人間万事塞翁が馬
ゴールデンウイークは家族3人とも風邪気味で、緊急事態宣言関係なく遊びに行けない休みを過ごした。
特にサトイモは3日の夜中に39.4度の高熱を出した。
熱のうわ言で、
「ママと、パパと、サトくんと、さんにんでいっしょに、どーなちゅを、かいにいこうね…」
と言うので、手を握りながら、
「行こうね、きっと行こうね」
と涙した。
「もしこれがドラマだったら、実はコロナにかかってて、これがサトイモの最後の言葉になるパターンでは…」
とゾッとしたけれど、まあそんなことはなく、昼間は元気で走り回っていた。
「病気なんだから大人しく寝てなさい!」
と呆れるばかり。
昼間は平熱になるものの、夜から朝にかけて熱が出る。
結局その繰り返しで、今朝も熱が続いたから小児科を受診してきた。
もちろん幼稚園はお休み。私も会社を休んだ。
コロナ対応の会社の規則で、「家族が発熱した場合は自宅待機」だ。
神戸市では、働く親のために、子供が病気のとき小児科の病児保育室が子供を預かってくれる病児保育という制度がある。
それが利用できれば出勤できるかな、と思って申し込んだけれど、キャンセル待ちだった。
1日4人しか受け入れできないなら、そりゃ無理だよなぁ…。
うちは夫婦共働き。
でも平等、とは言い難く、会社を休むのは私。
私のほうが給料が安いから仕方ない、と、不平等を無理矢理自分で納得させる。
雨降って地固まる
風邪気味だからゴールデンウイークはゆっくり過ごせたかというとそうでもなくて(コロナのことを考えたらじっとしなきゃいけないのだけど)、発達支援教室の利用手続き、新しいファミリーサポートさんとの打ち合わせなどでバタバタだった。
目まぐるしい1週間だった。
ちょっと前のEテレ『すくすく子育て』のテーマが「メンタルクライシス② ~子育て状況が変わるとき~」で、職場復帰によって環境が変わったときに母親が陥るメンタルクライシスについて紹介されていたけれど、まさに私はメンタルクライシスに陥っていたんだなぁ、と思う。
毎日のように家で泣き崩れていた4月下旬。
頑張っても頑張っても報われない気がして、無力感で泣くしかできなかった。
もう、どうすればいいかわからない。
でも、振り返って考えてみると、本当に何もしてこなかったのか?
努力したけど報われないなら、ほかに原因があるんじゃないのか?
サトイモと私を知らない人たちが言う、「躾ができてないから集団生活になじめない」という指摘は当たっているのか?
赤ちゃんの頃からほぼ毎日のように、子育て広場や児童館に生き、去年は週5で何らかの活動に参加していたサトイモに、「みんなで行動することの経験不足」という指摘が当てはまるとは思えなかった。
考えてみれば、児童館でもプレ幼稚園でも、常に脱走、体操や手遊びはボイコット、教室をグルグル走り回る、を繰り返していた。
ちゃんと目も合うし、他者とのコミュニケーションは好きだし、運動も得意、知的な遅れもなさそう。
去年、子ども家庭センターの発達診断を受けたけど、「発達の遅れはない」と言われた。
だから、発達障害や発達遅れじゃなさそうだと思っていたけど、もしかしたらADHDかもしれない…。
特性を調べてみたら、だいたい合ってる…。
そう考え始めて、近所にある発達支援教室に通うことを決めてから、曇っていた空が晴れるように気持ちが明るくなった。
大丈夫、手立てはある。
保育園じゃなくて幼稚園にしたのが大きな間違いだった、と泣き暮らしていた。
けど、幼稚園だったからこそ、延長保育を断られるほどの脱走癖を指摘されて、発達支援教室まで結びついた。
もし保育園だったらADHDに気付かず、小学校1年生で着席できない問題にぶつかったかもしれない。
早く気づけてよかったのだ。
躾がなっていないから、と断られたファミリーサポートさんの代わりに、新しいファミリーサポートさんとも会ってきた。
とてもあたたかい女性で、今度は大丈夫そうだと思えた。
この人と出会えたのも、前の人が断ってくれたおかげ。
なんとその人は台湾出身の方で、私も昔中国語を習っていたことなども話し、話が盛り上がり、日本語と下手な中国語でいろいろ話をした。
その人が、
「あれもこれも縁でしょ。ね?yuanfen(縁分)ね」
と言った。
中国語でたまに出てくる「縁分」という言葉。
久々に聞いたけど、心にしみた。
よく、子供は親を選んで産まれてくると言われる。
もしサトイモがADHDだとして、私の子供に生まれて来たのは、理由があるかもしれない。
それも縁なんだろう。
しっかりしよう。
5月からは、前向きにやってきけそうな気がする。