3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

ゴスロリ断捨離と地獄のアロハリンピック

先週木曜日は夏休みを取った。

大阪BIG CATで筋肉少女帯人間椅子の「地獄のアロハLIVE Blu-ray&DVD発売記念ライブがあったからだ。

始まるのは夜なんだから、まる1日休みを取らなくても、と思われる向きもあるだろうが、そこは気合いの問題。

 

昨日のブログにも書いたように、この日は介護認定の調査があったり、ガスの点検(部屋の中に入ってきてキッチンまで点検!)があったり、配達物を引き取ったり、目一杯休みの一日を有効に使わせてもらった。

 

有効な用事がもう一つ。

初めて、服を売りに行った。

それも、ロリ服。

 

30代後半になって、

「40歳になる前にもう一度ロリータファッションでライブに行きたい!」

と思うようになり、ゴスロリ服を買うようになった。

現役ロリータだった大学生時代と違って、今はロリータファッションが簡単に手に入るようになった。

世間の認知度も向上した。

アラフォーの私がゴスロリを着る2010年代より、ハタチの私が甘ロリを着ていた90年代のほうが、街の視線は痛かった。

 

ちなみに、ゴスロリ甘ロリというのは服のカテゴリで、大雑把に説明すれば、甘ロリは白を基調としたパステルカラーで夢可愛く、ゴスロリは黒を基調としたダークカラーで重々しく。

天使と悪魔くらいなイメージ違いと思ってもらったらよい。

 

余談だけど、かつて稲田防衛大臣が「ゴスロリファッションに挑戦」みたいなニュースがあったけど、どう考えてもあれはゴスロリではありません。

ゴスの意味がわかってない。あれがクールジャパンとか失笑。

 

アメリカ村近辺はロリータファッションのメッカらしく、中古買取をやっているお店が何軒かあった。

ちょうどBIG CATの向かいにも。

http://www.maidenclothing.net/

 

お店に売りに行くにも、普通の服で行くのはちょっと気が引けるし、どうせならゴスロリ服を着るライブの日に売りに行こう。

ずいぶん前からそう考えていて、とうとう実行の日がやってきた。

 

母が病気になって以降、実家のクローゼットを整理するようになった。

一時、「一日1着ずつ捨てる」という計画を経て、Facebookに毎日捨てる服の画像をアップしていたこともある。

9か月続いた。

それでも実は全部捨てきれていない。

それくらい、両親も私も、服を捨てない家族だった。

 

20年前のロリータ服もずっとクローゼットに入ったままだった。

クリーニングに出して、丁寧にしまってあるのに。

それらも引っ張り出してみた。

そのうち2着は汚れもなさそうだったので、売りに出すことにした。

 

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持って行ったのは、20年前のBABY THE STARS SHINE BRIHTのブラウスとワンピース、2年前に買ったブラウス(metamorphose)とセットアップ(MARBLE)。

そもそも服を売るなんて初めてだったので、どれくらいの金額になるのか見当もつかなかった。

安くても無料でも、引き取ってもらったほうがありがたい。

ごみ箱に捨てるのは忍びないから。

 

結果、20年前のものはキレイに見えてもシミがあったようで、80円と400円。

新しいほうは700円と800円。

まあそんなものか。 

 

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先ほどゴスロリについて簡単な説明したけれど、この日は「地獄のアロハ」のライブである。

地獄っぽい格好をしなきゃいかんでしょう、と、黒づくめの服を選んだ。

 

鏡を見てこれでよし、とは思ったものの、……暑い。

 

当たり前だ。黒づくめのうえ、不必要なヒラヒラがいっぱいついてるんだもの。

 

地獄を表現しているというより、着てる人間が地獄に落とされとる…。

そんな服を着て、中古ゴスロリ買取ショップに行ったはいいものの、行くだけで完全にバテてしまっていた。

 

ライブ会場では会場前に先行して物販を販売していたので、そこでこの度発売のBlu-ray丸尾末広画伯のTシャツを買う。

暑さに辛抱たまらず、ゴスロリのブラウスはTシャツに着替えた。

コーディネートなんて二の次、三の次。

 

BIG CATの入場待ちは階段に列を作らされるのだけれど、その階段の地獄のような蒸し暑さ。

ゴスロリだったら倒れていたかもしれない。

それでいて、入場したら入場したで、今度は会場内の冷房で足が冷え、爪先がつってしまう。

 

こんなんで、長丁場のオールスタンディングに耐えられるだろうか…。

不安な気持ちで開演を待つこと約1時間。

 

まずは人間椅子

大好きな『針の山』で踊っていると、不思議と足の痛みがましになった。

曲を楽しんでいる間は痛みに耐えられる!

今年のアルバム『怪談 そして死とエロス』からの曲が多かったのだけど、このアルバムは特にお気に入りなのもあって、踊る踊る。

 

そして筋少

人間椅子が出てきて、「足の痛みも耐えられる!」と思ったけれど、オーケンが出てきた瞬間、痛みを忘れた。

しかも一曲目が『イワンのばか』。

言葉のレトリックじゃなく、本当に痛みを感じなくなった。

愛の偉大さを知ったというか、自分でもどんだけ好きなんだよと呆れてしまう。

この日のオーケンのヘアメイクが完璧すぎて、美しさに見とれたというのもある。

 

先日北海道で行われたロックフェスRISING SUNが、オーケンが喉の手術をして以降初めての筋肉少女帯のライブだった。

今回は2回目となるけれど、1回目がフェスだから、ちゃんとした復帰はこの大阪といってよい。

 

いつものように楽しいMC。

手術をしたことを話したうえで、休業期間中に筋少の音楽性がテクノに変わってしまったんじゃないかという小ネタで笑わせながらも、オーディエンスを煽るオーケン

 

「声が出ます!歌っていーですかぁー!!!」

 

感極まった。

その2つの文を、今思い出しても目がうるむ。

 

コエガデマス

ウタッテイイデスカ

 

よかった…。本当によかった…。

 

筋少のセトリは鉄板に次ぐ鉄板。

「やるほうもウンザリ、聴くほうもウンザリ」とオーケンがヤジるほどの定番ラインナップ。

でもオーディエンスはウンザリどころか大盛り上がり。

 

オリンピックとかけて、「これは地獄のアロハリンピックだ~!」と言い出したオーケン

最後のほう、

「ここにいるみんなが金メダルですよ」

なんてらしくないことを言ったのも、それだけ特別な夜だったから。

 

最後は筋肉少女帯人間椅子

その前にちょっとだけ、ブラックサバスのコピーバンド、ブラック菩薩(ベースの内田さんとギターの橘高さん)。

 

単体でも両バンドは重厚なサウンドなのに、全員揃ったらどんな音になるか。

サポートも含めると、ギター3人、ベース2人、ドラム2人、キーボード1人、そしてオーケンの総勢9人。

全員バカテク。

『りんごの泪』と『釈迦』で爆音の洪水。

なんて楽しいんだろう!

アドレナリン大放出祭り。

 

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ちなみに、物販で購入したBlu-rayにはメンバー全員の直筆サイン入りポストカードが特典としてついていた。 

  

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人間椅子メンバーのサインと筋少メンバーのサインとでは、画数が圧倒的に違うのに笑った。

とりわけ、うっちーのサイン。

 

う????

「う」だけ?

 

あとで他のファンの方から教えてもらったのだけど、ちゃんと内田さんのサインは別にあるそうな。

それに比べて、椅子のわじーとけんちゃんは漢字フルネーム!

個性が出ますな。