本格的イヤイヤ期のプレ幼稚園
先ほど、サトイモを幼稚園に送ってきた。
家から一番近い近い幼稚園で、週1回午前中だけ実施しているプレ幼稚園に登園することになったのだ。
本来ならゴールデンウィーク明けから始まるはずだったんだけど、コロナのせいで今日からになった。
8時半から9時までの間に登園することになっていて、初日だから早め行動で8時半過ぎには到着するように送ったら、帰ってきてもまだ9時!!
まだ9時!!
そして自由!!!
何をしよう!
何ができる??
何をすべき??
興奮が止まらない。
昨日まで、
「初めてのプレ幼稚園なんです。自由時間が楽しみで」
なんて話すと、
「そうは言っても、『今何をしてるかなぁ、大丈夫かなぁ』って気が気じゃなくて落ち着かなかったりするんちゃう?」
なんて言われていたけれど、全然そんなことはない。
それもこれも、別れ際、幼稚園の靴箱の前でママにしがみついて泣いている子がたくさんいる中、うちのサトイモは室内のオモチャを見つけるやいなや走って中に入っていってしまって、先生に、
「大丈夫そうですね~」
と笑顔で送り出されてしまった。
おかげさまで気兼ねなく自由を満喫できる。
2~3歳対象のプレ幼稚園はなかなか人気で、本来なら1クラスなのに2クラス、つまり2日に分けて実施されることになった。
1クラスだけだと抽選に漏れて補欠だったんだけど、2クラスにしてもらったおかげで入園できた。
うちの幼稚園は抽選だからよかったけれど、園によっては先着順というところもあって、児童館で会ったママは朝5時から並んだという。
新型ゲーム機発売日の量販店じゃあるまいし、なんとかならんのかそれ。
少子化なのにプレ幼稚園でさえ気軽に入れない。どうなってるんだ日本。
息子から暴力を受けています
今日から立派に園児となったサトイモだけれど、6月に入った頃から急にイヤイヤが激しくなってきた。
「いやいやいや!!」
と言えるようになってからは、これまでの「ば~ぶ~ば~ぶ~」とは比べ物にならない暴れ方で手に負えない。
一度イヤイヤにはまると、こっちが折れない限り泣いて暴れたおし、自分の頭を床や壁にぶつけ始める。
初めてそれをやられたときはビックリして、
「何してんの!!やめてやめて!!!」
と押さえつけて自傷行為をやめさせようとした。
すると押さえつけられるのが嫌でますます大暴れ。
また頭を床に打ち付け、
「いたい~!いたい~!!」
とさらに泣く。
当たり前やろ…。
やめてやめて!ギャー!ゴンゴン!いたいいたい!やめてやめて!ギャー!
何度もそれを繰り返した。
サトイモはさらに嫌がって、抱きしめる私の顔を鷲掴み。
小さな爪が頬に食い込んで、血がにじむほど傷になった。
だからといって離すとまた自分の頭をぶつけだす。
私はどうすればいいのかわからなくなって、
「お願いだからやめてよ~!お願い~!」
と大声で泣いた。
サトイモもずっと泣いていた。
あの日、それからどうしたのかあまり覚えていない。
イヤイヤのきっかけは、「1日1本だけ」の約束のジュースをもっと飲みたがったか、ゼリーを食べたがったかで、最初は冷蔵庫前で攻防していたと思う。
その程度のことで、何時間も…。
それ以降なるべく、なぜイヤイヤになったか忘れるほどイヤイヤがひどくならないように気をつけている。
スイッチが入るだけならいいけど、ギアが加速しないようにしないと、初期ドラゴンボールの満月を見た孫悟空になってしまうからだ。
大猿化しないよう最大限の配慮をしていても、毎日のようにイヤイヤと言っては頭をぶつけている。
そのうち、
「あれ?痛いと自分が損じゃね?」
と気づいてくれたらいいけれど。
暴力で制圧できるのか
土日、そんなサトイモのイヤイヤを目撃した夫。
3人で車でおでかけしたときに、サトイモがチャイルドシートから抜け出して暴れ、私が必死で押さえてもすり抜け、最終的には座席間を移動してトランクに入ってしまったところで、夫も運転席でイライラの限界。
「ちゃんと押さえとかなアカンやろ!」
と私にイライラをぶつけるけれど、
「こっちだって腕力の限界があるんやから!」
と私もふてくされるしかない。
家に帰って、また冷蔵庫前でイヤイヤをしていたとき、
「ええ加減にせえ!」
バシッ!!!
サトイモの頭に夫の平手が飛んだ。
「いたい~!」
と泣くサトイモ。
よしよし、と抱きしめてなだめる私。
「全部こいつの言うとおりにしてるやんか。甘やかしとうからこうなるんや。口で言うだけやったらあかん!」
夫はそう言った。
夫のその言葉を、ずっと反芻している。
確かに最近の私は、イヤイヤがひどくならないようにできるかぎり譲歩していた。
それは「甘やかし」なのか。
でも、口で言うだけではダメということは、手を出せということだろうか?
「暴力で言うことをきかせるのは、教育でもしつけでもありません。それは調教ですよ。でもサトイモくんは動物ではありませんよね。言葉で伝わるはずです。理解できるまで、言葉で伝えるしかないんです」
ベビーくもんの先生はそう言っていた。
自分の頭を自分でぶつける子に、痛みで言うことをきかせることができるのかという「効果」の問題もある。
「痛いのはイヤだから」と言うことをきいてくれるだろうか。
私は今のところ「ついカッとなって」手がでることはないけれど、本当に口で説明するだけで言うことを聞いてくれる日が来るんだろうか。
チャイルドシートを抜け出したり、ガスコンロを触ったりなどの危険行為をしたとき、何度も何度も注意しているけれど、今は馬耳東風に見える。
正直疲れてしまうと、
「危ないことしてケガしたら、そのときわかるだろ」
とあきらめている自分がいる。
それで死んだらそういう運命の子だったのだと思おう。
それって、そんなふうに諦める親のほうが叩く親よりよっぽど冷たい。
どうすればいいんだまったく。