絶不調からの漢方薬体験《前編》
9月中旬くらいからずっと体調不良が続いている。
母でも父でも彼氏でもなく、私自身の話。
8月の健康診断で胃カメラを飲んだのだけど、その結果、好酸球食道炎(疑い)と慢性胃炎というお知らせが返ってきた。
胃炎は軽いものだし、昔からだけど、問題は食道炎のほうだ。
年々、というか、月々?週々?日々?悪化してきている気がする。
特に、少し大きめのサプリメントを飲むとテキメンで、いつまでもいつまでも食道あたりにつっかえて、胸のあたりが痛い。
夜に飲むと、眠りにつくまで苦しみもがくことが多くなった。
仕方ないので、サプリメントを飲むのをやめた。
ミドリムシをやめたら、とたんに便秘になった。
黒セサミンをやめたら、とたんに元気がなくなった。
そうこうしているうちに、身体全体が重苦しくなって、水を飲んでも胃にもたれるようになった。
食べるもの飲むものすべてが内臓にのしかかる。
そのくせ、すぐにお腹が空いて、空腹になると気分が悪くてフラフラする。
そのせいで、先週の週末なんか、ほとんどを横になって過ごしてしまった。
何なんだ、この不調は?!
医者にかかるなら、何科?
内科? 胃腸科? 消化器内科?
胃腸科とか消化器内科とか、そんなのどこにあるか知らないし。
会社休んで行くほどではないし。
長い時間待たされて胃酸を抑える薬とか出されても納得できないし。
そんなことを考えた挙げ句、ふと、漢方ってのはどうだろう?と思い付いた。
漢方薬局を選ぶ
そういえば、春先もやっぱり物を飲み込んだら胸につっかえる気がしていたところ、この薬のテレビCMを見た。
さっそくドラッグストアで買って、しばらく飲んでいたら治まった。
このとき、「漢方っていいかも」と初めて気が付いた。
よくよく考えてみたら、日ごろ愛用している胃薬も大正漢方胃腸薬である。
漢方の味って、全然嫌いじゃない。
さて、じゃあ漢方薬を買うとしても、今回はドラッグストアとはいかない。
三ノ宮・元町近辺にはいくつか漢方薬局がある。
でも…、正直言って、どこも雰囲気が怪しい。
そういえば、三宮高架下で有名な二つ頭の奇形動物の剥製があるお店も漢方薬局じゃなかったっけ。
剥製がなくても、不妊治療とかEDとか頻尿とか痔とか、ちょっとデリケートな治療を、看板の前面に出しているせいで、どこの漢方薬局もある程度怪しいかんじがする。
それでも、漢方薬を試してみようかな、と思ってしまったのは、ここのところ、漢方薬の良い噂をよく耳にするからだ。
一番興味をひかれたのが、西洋医学のような部分的な対処療法ではなく、身体全般を考えた病のもとの根本治療を目指すものだということ。
これまで母の病気に付き合ってきて、西洋医学の「人間を見ないで病気の部分しか見ないやり方」にウンザリしきっているのだ。
あっちの不調もこっちの不調も全部つながっているのに、「それは〇〇科を受診してください」といわれる。
痛みがあっても、「異常はありません」と言って「つらい気持ち」は置き去りにされる。
どこかで「人」を診てくれる医者はいないものか。
西洋医学に対して、中国医学の考え方は、基本的に身体全体がつながっているものとして考えるようだ。
だとしたら、私が今苦しんでいる、飲み込むところから出すところまで一連の不調を全体的にとらえてくれるかもしれない。
ネットで検索すると、最初にひっかかったのが南京町の外れにある漢方薬局だった。
もちろん、今までに店の前を通りがかったことは何度もあるけれど、店構えが小ギレイで、怪しそうに見えない。
(少なくとも動物の剥製が置いてあったり、ベタベタ貼り紙がしてあったりはしてない。)
ネットのクチコミも悪くないようだ。
電話で予約をして、会社帰りに行ってみることにした。
《長くなるので、続く。》