3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

サトイモの初節句

今年のゴールデンウイークは、サトイモの初節句が中心となった。


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とはいえ、初節句とは何をするものなのかわからなくて、とりあえず検索してみると、鯉のぼりや兜を飾り、祖父母を呼んでごちそうを食べ、お祝いをもらったりお土産を渡したりするようだ。
来てもらうとしたらお姑さんだけなのだけれど、ちょうど5日は親戚の法事だそうで、夫と2人だけで祝うことに。
となると、わざわざごちそうを用意することもなく、夫と私がおやつに柏餅とちまきを食べるだけのことだった。

…それじゃ普通の「子どもの日」じゃないか。


父のモウロクっぷり

前回帰ったとき、父にもうすぐサトイモの初節句だということを話した。
すると、
「初節句って、何の節句や?」
というので、
「男の子の節句端午の節句に決まってるでしょ!」
とびっくりしてしまった。
「そうかなるほど、端午の節句か」
と父はうんうん頷いている。

そんなことを知らなかったはずはない。歳をとって忘れてしまったのだろうか。

こういうところに、父がずいぶんモウロクしてきたと感じる。
若い頃の常識が通じなくなってきた。

「九州の伯母さんなんかわざわざ電話かけてきて、従弟のお兄ちゃんの兜を送ろうかって言ってきたくらいなのに! お父さんが何もお祝いを考えてくれないなんて!」
と私が嫌みを言ったせいか、しばらくしてから、父からこんなメールが届いた。

サトイモくんのせつくのお祝いだが、考えたが、ハモニカがいいと思います、たてかえてかつて下さい」

ハーモニカかぁ…、とは思ったが、せっかく父が考えたというので調べてみた。

しかし、赤ちゃん用だと吹いて音が出るだけのラッパと同じオモチャだし、幼児用だと3歳くらいからの楽器になるしで、なかなか1歳児に相応しいものが見当たらない。
そのうえ、値段のことを言うのも気が引けるけれど、だいたいが千円前後で、その金額でお祝いの品と言われても残念なかんじがする。

父には、「サトイモにハーモニカはまだ早いです」と断りのメールを入れたけれど、それについての返信はないままだ。

お祝いしようという気持ちで十分。

 

鯉のぼりの歌

柏餅とちまきを食べるときに、『こいのぼり』と『せいくらべ』の童謡をBGMとしてかけた。
最初、AmazonMusicでかけていたのだけれど、私が聴きたかった『鯉のぼり』の曲が出てこない。

私が聴きたかったのは、
「屋根より高いこいのぼり」
ではなく、
「いらかの波と雲の波」
で始まる歌だ。

幸い、Spotifyで調べるとそちらにはあった。

夫に尋ねると、「いらか~」で始まる『鯉のぼり』の歌を知らないという。
「いらか~」は「屋根より高い~」に駆逐されてしまったのか…。

ずいぶん前にテレビのクイズ番組で「登竜門」の語源についてやっていた。
どういう質問でどういう答えだったか忘れたけれど、鯉が竜門という滝を登って竜になったという中国の故事と、それにあやかって鯉のぼりを飾り男の子の成長を願うのだという話に、スタジオでは「へぇ~」の大合唱だった。

それを見ていた私は、
「『鯉のぼり』の歌詞に出てくるのに、なんで皆知らないの?!」
となんだか不服だった。

『鯉のぼり』の三番の歌詞はこうだ。

百瀬の滝を登りなば たちまち竜になりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり

「この曲を知ってたら、鯉のぼりの由来もわかるし登竜門の故事もわかるし、一石二鳥なんだよ」
と夫に説明をすると、非常に感心された。

「竜になるためには滝を登らなあかんのやなぁ。滝やで。流れを逆走やで。サトイモもこれからの人生、つらいこともしんどいこともいっぱい経験せなあかんのやろなぁ」
「無理して竜にならんでええ。鯉のままでも楽しく生きれたらええわ」

そんなことを話しながら、ベランダで泳いでいるトイザらスの豆サイズの鯉のぼりをバックに、夫がサトイモを抱っこして記念撮影をした。