3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

筋肉少女帯展

筋肉少女帯のファンになって、はや20数年。

関西でライブがあるときは欠かさず参加してきた。(昔は神戸チキンジョージでもライブがあったんだよなぁ。)

母の介護をしていたときも、ショートステイにお泊まりをお願いしてなんとかやりくりしたものだ。

それが、去年妊娠&出産したことで、とうとう皆勤記録はストップ。

2018年の『ザ・シサ』ツアーも、今年11月16日に心斎橋BIGCATで行われた『Love』ツアーもとうとう見られなかった。どうせライブDVDが出るから全く見られないわけじゃないけど、その場に立ち会うか立ち会わないかでは重みが違う。

ほかの多くのファンの皆さんは、世代的にお子さんがもう大きくなっていて、オーケンいわく「鮭が生まれた川に戻ってくるように」筋少のライブに帰ってきているんだけど、人生のサイクルがみんなより2周ほど遅れている私は、筋少川に戻るまでまだまだ時間がかかりそうだ。

 

今回は、筋少30周年アニバーサリーとして東京中野で行われた筋肉少女帯展が、なんとライブ前後の期間に大阪で開催されるという。

ライブは夜に行われるから行くのが難しいけど、平日の昼間ならサトイモを預けて見に行くことができる!

ということで、ずいぶん前から保育園に一時保育の申し込みをし、段取りをしていたのだった。

 

まさか直前に私が体調を崩すとは思いもよらず。

正直、

「せっかく子どもを預けるなら、筋少展なんか行ってないで医者へ行け!」

と思うほど、まだ体調が回復していない状態だった。

でも、そこは初志貫徹しなければ、と予定どおりサトイモを保育園に預けて心斎橋へ向かった。

 

ママと離れると泣く

保育園に到着しても、サトイモは警戒してなかなか園に入らなかった。

子どもながらに、わかっているのだ。

なんとかなだめて中に入ると、保育士さんが園児たちが遊んでいる部屋に誘導してくれて、ピアノから流れる『どんぐりころころ』にサトイモ気をとられていると、保育士さんが「今です!」と私に目配せしてくれた。

一瞬の隙に、私はサッと身を隠して出て行った。

こっそり窓から覗くと、サトイモは保育士さんに抱っこされながら、顔をぐちゃぐちゃにして泣いていた。

…あんな泣き顔を見ると心が折れる

 

最初に一時保育に預けたとき、サトイモは泣かなかった。

最近は私と少し離れても泣くし、抱っこから下ろそうとするだけで嫌がってしがみつく。

だんだん自我が強くなってきた。

好きなこと、嫌なこと、やりたいこと、やりたくないことがはっきりしてきた。

ちょっと前までは、

「うちの子は児童館でもお友達とオモチャの取り合いをしないのよ~」

なんて自慢していたくらいなのに、最近では、

「うちの子がまたオモチャ取っちゃってごめんなさい」

と謝りまくらないといけないようになった。

困ったもんだけれど、どれもこれも成長。

サトイモよ、一時保育で母と別れるのも人生の修行さ。喝っ!!

 

墓場の画廊

筋肉少女帯展の会場は心斎橋BIGCATがある同じビルにある墓場の画廊WEST。

入り口にはキン肉マンアシュラマン等身大フィギュアがある。


f:id:naminonamimatsu:20191126222243j:image

ここのはずなんだけどあってるのかなぁ…、と不安になりながら中へ。

店の奥にスペースがあり、そこで筋肉少女帯のグッズが並べられていた。

その壁にいくつかのパネル展示があるのと、メンバー4人の衣装、オーケンの衣装はさらに2点。


f:id:naminonamimatsu:20191126223032j:image

…ええっ、まさかこれだけ?!

 

はい。これだけ。

サトイモをあれだけ泣かせて駆けつけたのに、これだけだったのか…、と虚しくなる展示の少なさだった。

しかたないので、せっかくやって来た証を残すために寄せ書きにメッセージを書き、筋少へのお布施の意味で物販を買って帰る。

5,000円以上買うとシークレットコースターがおまけでもらえることになっていて、コースターの中身は運次第。

最近の筋少のCDにはメンバーカードがランダムに同梱されているけれど、一度もオーケンカードを引いたことがない私。

コースターもきっとオーケンは当たらないんだろうな…、と思っていたら、なんと大当たり!


f:id:naminonamimatsu:20191126225604j:image

神様ありがとう!

これで私は報われました。

 

これでいいのだ

お迎えに行くと、サトイモは私の顔を見たとたんに泣き出した。

「ママと離れてさみしかったね、よく頑張ったね」

と抱き締めたけれど、なかなか泣き止んでくれない。

ほかの園児たちはお昼寝タイムだったので、響く泣き声に恐縮する。

お世話をしてくださった保育士さんによると、私が消えて泣いたのはほんのちょっとの時間で、すぐに泣き止んで楽しげに遊んでいたらしい。

お昼ご飯もすべて完食したそうだ。

メニューを見せてもらうと、豚肉の生姜炒め、小松菜のポン酢和え、昆布入り納豆、と、とても自宅では食べないような内容だった。

そもそも生姜やポン酢はまだ早いかなと思って私があえて使ってこなかったし、納豆は食わず嫌いでひとさじも口に入れなかったくせに。

ほかの子が食べていたら「つられ食べ」をする、という話があるけど、そのパターンで食べられたのか、外面がよくて園ではエエカッコして完食したのか、単純に園の給食が美味しかったのか。

どういう理由であれ、慣れない場所の見知らぬ人たちの中で、いつも以上にちゃんと食事がとれたことが誇らしく思えた。

離れてみてこそ、成長が客観的にわかる。

いや、今回のことで、サトイモがさらに成長できたんじゃないか。

結果的に、一時保育で保育園に預けてみる価値があったなぁ、と感じた一日になった。

 

たまにはこうやって親元を離れて、保育園で過ごさせるのも子供の成長にはいいなと思うものの、一時保育で預けるにも保育園は予約でいっぱいである。

たった一日、いや半日預けるにも、ずいぶん前から予約しておく必要があるのだ。

一時保育ですら枠を取り合いしている状況では、職場復帰するときに本当に入園できるのか不安でしかない。

幼児教育が無償化になったけれど、当事者な私たちの周りで、「やった~、よかった!」なんて声はちっとも聞かれない。

そんなことより、

「本当に預け先が見つかるだろうか。待機児童にならないかな…」

とそもそも入園できるのかどうか不安に思う声ばかりだ。

私ももちろんそうで、

「タダになんてしなくていい、お金を払ってもいいから確実に保育園に行けるようにしてほしいんだけど…」

と嘆くばかりである。