3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

抱っこ紐と食べたことがないもの

月曜日、区役所へこども医療費助成制度の申請に行ってきた。

本来ならもっと早くしなきゃならなかったのに、すっかり忘れていたのだ。

 

言い訳をすると、まず、こども医療の申請には子どもの健康保険証が必要だ。

で、親のどちらかの健康保険に入るのだけれど、サトイモは私の健康保険に入れようと思っていた。

というか、夫の住民票は私たちと別の住所になっているので、夫の会社の健康保険には入れないんじゃないかと思っていたのだ。

 

なので、サトイモを夫に預けられる日を待って私が自分の会社に行き、手続きをしようとしたら、

「扶養も健康保険も、ご夫婦で収入が多い方で手続きしてください」

と言われてしまった。

勝手に気をまわしていた同居・別居については、あんまり関係ないみたい。

わざわざ私が会社に行くまでもなかったよぉ。

 

で、夫に健康保険に入るための手続きをお願いしていたら、出張などで忙しくて日がかかり、しかも総務担当者が仕事をミスして日がかかり…。

やっとのことで健康保険証が届いたときには、こども医療のことなんてすっかり私の頭から抜け落ちていた。

1ヶ月健診のときに病院の窓口で、

「こども医療はまだ手続き中ですか?」

と指摘され、ようやく思い出したというテイタラク。

 

抱っこ紐デビュー

1ヶ月健診が終わったら、サトイモを連れて積極的にお出掛けをしようと思っていた。

まさかそのお出掛けデビューが区役所になろうとは。

 

お出掛けツールは抱っこ紐。

新生児からでも使えるように、エルゴのアダプトという、まあまあ値の張るやつを買ったのだ。

 

4月下旬、抱っこ紐が届いた日にちょうど遊びに来てくれた友達がいたので、一緒に取扱説明書を読みながら使い方の練習をしたのだけど、

「ほんとにこんなややこしいことできるの?!」

も驚いてしまうほどの困難さだった。

新生児バージョンだからかもしれない。

クロス装着というのをやってみたのだけど、身体がかたいから背中の紐に手が届かないっ!

二人いて赤ん坊なしでもワタワタしてるのに、こんなの一人でやってたら、装着してるうちに赤ん坊を落としてしまいそう!

 

そのさらに翌日くらいに、実際にサトイモを抱っこして装着の練習をしてみた。

腰につけるセーフティベルトを着けた瞬間から泣き出し、声はだんだんクレッシェンド。

装着してみている間じゅう大泣きされてしまって、完全に装着しないままあきらめてしまった。

 

新生児訪問の保健師さんに外出を勧められたとき、その話をし、

「それ以来、抱っこ紐を使ってないんです」

と言うと、

「赤ちゃんも初めてだったからというのもあるでしょうし、お母さんも不安に思いながらやっているのを感じとって、余計に泣いちゃったんじゃないですか。日が経ったら反応が違ってくると思いますよ。何回かトライしてみてください。」

とアドバイスしてくれた。

確かに、ビビってたのは私のほうだわ。

 

1ヶ月健診後、再び抱っこ紐の装着を練習してみたら、今度は全く泣かなかった。


f:id:naminonamimatsu:20180531224251j:image

それどころか、スヤスヤ心地良さそうに眠っている。

普通の抱っこ以上にぴったりくっついているホールド感がいいのかもしれない。

コアラ式の抱っこは妊娠してたときの感覚に似て、私自身もしっくりくる。

中にいるか外にいるかだけってかんじ。

 

区役所への行き帰り

そんなわけで、区役所へお出掛けした小一時間ほどの間、サトイモはほとんど眠ったままだった。

そうなるだろうなぁ、と予想はしていたけれど、家について抱っこ紐から出した瞬間、大声で泣き出した。

もしかすると途中からは起きていたけどお外にいる不安から寝たふりをしていて、家についた瞬間ホッとして、たまらず泣き出したんじゃないか。

でも本当は、家についた瞬間ホッとしたのは私のほう。

 

久しぶりに外を歩くと、身体が重くてひどく疲れた。

重いのは赤ん坊を抱いているせいもあるけれど、明らかな運動不足と体重オーバー。

これはなんとかしなきゃ。

数分歩くだけで息がきれるなんて。

 

小一時間の間に、エレベーターや駅で、3人の見知らぬおばあちゃんたちに声をかけられた。

「可愛いわねぇ。生まれたばかり?」

3人とも同じセリフ。

妊娠中もそうだったけれど、おばあちゃんってほんと話しかけてくるよなぁ…。

 

「首がすわってないのに、縦抱っこで大丈夫なの?」

最新の抱っこ紐で、大丈夫なように出来ているんですよ、と説明すると、

「私らの時代とは違うもんねぇ。私らのときはねぇ…」

と、自分の話に流れていく。

 

赤ん坊ができて、いろんな人の反応をみているうちに、子育て経験がある人ほど赤ん坊が大好きなことに気付いた。

私の同世代だと、多くの人が子供がもう中学生くらいになっている。

何人かから、

「もう赤ちゃんに接する機会がないからねぇ」

という言葉を聞いた。

きっと、赤ん坊を育てたことがあると、また育てたいと思う中毒性があるようなのだ。

それも、懐かしさを越えた何か、な気がする。

 

子育てをしたことがないシングル女性だって赤ちゃんに接する機会はないはずなのに、シングルの友達たちはそんなふうには言わない。

単に子ども好きな人とそうでない人の違いかというと、そうではないように思う。

 

シングルの友達にそのことを言うと、

「食べたことがないものは、また食べたいと思わないのと同じだね」

と言われて、なるほどなぁ、と思ってしまった。

 

私もあと10年したら、赤ん坊にまた接したいと思ってしまうんだろうか。

だとしても、電車で子連れの母親に話しかけにいくようなばあさんにはならないようにしよう。