3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

ゴミの分別ができない男はダメ!

一時期、私の心の支えは『銀魂』だった。
一番好きなのは藤田陽一監督がやってた頃のアニメだけれどコミックも良くて、つらいときにはコミックを開き現実逃避していた。

私の中で『銀魂』の舞台である大江戸かぶき町は、『Dr.スランプ』のペンギン村と『うる星やつら』の友引町と地続きの世界だ。
子供の頃、嫌なことがあるとペンギン村や友引町に逃げ込んでいたのが、今はかぶき町。
癖というものは大人になっても変わらない。

じゃあ、『銀魂』のキャラに萌えるかというとそうでもなく、特に銀さんに至っては全然ダメだ。
カッコいいとさえ思えない。

「私、銀さんは受け付けないわ~」と特に思ったのが、ゴミ捨てに関することだった。
第三巻第二十一訓「襟足の長さと子供の憎たらしさは比例する」の名シーン。

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「ジャンプは燃えるゴミでいいはずだ。だって読んでたら何か燃えるもん」

そう屁理屈を言いながらジャンプを捨てる銀さんに、
「そりゃてめーが燃えてるだけだろーがァ!!」
お登勢さんのドロップキックが炸裂する。

「雑誌は古紙の日の水曜日に出せって言ってんだろーが! てめーいつになったらゴミの分別できるようになんだ? 何でも燃えるゴミの日に出しやがって!」

お登勢さんナイス!
私くらいの年齢になると、感情移入するのはお登勢さんのほう。
だから、大笑いしながらも銀さんにはイラっとくる。

週末は実家に帰り、ある程度の家事は済ませている私。
けれど、週末の滞在だけではどうしようもないことが1つだけある。
ゴミ捨てだ。

できることは、ゴミ袋にまとめるまで。
あとは、平日の朝にゴミを出すよう、父に頼むしかない。

うちは母のオムツゴミがあるので、ゴミの量も多い。
臭いの問題もあるのでできるだけ早く捨ててほしいのだけど、油断すると父は寝坊して、時間に間に合わなかったりする。
足が悪い父に重いゴミを運ばせるのも、ちょっと心配だったりもする。

しかし、もっと心配なのは父がゴミの分別を理解しないことだ。

先日、まとめたゴミ袋を持ってみると、何やらカチカチと鳴った。
不審に思い、ゴミ袋をコンクリートに投げ置いてみると、カチャンとガラスの音がした。
袋を開けてよく見てみると、ゴミ袋の底の方に栄養ドリンクのビンが入っている。

「お父さん!燃えるゴミの中にリポビタンDのビンが入っとうけど!!」
「ああ、わからんように奥の方入れたんやけど?」
「そういう問題じゃないでしょ!!」

私は分別したい女である。
できればリサイクルだってしたい。
神戸市はプラスチックゴミの分別をやっているので、私はそれもきちんと分別して出している。

実家のある町もプラスチックゴミの分別をしているので、初めはきちんと燃えるゴミとプラスチックのリサイクルゴミを分けて袋に入れていた。
だか、あるとき、
「お父さん、私が分けてるプラスチックゴミもちゃんと出してくれとうかな?」
と尋ねると、父はこう答えた。

「ちゃんと出しとうで。ゴミの袋を1つにまとめて、燃えるゴミの日にな」

も、燃えるゴミ?!?!

せっかく私が分別したゴミを、父はまた一緒にして燃えるゴミに出していたのだった。
確かにルール上は、プラスチックを燃えるゴミとして出しても問題はない。

けれど、プラ部分だけ解体したり洗ったりという私の手間は、完全に踏みにじられていた。
半年くらいの間、私は何の意味もない分別作業をコツコツやったいたのだ。
無駄な作業に費やした時間を考えると、怒りで卒倒しそうだった。

怒髪天をつく、とはこのことかと思うくらいの、震える怒り。
もちろん、掴みかからんばかりに父に猛抗議したけど、全く理解してもらえなかった。

それ以降、実家ではプラスチックゴミは分別しないようにしている。

プラスチックゴミは、銀さんが言うところの、
「ホントは燃えるのに出し惜しみしてるだけじゃねーか」
っていうサボってるゴミなので、まあよしとしよう。
けれど、ほんとに燃えないゴミはちゃんと分別してほしいではないか。

そこで、父がいつも使っている使い捨てカミソリがたまっていたので、
「お父さん、この使い捨てカミソリの捨てかた、知っとう?」
とクイズを出してみた。

「知っとうで」
「じゃあ言うてみて」
「透明やない袋に入れてな」
「袋に入れて??」
「くるくるっとまとめてな」
「まとめて???」
「燃えるゴミ袋の奥の方に突っ込む!」
「それがアカン言うとんや!!」

まったく、私がお登勢さんだったら、ドロップキックをお見舞いしているところだ。

うちの父は特別ダメだとしても、高齢者の皆さんはちゃんとゴミ捨てができているのだろうか。
分別ルールだって、ちょくちょく変わる。
ゴミの日だって、ちょくちょく変わる。
ちゃんと理解して、ついていけてるのだろうか。

自分でゴミ出しができない足の悪い人の場合、ヘルパーさんに頼めるのだろうか。ゴミ出し時間が午前6時なら8時までなのに?

ゴミ出しについて、これからどんどん高齢化社会になっていくのに大丈夫なのかな、と疑問に思うことがちらほら。
未来には、回収ロボットとか回収ドローンとかができれば解決するかしらねぇ。