3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

薔薇とアイスクリーム

祝日の月曜日は、午後から彼氏と須磨離宮公園へ。
長らく神戸に住んでいるのに、初めて訪れた。

須磨離宮はずっと行きたいと思っていた場所。
ただそれだけなのだけど、天皇陛下の生前退位がニュースになっている昨今、陛下の御成婚記念事業として造られたこの公園に来たというのも感慨深い。

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ちょうど今はバラが見頃とあって、観光案内などでよく目にする噴水の周りに薔薇園が美しい。
西洋風の庭園なので、どこか違う国に来たようなショートトリップ感が味わえる。

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優雅なクラシックをBGMにしたいところだけれど、薔薇園といえば、筋肉少女帯の『Guru』と、特撮の『薔薇園・オブ・ザ・デッド』を無条件に思い起こしてしまう。

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これだけ立派な公園だけど、人はまばら。
それが余計に優雅。
散歩をしていると、さまざまな景色の隙間から須磨の海が見えた。
そういえば、海の日の祝日だった。
山の上から遠くにチラ見する海というのも、上品でよい。

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裏側に言ってみると、アスレチックや普通の児童公園があり、そちらのほうが人が多かった。
瀟洒な噴水公園より、子供が好むのは普通の滑り台。




元町の部屋に帰ってから、彼氏に手伝ってもらいながら部屋の掃除。

週末を実家で過ごし、平日は出掛けまくっているせいで、うちの部屋は全然掃除ができていない。
エアコンなどは長らく掃除していないので、動かすと黒い何かが落ちてくる始末。

長引く夏風邪の咳も喉の痛みも、ハウスダストが原因のひとつであることは間違いなく、時間があるときに掃除をしなければ、とずっと思っていた。
祝日こそ、掃除日和なのである。

チビスケの私と違って、彼氏だとエアコンにもラクラク手が届くので、エアコンの掃除は任せきりでやってもらった。

そんな掃除の最中、母のケアマネさんから電話がかかってきた。
母があまりにご飯を食べられないので、対策を考えましょう、という話だった。

これ以上食べられない状態が続くなら、病院に行って点滴を頼んでみたらどうか、というのだ。
もちろん、できるなら点滴してもらえるに越したことはない。
ただ、今日は祝日だし、平日だと私が会社を休まねばならず、おいそれと病院に連れて行くわけにはいかない。

話し合った結果、とりあえず土曜日に私が病院に連れて行く。
それまで、ケアマネさんと栄養士さんとで協力しながら、母が飲み込めて栄養価が高い食事を模索してもらう。
万が一、ずっと食べられない状態が続くなら、土曜日を待たずケアマネさんに病院に連れていってもらう。
そんな結論で電話を切った。

彼氏は掃除をやり始めるとエンジンがかかり、
「こんな吸わへん掃除機じゃあ役に立たん」
と言われ、三宮へ新しい掃除機を買いに出ることになった。

センター街に向かう途中、再びケアマネさんから電話。
「コーヒー牛乳味のアイスクリームを、よく召し上がりました!」
とのこと。

よかった、食べてくれた!

ケアマネさんと一緒に喜びあう。
アイスクリームは口当たりがよくて高カロリー。
ナイス選択!

「何種類か職員に買いに行かせます。アイスクリーム代、何百円か実費になりますが、よろしいですか?」
「いやもうそんな、よろしいも何も、どうぞお願いします!」

スタッフさんが、わざわざ母のために、近くのスーパーまで行って買ってきてくれたのだそうだ。
なんとありがたいことか。

こっちは遊んでるのに、ものすごく申し訳ない気持ちになった。
遊びに出掛けているときに限って、施設から電話がかかってきたりする。
後ろめたさという灰色の煙が心の底を徘徊する。

どれだけ割り切れるのか。
神経は図太く、面の皮は厚く。
すると、いつかハートが強くなる。
と、信じたい。

彼氏に選んでもらって購入した新しい掃除機は、驚くほどよくゴミを吸った。
神戸の部屋にだって、私の暮らしがあるのだ。