3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住むアラフォーOL、波野なみ松の、仕事と趣味と母の介護を両立させる日々の記録。

『人間椅子/魔術師』を朗読劇で見た。

祝日である今日の昼間、極上文學『人間椅子/魔術師』という朗読劇を観に行った。
人間椅子』も『魔術師』も、言わずと知れた江戸川乱歩作品だ。

場所は、近鉄アート館。
この劇場に行くのは初めてで、最初、てっきり上本町にあるのだと思い込んでいた。
昔、上本町に、近鉄劇場近鉄小劇場という劇場があったからだ。
久しぶりにハイハイタウンでランチでも食べようかな、などと思っていたのだが、前日に場所を調べたら近鉄アート館はアベノハルカス内にあるという。
そういえば、アベノハルカスも初めてだ。

天王寺に来たのは数年ぶり。
すっかりキレイになって、オシャレになった天王寺駅周辺。
三連休初日、しかもクリスマス前とあって、たくさんの人でごった返していた。
外からアベノハルカスの高さを眺めたかったのだけど、ちょっと外へ出たら雨混じりの強風で、たまらず建物内に退散。
中にいたら、結局どれだけ高いかわかりゃしない。

この朗読劇を知ったのは、ROLLYTwitterでだった。
魔術師役でROLLYが出演するらしい。
もともと江戸川乱歩好きではあるけれど、それ以上に、宣伝画像のROLLYがグッときたのだった。

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実際、生で見た魔術師はまさにこの画像と寸分違わなかった。
存在そのものがイリュージョン。
ついついROLLYさんばかり目で追ってしまう。
それって、『ガラスの仮面』で言うところの‘舞台荒らし’みたい。

すり鉢状になっている劇場はすごく観やすく出来ていて、黒と赤で耽美を煽る舞台美術の、サーカスのイメージが映えていた。
音楽もピアニストによる生演奏がすごく良くて、なるほど今まで気付かなかったけど、乱歩とピアノの音は相性がいい。(そう感じるのは筋少三柴理さんのピアノによる刷り込みかしら?)

繰り返しになるが、私はROLLYが見たくて来ただけなので、この極上文學というシリーズを全然知らなかった。
なので、出演者が全員男性だと気が付くまでにずいぶん時間がかかった。

みんなキレイな男の子ばかりである。
女性役の役者さんなんか、声を出さなければ男性だとわからないほど美人だ。

でも、若くてキレイな男の子に興味のない私にとっては、
「顔は少々不細工でもいいから、もうちょっと上手い役者さんが見たかったなぁ」
というのが正直なところ。

客席は、彼ら目当ての女性ファンが多数を占めるように見受けられ、役者自身がそれに甘えてるんじゃないか、という気になった。
客への甘えじゃなくても、自分達のルックスに甘えてるんじゃないか、という気がしてしまう。

朗読劇というのが余計に演技を下手に見せ、おまけにイケメンなのが甘えに見えてしまい、
「見た目がいいのって逆に損かも!」
と気の毒に思った。
特に、名探偵明智小五郎が大活躍する後半のくだりは、朗読をしているぶん、動きが散漫になるので、
「普通の演劇のほうがいいのになんで朗読劇なんだろう、本を持ってるのが邪魔だなぁ」
と、コンセプト自体が疑問に思えた。

ところで、私は江戸川乱歩のファンだけれども、実は明智小五郎が登場する推理小説はあまり好きではない。

乱歩の小説は3パターンある(と私は解釈している)。
☆犯罪者や異常者が主人公の心理小説
明智小五郎などの探偵が謎を解き明かす推理小説
☆少年探偵団が活躍する冒険小説

私が好きなのは犯罪心理物で、とりわけ『お勢登場』と『芋虫』が好きだ。
犯罪を犯すまでの背景と、そこに至るまでの駆け引き。
日常に潜む、心の暗闇。
よく考えたら、『お勢登場』も『芋虫』も、どちらも女が自分の夫を殺す話だった。
女の中に住む、何を考えているかわからない悪魔。
はは、くわばらくわばら。