3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

いろいろな反応と介護ベッド

今朝、朝刊を取ってきたら一面の見出しが、「改元19年5月1日」というのでビックリした。

というのも、私の出産予定日が5月1日だからである。

改元で満1歳。

予定日だから前後するんだろうけど、こうなったら予定通り5月1日のほうが面白い。

面白い面白くないとかで産むもんじゃないんだろうけど。

www.huffingtonpost.jp

 

そういえば、私が妊娠したことを告げた人の中で、最も喜んだ人は整体の先生だった。

「今日は最高に幸せな気分や! あんまりうれしいから、今すぐ嫁さんにLINEで教えたい!」

え~ッ、そんなに!?

 

ずっと通っている整体院で長い付き合いではあるけれど、なんでそんなに喜ぶのか訳が分からない。

奥さんにしたって、そんなメッセージ送られても面倒くさいだけだろう。

 

「予定日はいつ?」

というので、5月1日だというと、

「ヤッターーっ!!」

とさらに喜ぶので意味不明。

理由を尋ねると、

「俺の誕生日と一緒やから!!」

と言われて納得したし、ちょっと安心した。

誕生日占いを信じるわけじゃないけど、同じ誕生日の人が悪い人生じゃないなら、子供にとっても良い誕生日な気がする。

 

私がそうやって少しずつ情報を解禁しているのに対して、彼氏は家族以外は誰一人として私の妊娠のことをしゃべっていなかった。

今後もギリギリまでしゃべらないらしい。

そんなだから、

「なみ松はなんでそんなにペラペラ、みんなにしゃべるん」

と呆れて言うけれど、そもそも男女で身体の負担が違うのだからしょうがない。

 

男性は何も変化がないからいいけれど、こっちは黙っていたっていずれバレるんだもの。

というか、もうずいぶんお腹が出ているのだから、敏感な人はもう気づいているだろう。

毎日毎日、ワンピースばかり着て出勤しているのだって、これまでの私のファッションからして何か変だと思われているかもしれない。

通勤時には外しているけれど、バッグにつけているマタニティマークに、会うやいなや気が付いた友達もいた。

 

産休を取らせてもらう段取りもあるので、部長と課長にも、

「お話があるんですけど」

とそれぞれ呼び出して打ち明けた。

 

意外だったのが部長の反応で、

「ものすごくビックリされるかと思いますが」

と前置きをして、

「実は、現在妊娠しています。」

と告げたのだが、

「ああそう。おめでとうございます」

と至って普通だった。

 

「驚かないんですか?」

「それくらいで驚かへんよ。まあそういうこともあるかな、と。」

そういわれて、こっちが驚いた。

自分で言うのもなんだけど、未婚だぞ!42だぞ!

…人生経験の差かねぇ。

長い会社人生の中で同様の事例をそこそこ経験してきたのか、それとも、大好きな夜の街の中でお姉さんたちが同様の事例でお店をやめていく様子を見てきたのか。

あと、産休・育休を取るにあたって、私は戦力外だからたいして問題じゃないと思われたのか。

 

ドッキリカメラやモニタリングのようなテレビ番組じゃないけれど、「実は妊娠しました」と告げて、その人がどんなコメントをしてくれるかで人間性や人生が表れて面白い。

 

ごく一般的な「おめでとう」とか「よかったね」ではないコメントもありがたい。

ずっとシングル同盟として遊んできた友達は、

「マラソン大会一緒に走ろうね、って言ってたのに、置いていかれた気分でちょっと寂しい」

と正直に言ってくれて、実際私も生涯シングルで生きていこうと思っていただけに、その生活を逸脱する寂しさに気づかされた。

 

同様に、既婚者だけど子供は欲しくない、子育てする自信がない、と言っていた友達は、

「私だったらもっと動揺してしまうと思う。冷静に受け入れてて立派だと思う」

と同情してくれた。

私だって子供なんて望んでなかったわけで、動揺していないわけじゃない。

でも、「いらない」というのはあまりに子供が不憫すぎるので言えないだけだ。

彼女がネガティブな気持ちを代弁してくれたおかげで、少し救われた気がした。

 

彼女のように子供は欲しくないという人はまれで、多くの人(特に女性)は赤ちゃんができるという事象にロマンを抱いているようで、母のケアマネさんなどは、すでに成人している娘さんがいるにもかかわらず、第一声が、

「わあ!いいなあ、私もほしい~!」

だった。

 

私が母の介護と子供の世話を両立させるには、ケアマネさんの手助けが最も重要だ。

ケアマネさんは介護の専門家だから介護に詳しいのは当然として、子育ての経験者であるのはとても心強い。

 

一番考えないといけない難問は、出産のために私が入院している間に母をどうするか、その後の1カ月~3カ月くらいまでをどうするか、ということなのだが、私の次の住まいも決まってない状態では何も決められない。

それで差し当たって提案されたのが、まずは自宅の母のベッドを電動の介護ベッドにしませんか、ということだった。

 

それは以前から療法士さんからも言われていたことで、ベッドの上下の高さを変えられることで車イスとの移乗がラクになりますよ、とずっと提案されていたのだ。

ただ、今のニトリで買った2万円の簡易ベッドでも私としては不都合を感じていないし、

「私、ジムで鍛えてるから大丈夫ですよ。腹筋を使って重いものを持つトレーニングをしてるんで」

と断り続けていたのだった。

 

けれど、身重になった今、腹筋を使って重いものを無理して上げると何かと危険である。

まだ今のところは大丈夫だけれど、出産が近づいてくると早産の危険性が高まり、腹筋に力を入れた瞬間破水するということにもなりかねない。

 

「じゃあ、介護ベッドにします」

と返事をするやいなや、ケアマネさんがすぐに手配をしてくれて、木曜日にはもうベッドが運ばれていた。
f:id:naminonamimatsu:20171202132954j:image

昨日の金曜日の夜から電動介護ベッドを使っている。

車イスからベッドに移すときにはベッドを低く、ベッドから車イスに移すときにはベッドを高く。

重力に逆らうことがないというだけで、どんなにラクなことか。

これなら、お腹がもっと大きくなっても大丈夫。 

 

2017年の流行語には「ワンオペ育児」がノミネートされていたが、来年以降の私はワンオペ育児に加えてダブルケアだ。

ものすごく大変なはずなんだけど、それほど不安ではない。

なんとかなる、と思うのは甘いだろうか。