3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住むアラフォーOL、波野なみ松の、仕事と趣味と母の介護を両立させる日々の記録。

せっかくヘルパーさんに来てもらったのに。

12月中旬、初めてヘルパーさんに来てもらうことになった。

父の介護保険を使って、ゴミ捨ての手伝いと、お風呂の掃除と父の入浴見守りをしてもらう話になっていた。

父は杖をつきながらだと重いゴミを持って歩けないのと、簡易ギプスをつけた状態ではバスタブの掃除がしにくいだろうと思ったので、私がケアマネさんに要望したのだ。

父も足をケガしている認識があるせいか、とりあえず承諾してくれた。

 

最初の週はうまく行った。

ケアマネさんに聞くところによると、父は、

「こんなことまでしもらって、天皇陛下になったみたいや」

と照れていたというが、それ以外はヘルパーさんをすんなり受け入れたという。

嫌がったり意地を張ったりして困らせるんじゃないかと心配していたので、その話を聞いたときは安心した。

 

ところが、うまく行ったのはその週だけ。

翌週の週末、日報のファイルを見ると、ヘルパーさんが来てくれた形跡がない。

父に尋ねると、

「待っとったけど来やへんかったんや」

という。

おかしいなぁ、日程の連絡ミスだろうか。

訝しかったけれど、年末年始だったこともあり、ケアマネさんには問い合わせを控えていた。

 

6日の金曜日、ケアマネさんから携帯に連絡が入った。

 

まず、父が「ヘルパーさんが来なかった」と言った日についてだが、ヘルパーさんはちゃんと来てくれたのだという。

父は外出していて留守だったそうだ。

おそらく、父のほうが時間を勘違いしていたのだろう。

 

また、年明けに入浴介助に来てくれたときも、

「もう大丈夫やから自分でできる」

と拒否し、結局サービスを受けることを拒んだという。

 

ゴミ捨てに来てくれた朝も、父は出なかった。

チャイムを押しても電話をかけても応答しない。

30分ほど待ってくれたそうなのだが、どうしようもないので帰ったという。

ケアマネさんが昼前に訪れると、父は出てきたらしい。

単なる寝坊だった。

早く寝ようとして11時頃就寝したものの、3時くらいに目覚めてしまい、だったら朝まで起きていよう、と思っているうちにいつの間にか寝込んでしまって、気が付いたら10時前だった、というのが父の談。

 

「いずれもヘルパーは訪問してるんで、キャンセル料がかかるんです。1回100円ほどなんですけどね。サービスが受けられないのにお金だけかかってしまって申し訳ないですが」

「いえいえ、わざわざ来ていただいてるんで当然です。ご迷惑ばかりお掛けしてすみません」

私は平謝り。

 

「それはそうとして、今後どうしましょう?」

「父が拒否してるなら、入浴介助はもうやめにします」

 

バスタブ掃除が危ないんじゃないか、と心配していたのは私の判断である。

しかし、振り返ってみると父はこれまで、何日も沸かし直しで入ったり、バスタブを洗わずにお湯だけ入れ替えて入ることがよくあった。

「3日以上前のお湯で沸かし直しをしない!」

「新しいお湯を入れる前はちゃんとバスタブを洗いなさい!」

何度そう怒ったかしれない。

父がバスタブ掃除をサボるのであればリスクはないわけで、そもそもが私の杞憂だった。

 

ヘルパーさんには、お風呂を洗って沸かしてもらい、父が入浴、その後もう一度お風呂掃除をしてもらう、という段取りでお願いしていた。

私としては、昼間にヘルパーさんがいるうちに父にお風呂に入ってもらうことで、夜に酔っぱらって入浴して転倒したり、お風呂の中で眠ってしまったりすることを防げる、という思惑もあった。

ただ、ギプスをつけていたときとは違い、今やもう父は膝が治ったつもり(まだ骨はくっついていないけど簡易ギプスは外れた)になっているので、いくら転倒や溺死の危険性を説いたって、言うことを聞くはずもない。

私が注意しても、

「酒飲んだあと、風呂で居眠りするのが気持ちええんや~」

と平気で言っている。

 

「お風呂で何かあっても自業自得なんですけど、ただ…、ゴミだけは…」

うちは普通の家庭よりゴミが多い。

母のおむつゴミがあるせいだ。

水分を含んでいるので重いし、汚物なだけに早く捨ててしまいたい。

6日の朝に父が寝坊し、ゴミ捨てに行ってもらえなかったせいで、今は年末からのゴミが大袋で3袋ほどたまってしまっている。

次こそは捨てなければ!

 

父にいくら「朝ちゃんと起きなさい」と言ったところで無駄なのは私もケアマネさんもわかっていた。

2階に寝ているうえ耳が遠いので、1階にお客さんが来ていても電話が鳴っていても聞こえない。

打つ手なし、と絶望感にさいなまれる。

 

「父が起きて来なくてもゴミを出してもらうことはできないんですか? 夜のうちに玄関の外に出しておくんで」

と尋ねると、

「ヘルパーというのは、『本人のお手伝いをする』という立場なんですよ。なので、ご本人さんにお会いするのが前提なんです。ゴミ出しだけやったらヘルパーやなくて、シルバー人材でお願いするサービスもありますけどね。実費で500円くらいかなぁ」

「それを使うのもアリかもしれませんね」

 

「ただね、ヘルパーが会うのは安否確認も含めてのことなんですよ。ほんまに寝坊やったらええんですけど、もし家の中で倒れてても、わからへんでしょう? お家の中に入れたらええんですけど、鍵かけとってやしね」

「身体が動かなくて玄関まで出られない人なんかは、どうされてるんですか? 合鍵を預けるとか?」

「ヘルパーが鍵を預かることはできないんです。なので、よくあるのは、植木鉢の下に置いとくとか、裏口を開けとくとか、ですね」

「うーん、それも不用心ですねぇ…

もう20年ほど前になるけれど、お隣の家が空き巣に入られたことがある。

それがあるので、鍵を置いておく、というのには抵抗があった。

 

「2階で寝ているお父さんを起こせる手段があったらええんですけど。目覚まし時計は?」

「もちろんありますよ。でも、耳が遠いんで鳴ってても起きませんし、寝る前にセットするのをよく忘れてますし」

「携帯は?」

「不携帯です。いっつもテレビの前に置いてて、充電もよく切れてますわ」

「電話に子機はないんですか?」

「あ、子機! 今は使ってないんですけど、あると思います!」

とりあえず、父の枕元に子機を設置することになった。

これで父が朝起きられるようになればいいんだけど。

 

また、合鍵についても、ヘルパーさんが玄関を開けられる方法を考えてみようと思う。

置き場所に暗証番号付きの錠をつけるとか、何か方法があるはずだ。

どなたかいい方法があればアドバイスを求む。

 

これまではずっと母の介護について手を尽くしてきたが、ここのところ父のやっかいごとが増えてきた。

とうとうWケアに足を突っ込んできたかんじ。

一人っ子だからしょうがない。

 

そういえば、国策として一人っ子な中国はどうなのか、というと、昨今「421家庭」というのが社会問題になっているという。

 

<一人っ子政策>夫婦1組で老父母4人と子供を養育、負担重く―... -- Record China

 

祖父母が4人、両親が2人、子供が1人、で421。

昔は、6人の大人たちに甘やかされた一人っ子の子供を「小皇帝」と呼んで揶揄したものだが、三角形の頂点が、やがて逆三角形の底辺となる。

大人たち全員の負担がのしかかってくるとなると、小皇帝もたまらないだろうな。

 

私も女帝として頑張らざるをえない。