3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

鵞口瘡とオムツサイズ

ゲップをしていても、サトイモはよくミルクを吐く。
飲んだ直後ならミルクそのまんまを、時間が経ってからならヨーグルトの乳清みたいなものを出す。
乳清みたいなものだとミルクかすが口の周りにつく。
放っておくと出来物ができるので、友達がくれたベビーワセリンをしょっちゅう塗っている。
汚れがつくのを防止できるし、肌トラブルを起こしても早く治るので重宝している。

お盆過ぎのある日、サトイモの唇についたミルクかすをぬぐっても取れないことに気が付いた。

何これ?
ミルクかす、じゃ、ない!?

例によってグーグル先生を頼り、「赤ちゃん 唇に白い」と検索してみると、なんとそれはカビだというじゃないか!!!

カ、カビっ!?!?!?!?

それは鵞口瘡(がこうそう)という病名らしい。
漢字が怖いよもお!!

哺乳瓶やおもちゃなど、赤ちゃんが口に入れるものからカンジダ菌に感染すると起きるという。

最近はものをつかむのが上手になって、気が付いたら何でも口に入れようとしている。
ちょっと前までは手でつかんだだけで、
「上手につかめたね!」
とほめていたのがバカみたいだ。

こちらがそのスピードについていけてないから、目を離すとこれまで手がとどかなかったものを口に入れていて、慌てることもしばしば。
抱っこしていたら私の服をなめていたこともあった。
自分の服、バスタオル、枕、ハンカチ、おもちゃ…。
手でつかめるものなら何でも口に入れる。

それより、最も頻度が高いのはサトイモ自身の手だ。
四六時中、どちらかの手が口の中に入っている。
それなのに、手を洗うのはせいぜいお風呂の中くらい。
バイキンが口に入らないわけがない。

考えたら私自身も油断していた。

生後まもなくの頃、私の手はガサガサだった。
頻繁な石鹸での手洗い、アルコール除菌ジェル、哺乳瓶を洗ったときのミルトンの消毒液…。
あんなひどい手荒れは人生で初めてで、手をなでたらサンドペーパーかと思うほどの荒れようだった。

それが今すっかり治ったということは、それだけ手洗いの回数が減ったということ。(哺乳回数が減ったのもあるけど。)
手をきれいに洗わずにサトイモの手を握ったこともあるかもしれない。
…反省。


念のための病院受診

 

鵞口瘡は自然治癒することもあるらしいけれど、やっぱり気になるので病院を受診することにした。

何かあればすぐに病院に行けるのはいい。

思えば、母の介護をしていたときは、しょっちゅう介護施設やケアマネさんから病院で受診するように言われていた。
皮膚に湿疹が出た、表皮剥離した、歯茎が腫れた、足がむくんだ、、床ずれが悪化した、血圧が200を超えた…etc。
そのたびに、会社を休む算段をして日程を調整しなければならないのがウンザリだった。
最終的には、
「土曜日に連れて行きますから、それまで様子をみてやってください」
と言うのが常套句で、介護スタッフさんからは、
「なるべく早いほうが…」
と渋い返事をされていた。

今は育休中なので、そういう悩みから解放されているのが本当にありがたい。
気になることがあれば、いつだってすぐに病院に連れていける。

小児科の先生に診てもらうと、上下の唇の裏以外に両方の頬っぺたの裏にもカビがはえていた。
ひええ、カビだらけ!

「お薬を塗ればすぐ治りますからね。ただし、治ったからといってやめるとすぐ再発する可能性があるので、1週間はお薬を続けてくださいね」
と朗らかに言う先生に、
「この子、ずっと手をしゃぶってるんですけど、それが原因でしょうか…」
と尋ねると、
「菌自体はどこにでもある菌で、口の中のバランスが崩れると誰だって感染してしまうものです。気にしないでください」
と言われた。

これまでも、目ヤニが出たとき、くしゃみや咳が出るが多いときなど、いろんなことを小児科で尋ねたけれど、ほとんど、
「気にしないで大丈夫ですよ、赤ちゃんはそんなものです」
という回答しかもらったことがない。
きっと何百何千という母親たちが同じ心配をし、同じ質問を繰り返してきたのだろう。

