3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

リフトの故障と戌の日

先週の日曜日(11月19日)の朝、母をデイサービスへ見送ったあと、階段下に降りたリフトを上に戻そうとしたらゴトゴトっという音とともに何かが落ちた。
見ると、リフトの部品が落ちている。
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え゛え゛ーーーーっ!!

部品が取れたりする?!?!?!

 

部品は落ちてもリフトは動いていた。
とりあえず、ポロリと取れた部品はそのまま、一番上までリフトは移動させた。

 

落ちた部品はレールの後ろにあるキャタピラみたいな部分だった。

そういえば最近リフトを動かすと変な音がしていた。
プラスチックが軋むような音だ。
この部分がおかしくなって、音を立てていたのか。


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さっきはとりあえず部品が取れたままでも動いたけど、このあと動かなくなってしまったらどうしよう。
あいにくの日曜日。業者さんは休みだ。
リフトなしでは母を家に入れることができない。
もしリフトが動かないとなると、今晩は急遽、施設にお泊まりをお願いしないといけなくなる。

 

とりあえず、部品は組立式みたいなので頑張って自分で付けてみた。
少し固かったけれど、なんとかくっついた。

 
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動かして見ると、なんとか動く。


でも、本当にこれで直ったんだろうか…。

これが合っていて、問題がないのかどうかがわからない。

 

想定される最悪の事態は、動くと思って母を乗せて、階段の途中で止まってしまうことだ。
宙ぶらりんのまま立ち往生してしまう。

 

まずは父に相談してみた。
父は高校で機械科だったので私よりは知識もあろう。
「あとで見るわ」
と腰が重い父をせっついて見てもらうと、
「わからん。うまいことくっつけとんちゃうか?」
と、頼りない。
60年前の杵柄では古すぎたか。

 

父では話にならないので、もっとちゃんとした機械に詳しい人に見てもらおうと、海上で釣り中の彼氏にLINEで画像を送り、アドバイスを求めた。

 

「キャタピラみたいのが取れてしまったの」
「これはキャタピラじゃなくて、英語でenergy chain、日本では椿本チエインという会社が出してるケーブルベアっていうもの。中に電源ケーブルが通ってるでしょ」
「自分でくっつけてみたんだけど、大丈夫かしら?」
「この画像では大丈夫かどうかわからんなぁ。もう海から上がるところやから、見に行ってあげよか? タコとイワシが釣れたから、ついでに持っていってあげる」

「いいの? 見てくれたら心強いけど…、私、お父さんに話したばっかりやから、挨拶に来たのかと誤解されるかもよ」
「えーっ、そんなん聞いたら行きたくなくなったなぁ」
「でしょ?」
「うそうそ、行ったげるよ」


彼氏が修理をしてくれた

1時間後に彼が来てくれて、リフトを見てくれた。

「これ、上下逆や。逆さまにくっつけとうで」
と彼氏が言う。

 

「えーっ、でも、隣の部品と同じ向きにつけたのに?」
「見てみ、ここからが向きが変わっとうやろ。日焼けの色も違うし」

「ほんまや! でも、わたしがくっつけたのは、ポロリと取れた5つ分だけで、こんなにたくさんじゃなかったよ」
「なみ松じゃないとしたら、誰かが逆さまにつけ変えたんやろ。変色の具合からしたら最近やろなぁ」


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一部だけ逆さまに付け替えるなんて、私がそんなことするはずないし、父もそんなことしない。
考えられるのは、先日電動リフトをぶつけたあとに業者に来てもらったときだ。
それくらいしか考えられる機会がない。
あるとすえれば…、という推測だが。

 

原因がわかったところで、彼氏は逆さまな部品を工具で取り外し、正しい向きにつけ直し、さらにそれを結束バンドで補強してくれた。

おまけに、ぶつけて歪んだままのリフトの側面も見てくれて、そこも修理してくれた。

「これでもう大丈夫」

父も私と一緒に彼氏の修理の様子を見ていたのだけど、
「逆さまやなんて、ようわかったなぁ」
と、父は感心しきりだった。

私が妊娠している事情なんか、まるでなかったことのように、
「どうもどうも、ありがとうございました」
と挨拶している。
…誰なのかわかっているんだろうか。


たまたま大安の戌の日だった

修理を終えると昼過ぎだったので、私と彼氏は二人で昼食を食べにでかけた。
一応父にも声はかけたが、お腹が空いていないのでいらないと言った。

 

お昼ごはんは、実家の近くにある人気のラーメン屋に行った。
そのラーメン屋の近くには、TV見仏記が取材に来たことがある名刹のお寺がある。
うちの家では毎年元旦に、ここに初詣に来ている。

「よかったら、ラーメン食べたあと、お寺に参らない?」
私が提案した。

というのも、できればこの日に安産祈願のお参りをしたかったからだ。

 

妊娠について打ち明けた知人から、
「5か月やったら腹帯付けなきゃね」
と言われた。

そっかぁ、そんなこともあるのか…。

腹帯という言葉は知ってたけど、そもそも何のためなのか全然知らなかった。

それで腹帯について検索していると、妊娠5か月の戌の日には安産祈願をする習わしがあることを知った。

正式には、御利益のある神社で初穂料を払ってお祓いをしてもらって、腹帯をもらうものらしい。

 

妊娠初期からちゃんと準備してるならともかく、気付けば5か月に入っていた私には、とてもそんな余裕などない。

それでも一応戌の日の日にちを調べると、11月の次の大安の戌の日は11月19日だった。

それを知ったのは前日の18日。

とてもじゃないけど行くのは無理だな、と思って諦めていた。

 

たまたま彼氏が来てくれて、近くにお寺がある。

神社じゃなくてお寺だけど、安産祈願のお参りくらいはできる。

ラーメンを食べたあと、彼氏と二人でお寺にお参りした。


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「お参り用に五円玉貯めてるのに、車に忘れてきた」

と彼氏。

「ここはひとつ、私、奮発する!」

「五百円玉入れるん?」

「ううん、百円」

「なんやケチやな」

 

今振り返れば、仮にも安産祈願なんだから五百円玉を出してもよかったのに、ケチるんじゃなかった。

お腹の子供が元気に産まれてくれたらそれでいい。

五百円なんて安いものだったのに。

仁王さんも呆れてら。

 

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それでも、二人でお参りができたことで満足。

夫婦でもないし、まだ親になる覚悟もない二人だけど、秋の日の、小さな幸せ。