3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

ベビーカーで歩けばワインがもらえる

毎日家に閉じこもっている。
日々を有効に過ごすためにサトイモを連れていろんなところにお出かけをしよう、と思っていたけれど、こんな殺人的な暑さでは、ベビーカーの中でサトイモが煮っ転がしになってまう。

仕方なく毎日家にいるけれど、不思議と暇を感じることはない。

あっという間に時間が過ぎて、一日はすぐ終わる。
ついだらだら過ごしてしまって、「ああ、今日は一日何をしていたんだろう?」と呆然とするばかりだ。

しかし、やることと言ったら、録画しているテレビ番組を見るかネットを見るかという程度。
買い物に行けないものだから、特にネットショッピングばかり使ってしまう。

やがてお出かけする日に備えて、こんなものを買った。

抱っこ紐やベビーカーに取り付けて、UVをカットし、体感温度を下げるケープ。

 
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そういえば、街でこういうのをかぶって抱っこしている親子をよく見かける。
こういう機能があったのかぁ、と納得。
新米ママはこういう便利グッズを知らないので、ちょっとずつ学んでいくしかない。

あと、まだ届いていないけど、こんなのも。

 

 

 


これら便利グッズを使って、ちょっとでも快適にお出かけできたらいいんだけど、まだ使ってないから感想は後日。

言わずもがなだけれど、ネットショッピングはエアコンの効いた涼しい部屋の中から注文できるから本当に便利だ。
反面、それを暑い中届けてくれる宅配便の配達員さんには頭が下がる。
届いた段ボール箱が雨に濡れたように水滴が落ちていた。
こんなに晴れているのに何だろう?と思ったけど、たぶん配達員さんの汗だ。
そりゃ、汗が滝のように流れて当然だわ。

ネットで注文したものがどんどん届いていたとき、また配達員がチャイムを鳴らした。
予定していたものは全部届いていたので、一体何が届いたんだろう?と不思議に思いながら受け取った。
送り主を見ると、メガネ屋さんである。
メガネ屋さんが、一体何を!?!?


鴨居玲ゆかりのお店

そのメガネ屋さんは大学堂といって、三宮センター街にある老舗である。
3年ほど前、そこでメガネを作った。
そこは洋画家、鴨居玲ゆかりのお店で、鴨居玲の絵が飾ってあるのはもちろん、鴨居玲のメガネケースなどオリジナルグッズも作っている。



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何年か前に美術館で鴨居玲の絵を見て以来、私は彼の絵に魅了されてしまった。
暗くて孤独で冷え冷えとした作風なんだけれど、洗練されていてクールでカッコいいのだ。
鴨居玲自身とってもダンディなイケメンだったらしくて、その人柄が忍ばれる。
もし生前に会っていたら、メロメロになっていたかもしれない。

その鴨居玲のオリジナルグッズがほしくて大学堂でメガネを作ることにしたのはいいが、ここはなかなかの高級店だった。
しがない会社員には、ちょっとした贅沢品。

その前に作ったメガネは、眼鏡市場で買ったバットマンモデルのもので、当時オーケンが掛けていたのと同じものだ。(『中2病の神ドロシー』のPVで掛けてるメガネがそれ。)
それでさえ2万いくらして「高いなぁ」と思った私が、大学堂でその4倍のメガネの値段を見たときには目の前がクラクラした。

ただ、お値段だけのことはあった。

バットマンモデルのメガネはちっとも私に似合っていなかった。

オーケンとおそろ」というだけの理由で買ったせいで、似合うかどうかは二の次だったのだ。
大学堂のは、ちゃんと似合うものを厳選し、重さも軽いものを選んでもらった。

サイズも合っているから、一日掛けていても疲れない。

購入時、私が鴨居玲が好きだというと、これまでにお店が作った鴨居玲のポストカード一式をプレゼントしてくれた。
それ以降、毎年グリーティングカードが届くのだけれど、それも全部鴨居玲の絵で、大学堂のポストカードを集めれば鴨居玲画集ができるのではないかというくらいだ。

贅沢なお買い物だったけれど、価値ある散財だったなぁ、と満足していた。


ベビーカー出動の第1回目で

そのメガネが大活躍したのは、産前産後だった。
それまで、会社に行くときはずっとコンタクトをしていたので、メガネは家にいるときしか使わなかった。
けれど、産前休暇に入ってほとんど家にいるようになると、一日中メガネで過ごすようになった。
出産して入院中も退院後も、3時間ごとの授乳で寝たり起きたりの不規則な生活なので、コンタクトなんて使っていられない。
ウトウトして、メガネをかけたまま眠ってしまったことも何度もあった。

あんまりメガネを酷使し、雑に扱っていたので、メガネがだんだんずれてくるようになった。
特に、授乳で赤ん坊の顔を見るのにうつむくと、たいていメガネが下にずり落ちる。
その度にメガネをクイッと上げる。
でも、赤ん坊を抱いていて両手がふさがっていると、そのクイッができなかったりもする。
メガネがずれているとすごく気持ちが悪い。
大村崑とか三木のり平とか、よくメガネがずれたままで平気だったもんだ。(古い例えしか浮かばない!ていうか、最近の人はメガネがずれてたら耐えられないんだと思う。)

1か月健診が終わって自由にお出かけができるようになったら、一番にメガネを直してもらおう、と決めていた。
一応、ベビーカーがOKかどうか事前に電話で確認をしてから、生後2か月のサトイモを連れて大学堂に行った。

メガネのツル部分の調整だけだろうと思っていたら、鼻当て部分をそっくり新しいものに交換してくれた。
恐る恐る、「お値段は…」と尋ねると、サービスだという。
「エエッ!?よろしいのですかぁ!?!?」
根っからのケチンボさんな私は、それだけで有頂天になってしまった。


そして届いた贈り物

その大学堂から宅配便で届いた箱。

開けてみると、中には社長自ら書かれた暑中見舞いのメッセージカードとともに、オリジナルのワインが入っていた。
ワインはもちろん鴨居玲ラベルである。

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なんと、出産祝いだという。
2か月の赤ん坊を連れて来店したというのを知って、贈ってくれたのだ。

嬉しい驚き!!

素敵すぎる!!

犬も歩けば棒に当たる、ベビーカーで外出すればワインがもらえる!!

…早く外出できるように、気温が下がってくれないかなぁ。