3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

蕁麻疹で夜中の受診

もう先々週の出来事になるけれども、初めて夜間に病院へ行ったのでその記録。

そもそもは、サトイモが咳をし始めて夜中に鼻がつまるようになったのが始まりだった。
とうとう初めての風邪をひいたんだな、と注視していたものの、熱は出ていないので病院には行かずにいた。

その日は、私が久々に美容室に行く日で、朝からバタバタしていた。
出かける前に授乳しておこう、とサトイモを抱いたら、首の後ろに赤い点がポツポツとできている。
見た目はダニに噛まれたあとにそっくりだった。

ダニ!?
でも、ダニが首を噛むかなぁ?

気になったものの、予約の時間があるのでそのまま出かけてしまった。

美容室では最初のほうこそ静かにしていてくれたサトイモだったが、後半ひどくぐずりだした。

サトイモを連れて美容室に来たのはこれで3回目だけれど、これまでずっと大人しくしてくれていたので、それに甘えてカットにカラーにトリートメントまでやっていると、ひどく長時間になってしまった。
ベビーカーから抱き上げると泣き止むのだけれど、ベビーカーに戻すとまた泣き出す。
お腹が空く時間だしね、と哺乳瓶を取り出したら、なんと乳首をミルトンに漬けたまま家に忘れて来てしまった。
肝心の乳首がなければ、お湯もミルクも持ってきた意味がない。

なんて馬鹿チンなんだろう!!と自分のアホさにショックを受けながらも、こんなときこそ母乳だ!とスタイリストさんに頼んで授乳室を貸してもらうことにした。
借してもらったスペースは、スタッフルームというか物置のような場所で、狭い部屋にいろんなものが置かれていた。
練習台のマネキンの首が怖かったようで、そこに入ったとたんにサトイモが大泣き。
泣いて泣いて、おっぱいどころじゃない。
部屋を出るとピタリと泣き止むのだけれど、入るとまた泣く。

出たり入ったりしているうちに、サトイモの首が赤くなっていることに気が付いた。
後ろだけではなく、耳の下あたりまで赤い。

グズるのはこのせいかもしれない…。

これは美容室を出たらすぐ皮膚科に行ったほうがいいのかも…。
でも、お腹が空いてるから、おっぱいを優先させなきゃだし…。

泣いているサトイモが気が気ではなく、髪を切ってもらっていても気持ちばかりが焦る。
スタイリストさんが最後に鏡を持ってきてくれても、
「あーもー、いーですいーです」
と髪型を確認もせず、おざなりに言ってそそくさと帰った。

家に帰っておっぱいとミルクを飲むと、あんなにグズっていたのがウソのようにいつものサトイモに戻った。
けれど、首の赤い腫れはひかない。
離乳食の食べこぼしでかぶれたんだろうか、と考えたりもしたけれど、食べこぼしなんて毎日なのに今日だけこんなことになるなんて解せない。
とりあえず夕方の離乳食はお休みすることにして、お風呂に入った。

…実は、このときの判断が間違いだった。

お風呂から上がると、虫刺されあとのような赤いポツポツがみるみるうちに増えていった。
入浴前はなかったのに、お腹、背中、ふともも、肩、二の腕、とどんどん現れてくる。

何これ!?
どうしよう!?

明日皮膚科へ行くにしても、とりあえず写真を撮っておこう、とスマホで撮影した。
サトイモの裸んぼの身体を押さえながら、私自身も裸んぼのまま撮影会。すっかり湯冷めしてしまった。


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本人はいたっていつも通りで、ニコニコしながら裸んぼのままハイハイでどこかへ行こうとする。服を着させるのは格闘。着るか逃げるかのデスマッチ。
見るだけでもかゆくなるような赤さなのだけれど、本人が元気なので救われた。

着替え後、「赤ちゃん 虫刺されのような跡」でネット検索すると、「蕁麻疹」という単語が出てきた。

 

そうか、これは蕁麻疹なんだ!

