3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

星座の名前は言えるかい

9月1日は、南堀江knaveにてオーケンのライブ。
正確なタイトルは、「大槻ケンヂ内田雄一郎LIVE 弾き語りvs電子音楽 〜大阪編!」。

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「中学の同級生が、長くハードロックバンドをやってきた末にまさかテクノに!/まさか弾き語りに!」という、筋肉少女帯の発足メンバー二人による対バン形式のライブだった。(1人ずつなので対バンと呼ぶのは変かもしれないけど。)

オーケンのライブについては、かわいい、かっこいい、ステキ、好きすぎる!などの凡庸な褒め言葉しか出てこないので、あえて何も書かない。(ご本人もネットであれこれ書かれるのは嫌みたいなので。文章にその場のライブ感は表せないしね。)

内田雄一郎、通称うっちーのライブは、筋肉少女帯の曲をテクノアレンジしたソロアルバム『SWITCHED ON KING-SHOW』からの曲がほとんどで、相変わらずの脱力感が楽しかった。
まるで如意棒みたいな赤いライトの“相棒”を振ってオーディエンスの笑いを誘いつつ、和やかなライブ。
何度聴いても、あの気の抜けた『イワンのばか』のイントロに笑ってしまう。

ライブレポはうまく書けないので、ライブ中にふと頭をよぎった極私的な話を少し。

うっちーのアルバムにも入っていて、この日も歌ってくれた曲に、『星座の名前は言えるかい』という曲がある。
再結成前の筋少で、オーケンが少し病んでた頃の曲。
寄り添うように優しく語りかけてくれる歌詞に、私は何度涙したことだろう。

うっちーはこの曲を『はじめてのチュウ』みたいにアレンジして、ポップに歌う。
これはこれで、曲調にとってもマッチしている。

ちなみに、こんな歌詞。

この曲を聞きながら、ふと会社で聞いたこんな話を思い出した。


娘さんが東京の大学に進学して家を出てしまったあるご夫婦。
奥さんは子離れできないタイプらしく、娘さんが出ていってからずっと寂しくてふさぎこんでいるそう。
そもそも、奥さんは東京への進学に反対だったらしくて、それを許した夫さんにも腹を立てているらしい。

それに対して愛妻家の夫さんも、
「子供が独立するのはしゃーないやないか。俺がそばにいるのになんで寂しいんや」
と、くよくよする奥さんにイラついていて、夫婦仲がギクシャクしているというのだ。

夫さんとしては、なんとか奥さんのご機嫌を取りたくて、
「せっかく二人になれたんやし、夫婦水入らずで旅行にでも行こう」
と提案したところ、
「あなたと行ってもしょうがない!」
と奥さんは喜ぶどころか怒ってしまったそうだ。
夫さんは、
「もう俺のことを好きじゃないのか…」
と落ち込んでしまったという。


その話を聞いていて、私は、
夫さん、わかってないなー!
と思ってしまった。

その奥さんはきっと、自分が感じている寂しさをわかってほしいだけじゃないかと思う。
ただ寄り添って、同じ寂しさを共有してほしかったんじゃないか。
だって、それができるのは同じ子供の親である夫婦だけだから。
それなのに、子供がいなくなって夫婦二人だけの生活を喜ぶような夫さんの態度が悲しかったんだろう。

夫さんは何も悪くない。
けど、奥さんが求めているものをわかってないのだ。
男性はすぐに具体策を提案しようとするけれど、旅行に行くのは二人で気持ちを共有したあとでいい。

そんなわけで、『星座の名前は言えるかい』だ。
「寂しいのかい? 大丈夫、僕も寂しいから」
そんなふうになぐさめてほしいんじゃないかな。

夫さんはぜひオーケンの曲を聴いて勉強してほしい。
奥さんはオーケンのライブに来てほしい。
寂しさをまぎらわせてくれること請け合い!