3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

『緊急検証!THE MOVIE ネッシー vs ノストラダムス vs ユリ・ゲラー』を検証。

もう10日前のことなのだけれど、元町映画館に『緊急検証!THE MOVIE ネッシー vs ノストラダムス vs ユリ・ゲラー』を観に行った。

「緊急検証!」というのはもともとCSファミリー劇場でやっているテレビ番組で、オーケンが準レギュラーみたいなかんじで出演している。
私はCSの契約をいていないので無料放送のときなどに何回か見たことしかないけれど、いまどき珍しいオカルトに温かい番組だ。
その番組がまさかの映画化。

映画そのものより、映画に出てるオーケンを見たい!

というわけで、夫に頼んで出かけさせてもらった。
サトイモを預けて出かけるのは、病院以外初めて。

上映開始は19時50分。
サトイモの就寝時間は19時から20時の間なので、うまくいけば寝かしつけてから出ていけるかも!?、と思っていたら、なんと19時前に眠ってくれた。
母親の事情を察してくれるなんて、なんて孝行息子なの?!?!

そして1年数カ月ぶりに映画館で映画を見ることができた。

そんな久々の映画だったのだけれど、『緊急検証!THE MOVIE』はオーケンがブログに「映画文化の根本的解体作品」と書くように、これを映画と言っていいのかなぁ、と思ってしまうようなトホホな代物。
CSのテレビ番組をスクリーンで見ているようなものだった。もとがテレビ番組なんだからしょうがないんだけれども。

映画終了後、一緒に観に行ったオーケンファンの友達と深夜まで開いているカフェバーでお茶をした。
これまで彼女とはオーケン関連のライブやイベントでほぼ毎月のように会っていたけれど、私が妊娠・出産で出かけられなくなって以降、彼女とは約1年ぶりの再会だった。

二人の映画の感想は、何はさておき「オーケンかっこよかったね」「オーケンかわいかったね」でしかないのだけれど、お茶が進むにつれて(酒ではないところがミソ!)番組のテーマである「オカルトはオワコンなのか?」について語り合って、霧が晴れるようにモヤモヤしていたことがスッキリした。

 

ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー

まず、私たちはどうしてネッシーに心ときめかないのか。
映画でのネッシーの捜索は散々だった。

がっかりしつつ、比べるのも悪いけど、NHKでやっていた深海プロジェクトのドキュメンタリー番組のことを思った。
ダイオウイカや南極の巨大生物に心底驚いた。
NHKじゃなくて別の番組で見たダイオウグソクムシにもビックリした。

そう、私たちはネッシーのようなUMAじゃなくても、実在する幻の生物に十分驚き、ワクワクし、自然の神秘を感じている。
映像にはっきり残っている分、深海生物や古代生物のほうが、ネッシーよりもずっときらめいて見えてしまう。

ノストラダムスの大予言もそうだ。
阪神淡路大震災に、東日本大震災熊本地震や北海道地震、各地の豪雨災害、火山噴火など、「恐怖の大王」は日本へ頻繁にやってきている。

震災を経験してきた私たちの前には、ノストラダムスの「終末」がどこか子供だましに思えてしまう。

今後、南海トラフ地震が来るとか富士山が噴火するなんて言われているから、昔のフランス人が書いた詩より、気象庁緊急地震速報のほうがよっぽど気になる。

じゃあ、エスパーやサイキックについてはどうかというと、それが本当かどうかよりも見栄えがしないことに心が萎えてしまう。
かつて三宮の東門街でテーブルマジックをしてくれるバーに行ったことがあるけれど、そりゃあもう鮮やかだった。
目の前でカードが消える。消えたと思ったカードが天井に張り付けられてある。そして次は私の肘の下から出てくる…。
カードの文字や模様も指でこすれば変わってしまう。ちゃんと見ているのに、いつ変わったのかわからない。
マジックだと言われなかったら本物の魔法使いだと思っただろう。いや、マジックだと言われているのに、魔法なんじゃないかと思ってしまうくらいだ。
それくらい、プロのマジシャンたちのスキルは高い。
それに比べると、映画に出てくる超能力少年の技は雑だ。
どうせ見るなら、雑な本物より精緻なトリックが見たい。

オカルトブームだった70年代と比べると、そんなふうに時代は進化している。
だから人々はオカルトから興味を失ったんじゃないか。

映画は「オカルト・イズ・ノット・デッド」を標榜しているけれど、映画を観るかぎりではそれに疑問を持たざるをえなかった。
死んだとまでは言わないけれど、瀕死。

 

それでもオカルトは生きている

偶然、うちの夫の友人とその息子さんが見に来ていて、映画館前でバッタリ出会った。
まさかの邂逅。
聞くと、息子さんがCSで「緊急検証!」を観ていてファンなのだという。

オカルトは瀕死、と書いたけれど、小学生にまだ魅力を持っているのであれば、まだオカルトの将来に希望はある。

いつか息を吹き返し、再びブームが起きるかも。

もしブームになるのが何かのUMAだったら、探査はNHK深海プロジェクト並みに本格的にやってほしい。


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ちなみに、上記はエイプリルフールに私が超能力で曲げたスプーン。