3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

年末年始あれこれ

*** 12月30日 ***

年末はいろんな人から、
「お父さんに辛く当たりすぎじゃないか」
と言われた。
確かに、酷い態度だったかもしれない。
年末年始は父をいたわる気持ちを持とう、と反省して帰った実家。
なにしろ老人にしてケガ人なのだから。
しかし、そんな私の気持ちとはうらはらに、当の本人は養生する気が全く見られない。
杖もつかず、簡易ギプスを外したままウロウロしている。

「ギプスせなあかんやんか!」
と注意すると、
「あれな、着けたら膝が曲がらんから歩きにくいんや」
と平然としている父。
「動かさないようにするためのギプスなんやから当たり前やん!」
「それ、先生もそう言うとったわ」
「じゃあなぜ外す!!」
「それがな、昨日診察に行ったらな、だいぶ良うなってますね、って言われたんや」
「ギプスせんでもいいって言われたの?」
「いいや。年明けにもう一回診て、良うなっとったら外そか、って」
「じゃあ今外したらあかんやないの!」
「着けたら歩きにくいんや」
そして、話は最初に戻る。

もう痛みがないらしく、本人は治ったつもりでいるので、いくら言っても聞く耳を持たない。

***

母は肩を動かしても痛がらなくなった。
着替えのときに気付いたのだが、二の腕に黄色く変色している部分があった。
打ち身の治りかけのようなアザだ。
これが原因だったのかもしれない。

*** 12月31日 ***

大晦日は年越しとして、にしんそばを作った。
母には軟らかめに茹でた麺を短くちぎりながら食べさせたら、なんとか食べてくれた。

父はにしんそばが大好きなので、
「美味しいなぁ!なぁ、お母さん、なみ松のにしんそばは美味しいなぁ!」
と調子に乗り、いつのまにか日本酒を3合ほど飲んでいる。

母の世話で手一杯で父のことはほったらかしていたが、気づくと父の姿がキッチンから消えていた。
酔っ払って眠くなったせいで、2階に上がったらしい。

母の食事を終えてトイレに連れていこうとしたとき、廊下が濡れていることに気付いた。
キッチンからトイレまで続く、水たまり…。
酔っ払っいがおしっこを漏らしていきやがったのだ。

昼間大掃除したのも台無しになった。
夜更けにも関わらず、私は吼えた。
私の2016年最後の仕事は、父のおしっこ拭きだった。

*** 1月1日 ***

朝起きると、母は下痢。
年の初めが母の下痢便の片付けとは。
昨年の暮れが父のおしっこ拭きだったことと対をなしてる。
父には頭に来るけれど、母のはしょうがない。
うんがつく、と思えばおめでたい、かも?(←まじで?)
運気上昇の年になりますように。

「元旦はお正月の朝祝いをするから、ちゃんと起きてきてよ」
と、何度も言ったにもかかわらず、父は元旦も昼まで起きてこなかった。
大晦日、酔いが冷めた父は夜中に起き出してきて、しばらくテレビを見ており、再び床に就いたのは明け方らしい。
78歳、まるでニートの生活リズム。

元旦の朝には白いご飯を炊き、お雑煮を作る。
おせちはお取り寄せで購入。

本当は朝におせちを開けたかったのだが、父が不在なので、母と二人でお雑煮の朝祝い。
昨日の年越しそばを上手に食べたので、小さく切ればお餅も食べられるかな、とトライしてみたら、母が見事に餅を喉に詰まらせかけた。
危機一髪。かなりヤバかった。
挑戦は避けたほうがいい2017年。

***

おせちを開けたのは昼過ぎになってから。
母に食事介助をするのには、リビングのソファに座らせるのがちょうどよいのだが、リビングには簡易テーブルしかない。

小さなスペースにおせちのお重をギリギリに並べる。
狭くても3人でそこで食べればよいのだが、父はそれを嫌がって、一人、キッチンで食べている。

おせちも食べず、キッチンで飲んでいた父をふと見ると、おかきを食べている。
年末年始のおやつにと買い置きしていたおかきの袋が、ビリビリに破られていた。

「なんでおせちを食べんと、おかきなんか食べてんのよ!!子供か!!!」

つい、爆発的に怒鳴ってしまった。
帰る前は父を怒らないよう気を付けようと思っていたけれど、結局怒りまくっている。

「ちょっと食べて見たかっただけや」
父は悪びれもしない。
怒られないようにしようとはつゆほども思わないのだろう。

「しかもこんな開け方して!湿るやないの!」
袋の破り方も気に入らず、それも叱りつけると、
「中は個包装やから大丈夫や」
と口答えする。
確かに個包装なら湿らないかもしれないのだが、怒鳴った手前、収まりがつかずに、
「個包装でも密封やないから湿るんや!!」
と、自分でもよくわからないことを言って、やはり怒鳴っていた。

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本来なら、お正月用に買ったお屠蘇で乾杯するつもりだったけれど、あんまり腹が立ったので、床の間に置いたまま出しもせず。

もちろん父は飲みたがったが、
「大晦日におしっこ漏らした人には飲まさん!」
と一蹴してやった。

*** 1月2日 ***

今日から母にはデイサービスに出てもらう。
そして、まだお正月だけれど、明日からはお泊まりをお願いしている。
私は4日から仕事初めだ。

今年も1年のサイクルが始まる。
この日常ができるだけ長く続きますように。
お願いするとしたら、それが一番の願いだ。