3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

童謡と読み聞かせ

赤ん坊に対してこれまで全く関心がなかったので、ベビー用品だとか子供服だとかの用意を考えると、非常におっくうな気分になる。

けれど、子供が産まれたら楽しみにしていることもある。


それは、

  • 絵本の読み聞かせをしたい。

というのと、

  • 歌や音楽をたくさん聴かせたい。

というものだ。

 

結局、子供のためというより自分が楽しむためかもしれない。

押し付けられる子供はたまったものじゃないかもね。

 

お料理も上手じゃないし、キレイ好きじゃないので、掃除や洗濯もずさんな母親になるだろう。家庭的とは程遠いから。
私が子供に与えてあげられるとしたら、本と音楽、あとは子供向け番組くらいなもの。

来年からダブルケアになるけれど、今でも介護と子育てに接点があるのは、童謡・唱歌だ。

母のお気に入りの音楽は美空ひばりと童謡・唱歌。
今もしょっちゅう、そういう音楽をかけている。

タブレットではYouTubeで検索して、スマホではGoogle Play Musicで、テレビならBS日テレの『BS日本・こころの歌』を録画して。
便利な時代になったので、いつでもどこでも音楽を聴かせてあげられる。


母が病気になってからもまだ家でお風呂に入っていたときには、私が一緒に入って母の身体と髪を洗っていた。
湯船につかりながら、一緒に歌を歌ったものだ。

少しでも頭の体操になればという思いからだった。
ついさっきのことは忘れているのに、歌の歌詞は忘れない。
音楽の威力はスゴいのだ。

トイレに入っている時間も長いので、そのときも退屈しのぎも兼ねて、ずっと歌っていた。
今でもトイレでは歌を続けている。

けれど、一緒に歌っていたのが、だんだんキーを外すようになり、一部しか歌わないようになり、最後はうなるような声しかでなくなり、今となっては黙って聴いているだけだ。
それでも、私が歌うと母は少し笑顔になる気がする。

母がベッドでじっとしているときも、退屈してたら可愛そうだと心配になって、できるだけ音楽をかける。

もう妊娠6ヶ月になる赤ん坊についても、同じことを考えてしまう。
暗いお腹の中でじっとしていて、退屈じゃないんだろうか。

もう耳が聞こえるらしいから、せめて音楽くらい聴かせてあげたいけれど、会社勤めをしているうちは、おじさんたちの打ち合わせの声か、カタカタとキーボードを打つ音くらいしか聞かせられない。

音楽でなければ物語でもよい。

実家には、私の子供の頃の絵本がまだたくさん、本棚にそのまんま置いてあるのだ。

神戸の部屋には、アメリカのSF作家カート・ヴォネガットの『お日さま お月さま お星さま』という絵本しか置いていない。

ヴォネガットが亡くなった後に邦訳が出版された、ヴォネガット唯一の絵本だ。

生まれたばかりのキリストの話で、ちょうど今の季節にぴったり。
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久しぶりに引っ張り出してみて、声に出して読んでみた。

う〜む、赤ちゃんどころか大きな子でも理解できない内容。

けど、私が楽しければまあいいや。

そしてお母さんの夢を見ているあいだは──

二度とやぶにらみになりませんでした。