恥ずかしながら、これまで湿疹と蕁麻疹の違いもわからずにいた。
さらにいうと、「あいつを見たら蕁麻疹が出る」なんて、蕁麻疹と鳥肌も混同していたかもしれない。

幸い、サトイモ本人はかゆがるそぶりもなく、熱もない。
お風呂から上がった後は、ミルクを飲んで寝てしまった。
おかげで、私も慌てることなく、とりあえず蕁麻疹についてネットで調べてみた。

たいていの蕁麻疹は数時間でひっこむらしい。
とりあえず様子を見ることにして、添い寝しながら私も眠ることにした。
こんな夜に限って、夫が家にいない。お酒を飲んでいるので車を運転できないと言う。

午前1時、サトイモが泣くので起きた。
授乳の時間だ。
ついでにオムツを交換すると、まだ脚には蕁麻疹がたくさん出ていた。
確認すると、体中、入浴後よりも広がっているように見えた。

しかも、右の頬にまで出ているではないか。

あるサイトで、「顔に出たら要注意。大至急病院に行きましょう」と書いてあったのを思い出した。
蕁麻疹がのどや鼻に広がったら、呼吸困難を起こす可能性があるからだ。

大至急病院って、ほんとにほんと!?

本人はかゆがるそぶりもなく、ミルクを飲んだあとは満足してスヤスヤ眠っている。

もう深夜2時になろうかという時間、できれば私だってこのまま眠りたい。
でも、本当に呼吸困難のリスクがあるならどうしよう…。

そこで、「#8000」に電話をして相談することにした。
「#8000」は厚生労働省がやっている子供の医療について電話相談ができるサービスダイヤルだ。
神戸市の「すくすく赤ちゃんセミナー」だとかNHKの「すくすく子育て」などでその存在を教えてもらって、いつか使うことがあるかもしれない、と覚えていたのだ。

電話をかけると、最初は混み合っていて通じなかった。
しばらくしてもう一度かけると、今度はつながった。

事の顛末を離すと、受話器の向こうにいる女性の方が、
「そうですね、今から病院に行かれることをおすすめします」
と勧めてくれた。

正直、「あせらなくても大丈夫ですよ、明日にでもかかりつけ医に相談してください」と言ってもらえるんじゃないかと期待していたので、
「い、今からですか? こんな夜中に?」
と、ガッカリして尋ねた。
「こども初期急病センターなら朝6時まで開いていますので、今すぐ行かれたほうがいいですよ」
「はあ、そうですかぁ…」

そう言われると仕方がない。

先方には先に電話で受け入れ確認の連絡をしてから、服を着替えて、タクシーを呼んだ。
出産で破水をしたときも急ぎでタクシーを呼んだけれど、夜中でも配車センターがきちんと機能していたのはMKタクシーだけだった。その経験上、今回は迷わずMKに電話をした。

サトイモを抱っこ紐で抱っこして家を出る。
本人はやはり平然としていて、夜中の街を珍しそうに眺めていた。
到着したこども初期急病センターはクリスマスのイルミネーションで飾られていて、なんだか楽しい場所にやってきたように思えた。

診察で、離乳食では初めて食べた食材はないこと、数日前から咳と鼻水鼻詰まりがあったこと、などを説明したら、先生は、
「おそらく、風邪のウイルスによるものでしょう。体調が悪いと、これまでなんともなかった食材でアレルギーを起こすことがあります」
と言われた。
そして、処方箋と一緒に蕁麻疹についての説明が書かれたプリントを渡された。

プリントによると、蕁麻疹は温めると出るので、お風呂に入れたり布団や毛布をガッツリかぶせたりするとダメなのだそうだ。
確かに、お風呂に入れて全身に出て、夜に寝ている間にひどく増えた。
知らなかったとはいえ、なんでお風呂に入れてしまったのかなぁ、と後悔してしまった。

医者からは、明日にはかかりつけ医に診てもらうように言われた。
というのも、こども初期急病センターはあくまで救急なので2日分の薬しか出せないのだという。
決まりだから仕方ないんだろうけれど、内心、
「けち!!」
と毒づきたくなってしまった。

薬をもらって、帰りのタクシーを呼ぶ。
タクシーが来るのを待っている間、センターの待合室をうろうろしてみた。
やなせたかし直筆のアンパンマンの大きな油絵(?)と色紙がかかっている。
大きな原画のほうはなかなかの迫力で、アンパンマンが大好きな子供にはうれしいだろうと思われた。これを見ただけで、ちょっとだけ来てよかったという気持ちになった。

家に帰ったら5時前だった。
再びパジャマに着替えてベッドに入る。

数時間後にはかかりつけの小児科へ行かないといけない。
起きられるだろうか…。

そう思いながらウトウトしていると、ガチャガチャと玄関の鍵が開く音で目が覚めた。
「連絡もらってから心配で眠れんかった」
と、朝一番で夫がやってきた。

それに対して返事をしようとしたが、声が出ない。
今度は私が風邪をひいてしまった。

それから10日ほど経つ。

サトイモの蕁麻疹は出たり出なかったり。

私は咳がなかなか止まらない。

皆さんも体調には気を付けて。