3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住むアラフォーOL、波野なみ松の、仕事と趣味と母の介護を両立させる日々の記録。

遊んでばかりの春

「祝日は日帰りで東京へ、ライブを見に行ったんです」
「たまにはそういう楽しみもないとね!」

「明日は映画を見に行くんです」
「いいですね!たまには息抜きしないとね!」

ありがたいことに、皆さん優しく、
「たまには遊ばないと」
と言ってくれるんだけど、ごめんなさい!
たまにじゃないんです!
いつもなんです!

ここのところのスケジュールの埋まり方は尋常ではない。
一番の原因は、オーケンがめっちゃお仕事をされていることだ。
ファンとしてはできるかぎり活動をフォローするので、ただでさえ母の介護とか仕事と家事の両立とかでバタバタしているのに、もう大変なのである。
ライブだけじゃなく、テレビを録画し、ラジオをチェックし、雑誌が出ていれば買いにいかないといけない。
昔と違い、インターネットの動画やネットTVなど、媒体が増えた分、より忙しくなった。(ちなみに明日3月26日は筋肉少女帯ニコニコ生放送と、AbemaTVへのゲスト出演が。)
オーケン関連のイベントが活発になるにしたがって、私のスケジュールがギューギューになる。

私の優先順位は、

大槻ケンヂ → 家族 → 仕事

の順であり、20年以上そんな生活を送っているのだから今さら変えられない。
自分が死ぬまで、いや、来世でも同じだろう。

3月11日の土曜日は、筋肉少女帯のファンクラブ的なものである「ハイストレンジネス」の発足イベントがあり、例外的に母をお泊まりさせて出掛けて行った。
その翌日の日曜日にあった大阪BIG CATのライブ「『猫のテブクロ』完全再現+11」も、本当なら行きたいところだったけれど、さすがにそれをすると母を連泊させるうえ、月曜日のリハビリを受けられなくなるのでガマンした。

その代わり、3月20日の月曜日があった。
祝日のこの日に赤坂BLITZで同タイトルのライブがあり、こちらに行くことにしたのだ。
ファンとしては絶対に見逃すことができない記念碑的なツアーだったからだ。

日帰りの東京はキツいしお金もかかるけど、お金以上に時間の調整がつかないのだから仕方がない。
今の私の人生は、

時間 → 健康 → お金

という価値観で回っている。
会社をやめて正社員じゃなくなったら、お金と時間の位置がひっくり返るんだろうけど、今はとにかく時間が惜しい。

そこまでして一人のアーティストを追いかけているのは、傍目には愚かしく映るに違いない。
きっとバカみたいに思われていることだろう。
でも、長年ファン活動をやっていてふと気がつくと、周囲の人たちより物知りになっている自分に気がついた。

ライブやイベントに行くために、いろんな地域に出かけるので、交通網や地理に詳しくなる。
特に神戸の人は遊びに出るとき地元から出ない人が多いので、同じ近畿圏なのに大阪で迷うという話をよく聞く。
出張などに行った際、私がやたら路線や乗り換えに詳しくて驚かれる。

今回の遠征で私は、生まれて初めて東京駅に降り立った。
というのも、通常、東京に遊びに行くとすると新宿や渋谷が中心。
だとすれば、品川で降りて山手線に乗るパターンが多いのだ。
今回は会場が赤坂なおかげで、初東京駅を経験できたというわけだ。

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初めての東京駅はとても美しくて、思わず写真をパチリ。
すっかりおのぼりさん。

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彼氏にLINEすると、
「東京駅ってアムステルダムの駅に似てるね」
って、なんだそりゃ自慢か?
彼氏としては、私が熱心なオーケンファンなのを内心快く思っていないのだ。

東京から赤坂までは東京メトロで。
工事中のところが多くて、すっかり寂れた都市みたいに見える。
人も少なく、これが本当に日本の首都か?と疑いたくなる風景。
私の知らない東京。

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赤坂の駅についてからしばらく地下を歩き、階段を上がって地上に出てみたら、まるで私を待ってくれていたみたいに垂れ桜が咲き誇っていた。

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新宿や渋谷に降りると、「東京に来たなぁ」と実感するのだけど、これじゃ全然、上京してきた感がわかない。
そのかわり、ずっと夢の中にいるみたいな気がして、ふわふわしていた。

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筋肉少女帯の『猫のテブクロ』は1989年にリリースされたアルバム。
当時まだ、私は筋少を知らなかった。
その2年後、クラスの男子が『猫のテブクロ』をダビングしたテープをくれて、それが初めての筋肉少女帯だった。
彼がなぜ私にテープをくれたのかは全く覚えてないけれど(その男子の名前がどうしても思い出せない)、振り返ればそれが私の、人生の転機だったわけだ。

そんなわけだから、『猫のテブクロ』は思い入れがあるアルバムで、それがまたライブで演奏される。
そのライブに立ち会えたという奇跡。

私は常日頃、「今の51歳のオーケンが一番好き。銀髪万歳!」と公言してはばからないフケ専だけれども(←冗談ですよ!!)、それでも、この日のオーケンがときどき、かつての長髪の美青年とオーバーラップして見えた。
私の脳内イリュージョン。

終わってからもずっと夢の中のようで、疲れて爆睡するだろうと思っていた新幹線の中でも、ずっとファンの方のTwitterを眺めている始末だった。
新大阪から在来線に乗り換え、JR元町駅に着いたときには日付が変わっていた。
明日、いや今日からまた仕事だ。
シンデレラの魔法が解けた。
気が付くと神戸は雨。東京は晴れていたのに。
そぼ降る雨の中、オールスタンディングのライブで疲れた足に鞭打ちながら家へと駆けだした。


私が遊んでばかりいる間にも、母の病気は緩やかに、しかし着実に進行している。
目下、歯肉炎と床ずれの悪化、体重の減少が悩みの種だ。

今週から、とうとうテープタイプのオムツを使うことにした。
これまではパンツタイプのものを使っていたけれど、それは基本的に「立てる」人用。
しばらく前から母は、どんなに支えても立つことができなくなってきていた。
テープタイプというのは、いわゆる一般的なオムツである。
紙パンツではない。
これを使うということは、イコール「寝たきり」だ。
これまでできていたことを「できなくなった」と判断をし、次のステージへ移るのはちょっとつらい。
けれど、現実を受け入れなければ。

うちの母は、私が遊びに出かけることを否定したことは一度もなかった。
「若いうちにできるだけ、楽しいことをいっぱいしなさい。歳をとったらできんようになるんやから」
というのが口癖だった。
おかげさまで、若い頃から好き勝手させてもらった。

私がすでに若くなくなって以降も、母は同じことを言い続けた。
「今のうちたくさん楽しみなさいよ、大人になって結婚したら、遊びに行くこともできんようになるで」
そのときすでに、母は私の歳を覚えてなかったのかもしれない。
もしくは、親の歳から見れば、子供はいつまでも「若い」と思えるのか。

おかげさまで、まだこの歳になっても楽しいことをいっぱいしている。