薬は塗り薬で、1日5回、1週間分だった。
「綿棒で塗ってもいいですが、ガーゼを指に巻いて塗るほうが、口の中の感覚がわかっていいと思います」
と先生は言った。

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薬局で薬を出してもらうとき、薬剤師さんが、
「塗り方について説明は聞かれましたか?」
と聞いてきたので、
「ガーゼを指に巻いて塗るように言われたんですけど、家に使い捨てのガーゼがないんです。ここに置いてますか?」
と尋ねると、
ガーゼじゃなくても、ラップでいいんですよ~
と年配の女性の薬剤師さんは優しく笑った。

なるほど、ガーゼよりラップを使うほうがよっぽど清潔だわ。
いろんな人に話をきいてみるもんだ。

その日から、指にラップを巻いて、サトイモの口の中に軟膏を塗った。
まだ2回しか塗ってないのに、病院に行った日の翌朝にはすっかり白いものは消えていた。

薬の威力、すげえ。


いつのまにか追いついた!

 

病院の診察室で、鵞口瘡の診察より印象深かったのは最初のやり取りであった。

先生はカルテを見ながら、
「えーっと、今4カ月…」と言ったあと、サトイモを一瞥して、「…にしては大きいねぇ! 身長もあるし」
と言った。

え?そうですか?
やっぱり、大きいですか??

そばにいた看護師さんは産後の入院中にお世話になった人で、
「あれ? サトイモくんって生まれたときすごくちっちゃかった、あのサトイモくんですよね?!?!」
とびっくりしていた。
そうなんです、あんなにちっちゃかった、あのサトイモです。

「首ももうすわっているし、順調にすくすく育ってますね」
と言われると、ちょっとうれしかった。

そうなのだ。

3カ月以降、サトイモは急成長をとげていた。
現在6.5キロ。

どんどん大きくなる。

最初あんなに余裕があったベビーベッドやベビーバスもだんだん狭くなり、おむつ交換台からは足がはみ出てしまう。
ブカブカだった服も今やピチピチ。
そして何より実感するのは、オムツのサイズだ。

 

夫婦の会話

 

長い間お世話になった新生児サイズからようやくSサイズに変えたのは先月のことだった。
けれど、先週くらいからおしっこが足回りから漏れたり、ウンチが背中から漏れることが増えた。

オムツはたいてい夫にホームセンターで箱で買ってきてもらう。
「これがなくなったら、次はMサイズにしてほしいんだけど」
と言うと、
「こないだSにしたばっかりやのに?!」
と不審がられた。

パンパースのサイズ表を見ると、Sサイズは4~8キロの「ねがえり」期、Mサイズは6~11キロの「おすわり」期となっている。
「まだこいつ、おすわりできへんやん」
「でも、6キロは超えてるし」
「Sサイズは8キロまでいけるんやで」
「それはそうなんやけど…」

夫がSを推すのは、Mサイズになるとパックに入っている枚数が少なくなる、つまり単価が上がるからで、
「おい、サトイモ、うちはビンボなんやからちょっとは遠慮してくれよ」
と無理なことを言う。

おしっこやウンチが漏れることを話すと、
「逆に、こいつの足が細くて漏れてるってことはない?」
と訊いてくる。
だったら、ウンチの背中漏れのほうが説明がつかない。
私は、オムツ替えをしない人が意見しないでよ、と内心思ってしまう。

「どっちにしたって、いずれMサイズを使わないといけなくなるんだから」
と私が押し切って、Mサイズを買ってきてもらった。

するとやはり、
ジャストミーート、じゃなかった、ジャストフィッート!

パンパースのサイズ表とは異なるけど、ああいうのは目安でしかなく、母親の直感のほうが正しいってことだな。

それ以降、おしっこやウンチが漏れることがなく、快適に過ごせている。
オムツひとつとっても、試行錯誤の毎日だ。

一昨日から寝返りができるようになった。
サトイモの中では寝返りブームが起きていて、仰向けにしてもすぐにひっくり返ろうとする。
頭をぶつけたり、窒息の危険性もあるので目が離せない。

そして今日から、サトイモは満5カ月。