元町映画館で『西遊記』を見る。
ときどき、「どうして中国語を習おうと思ったの?」と尋ねられる。
答えにはいろんなパターンがあるけれど、とどのつまりは、
「子供の頃に堺正章・夏目雅子の『西遊記』を見たから」
にたどり着く。
悲しいかな、今の日本には中国を好ましく思っていない人もいるけれど、私は親中派だ。
共産党がどうとか政治は関係ない、あこは西遊記の国なのだ。
日本のアニメが好きで、日本に親近感を持っている中国人が多いように、西遊記や三国志のおかげで中国に興味を持つ日本人がどれほど多いかは推して知るべしだ。
- 作者: 中野美代子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/01/01
- メディア: 文庫
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原典にもちゃんと当たろうと、岩波文庫で出ている『西遊記』(全10巻!)も読んだけれど、妖怪、カンフー、ファンタジー、アドベンチャーの全部盛り。
まさにキラーコンテンツ!
面白くないわけがないのだ。
堺正章・夏目雅子の『西遊記』以降、『西遊記』作品はできるだけ見るようにしている。
近年では、チャウ・シンチー(周星施)監督の『西遊記 ~はじまりのはじまり』や、ドニー・イエン(甄子丹)が主演・アクション監督を務めた『マジック・モンキー ~孫悟空誕生』が記憶に新しい。
そこで今回も、元町映画館が『西遊記 ~孫悟空vs白骨夫人』(西遊記之孫悟空三打白骨精)を上映すると知って、楽しみにしていた。
ポイントは、孫悟空が『風雲 ストームライダース』のアーロン・クオック(郭富城)、白骨夫人がコン・リー(鞏俐)だというキャスト、それと、アクション監督がサモハン(洪金寶)だということ。
チラシをよくよく見ていたら、英題が『The Monkey King2』となっている。
2?
どうやら、ドニー・イエンの『マジックモンキー』の続編という扱いらしい。
そういえば、『マジックモンキー』ではアーロン・クオックが牛魔王で出てたっけ。
豪華キャストで力の入った西遊記。
アーロン・クオックの孫悟空は、京劇の悟空のイメージに近いのか、ちゃんと猿っぽい。
CGも立派で美しい。(あ、VFXっつーんですかね)
コン・リーは、「一体何歳だ、あんた自身が妖怪か!」と言いたくなる美しさ。
…でもなぁ。
残念ながらワクワクはしないんだ。
「痛快」じゃないんだよね。
結局、マチャアキ版西遊記を心のどこかで求めてしまっているのかもしれない。
どんなに壮大なVFXより円谷プロの特撮が楽しいのだ。
もっと自分を満足させてくれる西遊記を求めて、遥かな旅を続けている。