったからな、切り取って買いに行って、持って行ったんや」

「そんなことを聞いとんやないの。持っていくだけをお願いしたのに、なんで買うの?!」

「あかんか」

「間違ったものを持って行って! しかもわざわざ買って! しかも生理用品て!」

「でも持って行ったら、向こうの人もハイハイ言うて受け取ったで」

 

施設のスタッフさんもよく受け取ったものだ。

よく確かめずに受け取ったのだろうか。

それとも、気が付きつつも父に指摘するのはどうかと思い、言わずにおいたのだろうか。

 

「受け取ったかどうかは問題やない! なんで指示したとおりできへんのん? 紙パンツ、種類もサイズも違うんやで! 返品するんか?」

「いいや」

「ほんならどうするんよ、捨てるんか!」

「捨てんでもええがな」

「使わへんのを2袋も買って、どう始末をつけるんや!」

「もうええがな。テレビが聞こえへん」

 

翌日、介護施設に、

「父が、紙パンツのサイズを間違えて持って行ったようです。それと、何か間違ったものを持って行ってませんでしたか?」

と伝えると、母の送迎の際にMサイズの紙パンツ2袋と夜用の生理用品2パックを返却してくれた。

 

とどのつまり。

一番の間違いは、父に任せたことである。

私が風邪をひいたのが悪いのだ。

 

こんなこと一つとっても、風邪なんて引くと損をする。