父の食事と宅配
前と比べて手間が軽減したことがひとつだけある。
父の食事の手配だ。
これまでは、私がセブンイレブンのお弁当をネット注文して父に届けていた。
「もう弁当いらんで」
と父からは何度も言われていたけれど、やめると父はとたんに何も食べなくなるので(それで私の出産前後に父は栄養状態が悪くなって体調が悪化した)、できるだけ味に飽きないよう種類を考えながら注文を続けていたのだ。
日記を振り返ると、セブンイレブンの宅配サービスは2016年の年末から利用し始めていた。
年寄り向けの宅配弁当の薄味を嫌がる父のために、当時のケアマネさんがセブンイレブンの宅配を勧めてくれたのだった。
最初のころは500円以上で配達を利用でき、送料もかからなかった。
ところが最近は、利用金額も1,000円以上、配送料も216円取られる。
費用は私が負担し、父からは最近「もう飽きた」と感謝もされないので、なんだかなぁと思い始めていた。(働いている間は費用の負担なんて感じなかったけど、育休中の今は無収入だからなぁ…)
そんなふうに利用し続けていたセブンイレブンの宅配だったけれど、突然サヨナラする日がやってきた。
8月になってセブンアンドアイのサイトにアクセスしようとすると、なんだかうまくいかない。
何度やってもログインできない。
コードか何かをメールで送ってくるというけれど、それも届かない。
調べてみると、セブンペイが問題を起こした影響で、セキュリティ強化のために7id全部のパスワードがやり直しさせられている、とTwitterで話題になっていた。
なんだそれ!セブンペイ関係ないのにすごい迷惑!!
セブンイレブンの宅配弁当がなかったら、うちの父は食事ができないんですけど?!?!
結局、セブンアンドアイのサイトにはログインできないまま。
腹が立つので、ログインできるように問い合わせなどをする気も失せた。
もうセブンイレブンのお弁当とはサヨ〜ナラ〜!
じゃあ、父の食事をどうするかについて、ケアマネさんに電話で相談することにした。
父のケアマネさんは、私が妊娠中に新しい人に代わった。
前の人は本当に親身になってくれて、父や母の様子やケアプランについて、私によく電話やショートメールで連絡をくれた。
新しい人になってからは一度も連絡をもらったことがない。
ケアマネさんよりも、週6で来てくれているヘルパーさんのほうがあれこれ教えてくれる。
まあ、ケアマネさんから連絡がないのは問題がないからだろうと思っていた。
けれど、今回お弁当のことで電話をしてみて、それはケアマネさんの性格というか資質なのだとわかった。
「じゃ、ヘルパーにお弁当を買ってきてもらうように言っときます」
それで終わりだった。
これまで、けっこう手間隙をかけて父のお弁当の手配をしていたのがむなしくなってしまった。
父の好みだとか栄養バランスを考えて、PC画面とにらめっこしていた。
スーパーで実物を選ぶより、Webサイトの画像を見て試行錯誤して選ぶほうが時間がかかる。
サトイモが寝てから夜その作業をしていると、気付けば日付が変わっている日もよくあった。
おそらくこの手間を理解してくれる人なんて誰もいないだろうな…。
拍子抜けではあるけれど、ひとつ仕事が減ってラクになった。
送りつけるのはムダ
父の食事といえば、レトルトの煮魚セットを送ったことがあった。
お弁当も手配しているものの、毎食ではないから、食事のたしになればという思いもあったし、ちょうどお中元の季節の頃で、親戚のおばさんやらお世話になった友人やらにギフトを送るついででもあった。
ところが。
父に電話をしたあるとき、
「そやそや、なみ松に聞かなあかんと思ったことがあったんや」
と父。
「こないだ新聞を整理しとったらな、不在連絡票いうのが出てきたんや」
と言う。
私が送った煮魚セットの不在連絡票だった。
日付を見てもらうと、7月9日だという。
そんな前の不在票?!?!
通常なら、宅配業者が未配達のままほっておいたりしない。
連絡がなくても再配達してくれたり、送り主である私に電話連絡があったりするものだ。
こんな長期間、未配達のままなんてことがあるだろうか?
父は、
「さあ、なんでやろうなぁ」
と呑気に言っている。
仕方ないので電話をきって、注文した店に問い合わせてみると、
「7月10日14時16分に受け取りとなっていますが…」
と調べてくれた。
ちゃんと受け取ってるやん!
じゃあ、商品はどこへ…?!?!
父にそのことを電話で伝えると、受け取った記憶もないし、商品がどこにあるかもわからないという。
「冷蔵庫に入ってない?よく探してみて!」
と私は必死に言ったけれど、
「また見てみるわ〜」
とやる気のない父。
5千円くらいする詰め合わせセットだったのに…。トホホ…。
「お父さんのために何をしてもムダやな!」
とイヤミのつもりで吐き捨てたが、
「もうそんなん送って来んでええで〜」
と父は普通に言った。
親の心子知らずとは言うけれど、うちは「娘の心父知らず」だ。
もう父の心配はするまい。
…そう言いながら、増税前に父のお酒をネット宅配で注文したりしている。
どこまで甘いのか。