3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

父の秋の発作

秋のこの時期になると、毎年父にイライラさせられる。

まるで発作のように、

南京町中秋節に行きたい!」

と言い出すからだ。

今年はこの三連休らしい。

www.nankinmachi.or.jp

 

自分のブログを振り返ってみると、去年も全く同じことを書いていた。

naminonamimatsu.hatenablog.com

 

今年もやっぱり叔父と友人のOさんを誘ったらしいけど、やっぱり断られ、「一人でも行く」と言ってきかない。

 

JR三ノ宮駅で降りて、にしむら珈琲でコーヒーを飲んで、高架下をぼちぼち歩きながら元町まで行って、南京町の広場で獅子舞を見て、劉家荘で焼鶏を食べて、お土産に老祥記の豚まんを買うて帰るんや」

という、お決まりのフレーズを、壊れたテープのようにループする。

 

父はリハビリを頑張っているけれど、どんどん足の引きずりはひどくなるばかりである。

そんな足で三ノ宮から元町まで歩くなんて!と思うけれど、本人は、以前元気に歩いていた自分を捨てられない。

変わらずに歩けると思っているのだ。

 

「ハイハイ」と言って聞き流すしかしょうがないからそうしているけれど、聞いているだけでもイライラする。

 

一方、母は母で、最近喉の奥で痰か唾がからむらしく、食事のときにやたらむせる。

咳こむのは本当に苦しそうで可哀想なのだけれど、背中をさするか、口腔スポンジで痰を絡め取るくらいしかできない。

そうしたところで、ちっとも治まらない。

それもまたイライラさせられる。

ムセが「ときどき」なら必死に対処していたけれど、こう頻繁になってくると「またか」という思いしかない。

父の話と同じく、「ハイハイ」と言いながら母の背中をやる気なくなでる。

 

少し回復してきたものの、やっぱり「元気」な状態じゃないから、ちょっとしたことで疲れてしまう。

だめだな、HPもMPもまだ満タンじゃない。

 

ランチのついでに南京町で父にお土産を買い、金曜日、実家に帰るときに持って帰った。

「月餅買ってきてあげたんやから、中秋節に行くのはなし! わかった?」

とりあえず、父は「わかった」と返事をした。

何等分かに切って、私もちょっと食べたが、美味しい月餅だった。

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土曜日。

車に乗って買い物に行くとき、一緒に乗り込んだ父が、

「ちょっと、これ教えて」

と言う。

「これって?」

「カーナビの設定のやりかた」

「なんで?」

「浜坂まで行くから、目的地を設定したいんや」

「浜坂って、誰と行くの?」

「ひとりで。」

「あほか!」

 

浜坂というのは、兵庫県の北の端。

私の体力が落ちている今、父にそんな遠くまで徘徊されたらたまったもんじゃない。

疲れてきたらますます足が動かなくなることを、何度言い聞かせても理解できないらしい。

なんでこう父は、私を逆なですることばかり言うのだろう。

 

しかも、その土曜日、午前中雨が降っていたので、夕方になっても洗濯物がまだ乾いていなかった。

だからわざと干しっぱなしにしていたものを、普段やらない父が勝手に取り入れてしまった。

「まだ乾いてなかったでしょうが!」

「ちょっと湿っとっただけや」

怒り心頭で、再び干し直す私。

 

もう私の心の安らぎは『おそ松さん』の第3期にしかない。