3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住むアラフォーOL、波野なみ松の、仕事と趣味と母の介護を両立させる日々の記録。

芸能人じゃなくても歯が命

歯に対するの意識の高さは生活の豊かさと比例している、という話を耳にしたことがある。

歯と経済のことを考えるとき、上海で見た物乞いのおばあさんの潰れたトウモロコシみたいな黄色い歯並びを思い出す。
生活に余裕がないと口腔ケアまで手が回らなかったり、大切さを知る機会がなかったりするんだろう。

母は小学生時代に「歯の女王様」に選ばれかけたほど歯が丈夫で、今もほとんどの歯が残っている。
自分で歯磨きができなくなってからは家でも施設でも他人に口腔ケアをしてもらっているおかげで、自分でしていたとき以上に念入りだ。

今の介護施設には、巡回で来てくれる訪問歯科があって、先月も母のアゴが歯肉炎で腫れたときすぐに診てもらった。
去年の夏は、歯の根にバイ菌が入り、アゴの骨が溶けるほどの炎症を起こし、何度も赤十字病院に通うはめになったので、早めの対処が肝心だと私も学んだ。
おかげさまで、先月は何回かのクリーニングで腫れはすぐに治まった。

老人の口腔内の炎症を甘く見ていたら、虫歯からアゴが腫れて呼吸困難になり死んでしまうことだってあるらしい。
ほんとに歯はあなどれない。


妊婦歯科検診を受けた

神戸市で妊婦健診の補助券をもらったとき、妊婦歯科健診の案内も一緒に渡された。
補助券の中には歯科健診の無料券もついている。
タダなら行かなきゃ損である。

妊婦さんは赤ちゃんにカルシウムを取られるせいで歯がボロボロになる、と聞いたことがある。
それだけじゃなく、唾液の分泌が減るらしくて歯周病にもなりやすいらしい。

私は歯並びが悪いせいで、ちゃんと歯磨きをしていてもすぐに着色汚れがたまる。
それで定期的に歯科に歯のクリーニングに行っていたのだけど、普段通っている審美歯科モドキの歯科は妊婦健診に対応していなかった。

仕方ないので、会社の近くにある歯科に行くことにした。
自宅の一部が歯科になっているタイプの、昔からやっている先生だ。
会社の人で、そこへ行ったことがある人に評判を聞いてみると、
「いつ行ってもガラガラ。その代わりすぐ診てもらえる」
という。

確かに、予約の電話をいれたら、
「うちは予約をとってないので、どうぞいつでもお好きなときに来て下さい」
と言われた。
そんなに流行ってない歯医者なんて大丈夫かなぁ、と思ってしまう。

行ってみると、確かに問診票を書いたらすぐに案内してもらえた。
「今何か歯や歯茎のことで気になることはありますか?」
と尋ねられ、ときどき硬い物を噛むと左の奥歯が痛むこと、別の歯科で原因はセラミックの詰め物の磨耗でどうしようもないと言われ、知覚過敏の薬を塗ってもらったけれど、時間が経つとまた痛むことがあることを訴えた。

すると、先生は薄い紙を噛んでガリガリするように指示し、噛み合わせを見た。

「左の奥歯の噛み合わせが良くないから磨耗するんやね。もういっぺん横に動かしてみて。動きにくいでしょ。ひっかかる歯があるからやね。これはちょっと調整するだけでマシになるよ」
と言う。

「今調整してもらうことは可能ですか?」
と尋ねると、
「大丈夫ですよ。ほんの少し削るけど、かまへん? 削るって言うても、紙1枚程度やから心配せんでええからね」
と、すぐにやってくれた。

ちょっとのことだけど、左の奥歯がうまく動くようになった気がする。
「これでスムーズになったでしょ。これまで噛み合わせが悪いせいで、力がかかってたと思う。肩こりもマシになるんちゃうかな」

奥歯の痛みだけじゃなく、肩こりまで?!

これまで、美容室のようなオシャレ歯科では何も解決できなかったことが、普通の歯科でこんなに簡単に解決されてしまうとは!

そのうえ、ついでだからと着色汚れも取ってくれた。
無料なのは健診だけなので、治療分は代金を取られるかと思いきや、全部無料にしてくれるというサービスっぷり。
妊婦歯科健診、万歳!

普段からここに来ておけばよかった、と後悔するものの、診察時間が18時で終わりなので、会社帰りには来れないんだよな。
結局、夜遅くまで開いているサロンみたいな歯科のほうが会社員のニーズに合うわけだ。


我が家で唯一の悪歯さん

ある日、掃除機をかけているとカリカリという小石を吸い込むような音がした。
何かと思って拾うと、歯であった。

父に尋ねると、最後の1本が抜けたらしい。
抜けた歯を床に落としっぱなしにするなよ、と思うけれど、乳歯じゃないので屋根に投げたり床下に置いたりする必要もないし、かといってゴミ箱へ捨てるのもなんとなく気が引けた。
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父はすっかり総入れ歯である。
入れ歯を外すと人相が変わり、まるで別人である。

夜中に見ると、どこのじいさんが紛れ込んで来たのかとギョッとする。

父によると、歯を入れ忘れてモーニングを食べに出掛け、注文が来てパンにかじりついてようやく、入れ歯をしていないことに気付き、何も食べられないままコーヒーだけを飲んで店を出たことがあるらしい。
なんとまあ、もったいない。

入れ歯はやだね。

そんな様子を見ていると、やっぱり歯は大切にしなきゃ、としみじみ思う。