3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

秋の風邪

サトイモが風邪を引いてしまった。

一昨日の夕方から咳が出はじめ、夕食を食べていて咳き込んだら全部吐いてしまった。

昨日の朝、37.5℃の熱が出ていたので、かかりつけの小児科へ。

春に蕁麻疹が出て受診に来たときはまだハイハイの頃で、抱っこしていてもじっとしていられず大暴れし、待ち時間が大変だった。

今回も本人はいたって元気で、待合室をウロウロ。

前は床をハイハイさせるわけにはいかなかったから抱っこで押さえつけていたけれど、歩きまわる分には問題はない。

好きにさせておいたら、置いてある絵本やおもちゃを引っ張り出してご機嫌に遊んでいてくれて助かった。(でも一番触っていたのはアンパンマンのジュースの自販機。人気でほかの子も触りまくっていた。)

 

診察室に入って、“もしもしのときにおとなしくしていたら、先生に「あら、えらいのね」とほめてもらえて、私の気分がとてもよくなる。

最近は家でいたずらばかり、ちっともじっとできないので、どこかおかしいのではないか、もしかしてADHDなのでは?と心配するくらいだったのだけれど、診察室でちゃんとしていてくれたのは自信になった。

「胸の音もきれいですし、のどもそれほど赤くなってません。鼻水がのどに流れ込んで、それが悪さをして咳が出ているのでしょう」

という先生の見立てに安心して家に帰った。

 

それなのに、午後になって熱がぐんぐん上昇。39.5℃まで上がる。

診察のときは熱が低かったので解熱剤はもらっていなかった。

以前に処方してもらっていた坐薬の解熱剤がひとつだけ残っていたので使ってみたが、熱は朝まで下がらなかった。

さすがに高熱が出ているとサトイモもぐったり。

遊ぶどころではないどころか、一晩中グズグズ泣いていた。

こんなサトイモは初めて。

ごはんもちっとも食べられず、口にするのはヨーグルトとゼリーだけ。

 

仕方ないので、今朝再び病院へ。

先生は昨日とは違う医師だった。

「のどが赤くなってますね」

「昨日はあまり腫れてないって言われたんですが」

「その後腫れてきたんでしょう」

そういわれるならそうなんだろう…。

「前回出してもらった解熱剤を使ったんですが、熱が下がらなかったんです。実はこれまでもこの解熱剤を使ってみて熱が下がったことがないんですが、別の解熱剤はないんでしょうか」

と相談すると、

 「まず、子ども用の解熱剤はこれだけで、何歳になってもこれです。それから、熱が下がらなかったということですが、解熱剤で下がるのは約1度、効果は約4時間です。ですから…」

「39℃が38℃にしかならないってことなんですね…」

「でも、鎮痛効果もありますし、熱が軽くなって、のどの痛みがましなうちに眠ったり食事をとったりしてください」

 

結局前と同じ解熱薬を少し多めに処方してもらって調剤薬局へ行った。

私がお薬手帳を探している間に、サトイモがベビーカーの中でひどく咳き込んだ。

ちょっと長く続くなぁ、と思った瞬間、

ゲボォォォ…!!

朝食べたヨーグルトを豪快に吐いてしまった。

私はこんなこと初めてなのでオロオロしていると、ティッシュやビニール袋を手際よく出してくれる薬剤師さんたち。「小児科の隣の薬局あるある」なんだろう。

幸い着替えを持ってきていたので、服は着替えさせたものの、ベビーカーが汚れてしまったのがショックだった。

薬剤師さんが、

「咳き込んだせいで吐いたみたいでしたけど、もし胃腸炎の可能性があるなら再度受診されたほうがいいですよ」

と言ってくれたけれど、

「たぶん咳のせいだと思います~」

と軽く受け流してしまった。


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今これを書いている時点で、薬局での嘔吐を除き、2回吐いている。

ゼリーやミルクを飲んでしばらくして、苦しそうにしているから抱っこしてなだめていると急にゲボォっと来るのだ。

抱っこしているので、本人だけじゃなく私の服も全着替え。

 

…明日の朝、また小児科に行くか。

まさかの3連チャン。

 

そういや母もよく吐いた

育児休業中だからこそ、ちょっと調子が悪いだけでも気軽に「小児科行くか」と思えるのだけれど、これが復帰後だったらどうなんだろうと考えるとぞっとする。

子どもが悪いわけじゃないのに、

「なんで病気になんかなるかなぁ!」

と恨めしく思い、

「これくらい平気よね?ね?」

と無理やり心に嘘をついて、子どもに無理をさせてしまうのではないか。

介護しているとき、母が病気になると私はいつも内心でそう感じていた。

面倒くさい、また会社を休まないといけないのか…、と。

ひどい話だけれど、「会社を休む」というのはそういうものだ。

どんなに環境がよい職場だったとしても、気持ちよく会社を休める人なんて、きっといない。

 

そういえば、母が嘔吐したといっては介護施設から連絡があって、しょっちゅう会社を休んで病院に連れていかないといけなかった時期があったっけ。

逆流性食道炎だという診断がくだって、ネキシウムという薬が出るようになってからは嘔吐もおさまったけれど、それまでは大変だった。

 

今回、サトイモに吐かれた後、吐しゃ物や汚れた衣服の処理を優先するべきか、そんなこと放っておいてサトイモを「よしよし」してケアしてやるべきなのか迷った。

結果、ちょっとだけ「よしよし」してから片づけをしたけれど、それでもサトイモは自分を放っておいて洗濯している私が恨めしかったに違いない。

ちょっと離れるだけでグズグズ泣く。

こういうときワンオペだとつらい。

 

老人の場合は「よしよし」しなくてもいいから割り切って片づけに当たれるものの、ゲボッとやられたあとはパニクってしまうので、猫の手でも借りたい。

ときには父に助けを乞うこともあった。

記憶に残っているのは、嘔吐後の母の着替えを私がさせている間、母の汚れたセーターの片づけを父に頼んだときのことである。

父は洗面所からえらく早く戻ってきて悠然とテレビを見ているので、おかしいなぁと思ったら、セーターは吐しゃ物がついたまま洗濯機に突っ込まれていただけだった。

「洗濯機で洗濯したらきれいになるやろ。あかんのか?」

と父は悪気なし。

頭数がいても、働ける人数とイコールではない。

結局ワンオペなんだよなぁ。