3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住むアラフォーOL、波野なみ松の、仕事と趣味と母の介護を両立させる日々の記録。

不安な気持ち

こんな夢を見た。

母の口腔ケアのとき、私はペンチで母の下の前歯を1本摘まみ、力まかせに挟み潰す。
粉砕された前歯。
「あああ!!やってしまった!!」
と慌てる私に、
「大事にしてた前歯なのに!!」
と母が泣く。(夢だからまだしゃべれる設定。そして、歯が砕けたのに痛くはないらしい。)
「どうしよ、ごめんね、ごめんなさい…」
と大慌てで謝る私。
なんでこんなことをしてしまったんだろう、取り返しがつかないことをしてしまった…。

後悔と反省と不安に押し潰されそうになって、目が覚めた。

夢で良かった。
ていうか、口腔ケアでペンチなんか使わないし!

このテの夢は久しぶりだ。
かつては、食事介助のときに母の食べ物を詰まらせて死なせてしまうとか、階段の昇り降りの介助で二人とも落下するとか、そういう夢を見ていた。
おかげさまで介助も安定してきて、不安の減少とともに、最近は嫌な夢も減っていたのだが。

先週なかば、施設にいるときに、母の右腕に表皮剥離が起きた。
表皮剥離、簡単に言うと皮膚が切れて傷ができたってこと。
肌が弱くなっているので、ちょっとぶつかっただけですぐに内出血したり、皮膚が破れたりする。

ついうっかり、というのは仕方ないものだけれど、ここのところ右腕のケガが続いていた。
同じような箇所を何度もぶつけていて、春先からずっと内出血が続いていたところだった。
そのうえ、腕に比べたら小さいけれど、右肩の鎖骨の横にも内出血ができていた。
こんな場所をぶつけることもないだろうし、どうしてこんな場所に内出血ができるのかがわからない。

その話を訪問リハビリの療法士さんに相談すると、肩の内出血は、筋肉が固まっているのに無理に動かそうとしてできたものではないか、という推測だった。

今までにないパターンに、ちょっと不安に思っていると、ケアマネさんから謝罪の連絡があった。
療法士さんから施設に連絡してくれたらしい。

施設内でも話し合ったところ、右腕の表皮剥離はポータブルトイレに移乗させるときに、ポータブルトイレの手すりにぶつけてしまったものらしい。
左腕はもとから動かない前提で介助しているのだけど、右腕は動くものだという固定観念があって職員の注意が至らなかったようだ、という。

その説明は実感としてよくわかった。
この施設の小規模多機能にお世話になるようになって、1年と10か月になる。
最初はまだ抱えれば立てたし、右手もかろうじて動いていた。

病気は進行する。
今ではどんなに抱えても立てないし、右手の拘縮も強くなってきて、左手同様に動かない。
職員さんたちが意識や介助方法をアップデートするよりも病気の進行の方が早い、ということなのだ。

「今後は移乗のときには手すりを必ず外すようにして、右手にも十分に配慮するよう、職員全員で徹底します」
と、ケアマネさんから謝罪をもらった。
もちろん、十分に気を付けてもらいたいし、ケガをした母はかわいそうだけど、あまり職員さんたちにプレッシャーをかけたくないなぁとも思う。

私が、「いつか取り返しのつかない失敗をしてしまわないか」と悪夢を見るように、介護スタッフの皆さんも常に不安を抱えているんじゃないかと思うと、気の毒になる。

人に話すと、
「プロだから大丈夫。割りきってるよ」
とか、
「自宅と違って施設は設備が整ってるから平気だよ」
とか言われるけれど、本当にそうだろうか。
そうだったらいいけど。
そうあってほしいなと思う。