3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

1歳6か月健診 ~その①問診票~

区役所で1歳6か月児健康診査を受けてきた。

すでに健診を受けた先輩ママたちから、

「びっくりするくらい小さい積み木積まされるで」

とか、

「いきなり知らんおばちゃんに『ワンワンどれ?』とか聞かれても、指差しなんてできるわけないわ」

とか、健診について予備知識はコツコツ仕入れ、積み木を積ませたり絵本で指差しの練習をさせたりしていたが、家の中でさえ成功した試しがなかった。

「こんなんで健診本番がきても、うちの子絶対何もようせんで」

と夫と話していた頃、案内封筒が届いた。

 

案内の封筒の中には、4か月健診のときと同様の問診票が入っていた。

ただ、4か月健診のときと比べて、「母親の産後」というニュアンスが皆無になり、歯科検診メインという印象だ。

すると、ラストにこれまで何回か見た顔のマークで回答する設問が。

「子育てについて、あなたの気持ちをあらわしているのはどれですか。」


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4か月健診だけでなく、1か月健診、9か月健診といった病院で行った健診でも、やはりこの顔マークの設問があったのを覚えている。

というのも、いつも答えに悩んで悩んで、その挙句真ん中の「無表情」にチェックをつけていたからだ。

つらくもないけど、笑顔でいられるほど気持ちの余裕がない、というかんじだったんだと思う。

産後の体力が回復していないというのもあったし。

それに比べて、今は迷わず笑顔マークをチェックできた。

今は毎日、サトイモが可愛くて可愛くて仕方がない。

 

サトイモは毎日イタズラし放題。自我も出てきて、困らせることもたくさんやる。足が速くて走り回るので、追いかけるのにもスピードが必要になってきた。

家にいたら体力が有り余ってしまうので、毎日どこかしら出かけ、めいっぱい遊ぶ。

そんなサトイモに付き合っていたら、私のほうも体力がついた気がする。

10キロ強の子どもを抱えるのも、ちょっと負荷がかかる筋トレのようなものだ。

今は軽々と抱えているけれど、去年は2~3キロの重さでさえキツかった。

問診票を回答しながらこれまでのことを振り返り、たった1年半のことなのに膨大な時間を過ごしてきたように感じた。

 

体力といえば、先日家族で外出した際、サトイモを抱っこしていた夫が足を痛めたと言っていた。

「たった1日、それも数時間で足を痛めたなんて。毎日やってる私の身になってみてよ」

と私が言うと、

「毎日やってるから平気なんやんか。たまにやるから足いわすんや」

と言い返された。

確かにそうかもしれない。

 

そのくせ夫は、1歳6か月健診の問診票の「配偶者も子育てしていますか。」「お父さんは、こどもと遊んでいますか。」という設問に、私が、

「どっちも『ときどき』に丸しといたよ」

と伝えると、

「なんで!?『いつも』やろ⁉」

と不満をもらした。

 

「だって、週に1~2日だけやったら『ときどき』でしょ」

「しゃーないやんか、休みの日しか時間がないんやから」

「別にそれを責めてるわけじゃないよ。事実を回答してるだけ」

「平日だって毎日サトイモのことを考えとんやで。それやったら『いつも』ちゃう?」

「考えとうだけで子育てになるんやったら、私だってお母さんの介護毎日してることになるわ。そんなんおかしいでしょ!」

夫はおそらく冗談のつもりで、「毎日考えてるから毎日子育てに参加している」と発言したのだと思うが、私はつい真面目に受け取ってムキになってしまった。

 

あとになって、「休みの日に子育てに参加しているから、自分は十分子育てできている」と思っている夫の意見を反芻した。

うちの夫が珍しいわけではなく、なんとなくだけれど世の中の多くの父親はそんなかんじなんじゃないかという気がする。

逆に、仕事を持っている母親たちはどうだろうか。

1年半後に復帰した私だったらどう感じるか?

「休みの日しか子どもをかまってあげられない」

と「できない」ほうに力点を置いて考えるに違いない。

仕事中も子どものことを心配しつつ、でも「一緒に過ごせる時間が少ない」と子どもに対して申し訳なさを感じるんじゃないか。

脳の構造の違いなのか、母親と父親ではそもそも子育てに対する感じ方が違っているような気がする。

子育ては母親だけの仕事じゃない、父親も参加するように、という世間の風潮は少しずつ広まっているものの、まだまだ理想と現実は乖離している。

問診票の結果はきっと統計かなんかに役立てられるんだろうけれど、「配偶者もよく子育てをする」の割合が知りたいものだ。