3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住むアラフォーOL、波野なみ松の、仕事と趣味と母の介護を両立させる日々の記録。

歯を抜いて、猛暑。

金曜日は再び夏休みをもらって、赤十字病院へ母の犬歯を抜いてもらいに行った。

これを抜いておかないと、また炎症を起こしたり、そのせいでアゴの骨が溶けてしまったりするんだから、対処せざるをえない。

 

診察室では、歯を抜いたあとの万が一の場合について説明を受け、同意書にサインをさせられた。

一応「手術」ということになるらしい。

 

「術後、唾液に混じってピンク色の血が出ます。それはいいんですが、濃い色の血がダラダラ出て止まらないときは、すぐに病院へ来てください」

「すぐにと言いますと? 夜中でもですか?」

「そうですね、夜中だったら夜間救急外来がありますから」

「家族だけでは連れて来られないんですが、救急車を呼んでもいいくらいですか?」

「んー、まあそうですね、血が大量に出るようだったら救急車を呼んでもかまいません」

 

うちの母は10年ほど前に心筋梗塞をやったことがあって、それ以来、バイアスピリンという薬を飲んでいる。

血液をサラサラにする薬で、これを飲んでいると出血が止まりにくいと言われているのだ。

だから、出血については私もちょっと不安なところがあった。

歯を抜いたことによって、命にかかわるような大変なことになってしまったら?

心配症の私は、ついつい最悪の事態を考えてしまう。

 

「では、ご家族の方は外でお待ちください」

と言われて、ずいぶんかかるのかと思いきや、抜歯はあっという間に終わった。

終わった後の母を見ると、口の端から一筋の血が垂れているだけだった。

そのせいで服に2滴の血液染みがついてしまったけれど、ドバドバ出血したような雰囲気はない。

 

先生が抜けた犬歯を見せてくれたが、歯の根っこが真っ黒で、見事な虫歯だった。

これまで見えていた歯の上部分は何ともないのに、根だけ虫歯になるなんて、そんなことがあるの?

まったく、何が起きるかわかったもんじゃない。

 

「抜いたあとの部分は縫っています。自然に溶ける糸ですが、なくなるのに1か月はかかるでしょう。それまでに取れてしまうようなら、抜いてもらってもかまいません」

母の口を見てみると、歯を抜いた部分が真っ黒な穴になっていた。

「わあ、ブラックホール!」

と私が言うと、

「黒く見えているのは血の塊ですよ」

と言われてしまった。

言葉が言えない母は、痛いのか痛くないのか、ただ放心状態で口をだらりと開けていた。

 

先生からは、食事も、口腔ケアも、これまで通りでよいと言われた。

「穴の部分に食べカスがたまったらどうしたらいいんですか?」

と尋ねると、

「ほっておいてください。患部は触らないことが一番です。無理に掃除したりしないように」

と言う。

ただ、やはり心配性の私は、それでまたバイキンが入ったらどうするんだろう、と考えてしまう。

そのために抗生物質のお薬が出ているんだろうけれど、なんとなく不安だ。

こういうことから、徐々に弱ってしまうんじゃないのかな、年寄りってやつは。

 

その後、今のところ血はさほど出ることがなく過ごしている。

ただ、食事が進まない。

その理由が、患部が痛いせいか、猛暑のせいかがわからない。

 

毎年、猛暑が続くたびに母は食事が摂れなくなる。

ここのところ、一番食べてくれるのは、カステラやスポンジケーキ類を牛乳にひたしたものだ。

夏に入るまでは、オートミールグラノーラを混ぜたものに牛乳をかけて、くたくたになるまで置いたものを食べていたけれど、最近はよくむせるようになって、食べさせるのをやめた。

おかずには、豆腐、卵豆腐、茶碗蒸し、そしてレトルトの介護食品が大活躍だ。

ミキサー食は自分では上手に作れないから、手作りするのはやめてしまった。

レトルトの介護食品は最近、いろんなメーカーが参入してきて、種類がどんどん豊富になっている。

その中でも、昔は「容易にかめる」という一番かたいものだったのが、今は「かまなくてよい」という一番やわらかいレベルのものしか飲み込めなくなってきた。

 今冷蔵庫に入っているのはこんなところ。

 

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母が失った歯は、今回抜いた歯で3本目。(母の歯の丈夫さは過去の日記を参照していただければ幸い。)

naminonamimatsu.hatenablog.com

 

8020運動というのをご存知だろうか。

「8020(ハチマルニイマル)運動」とは?|8020運動|啓発活動|日本歯科医師会

「80歳になっても20本の歯を残そう」という運動らしい。

母の歯はまだ25本は残っている。

80歳まであと3年。この調子でいけば20本くらい余裕で残りそうだ。

母は歯も丈夫だし噛む力は十分ある。

なのに、食事は「かまなくてよい」だなんて、皮肉すぎる。

飲み込むのに力がいるなんて、若いときに誰が想像できるだろう。

 

去年の夏は、一時期アイスクリームしか喉を通らないときがあった。

それに備えて、今バニラアイスが冷凍庫でスタンばっているのだけれど、そろそろ出番かもしれない。

しかしアイスクリーム、歯茎にしみるかもしれないなぁ。