3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

3歳の可愛らしさ

 

風邪は治ったはずなのに体調が戻らず、毎日とてもしんどい。

仕事が終わってお迎えに行き、家に帰るとヘトヘトである。

申し訳ないけど、毎日夕食は冷凍食品のオンパレード。

 

一人暮らしだったらベッドに直行なんだけどなぁ…、とため息をつきながら、

「ママはしんどいんだよ〜。勘弁してよ〜」

と泣いても、忖度できないサトイモは抱きついて離れなかったり、あれこれ要求してきたりする。

体調が悪いときの子育ては一番しんどい。

 

それでも、サトイモはずいぶん手がかからなくなったなぁ、と成長を思う。

振り返ればもう長い間、幼稚園の登降園時に「だっこして!」とごねたことがない。

園カバンのリュックをちゃんと背負って、私と手を繋ぎ、自分の足で歩いている。

雑草をひいたり、溝の流れを注視したりして時間を食うことも少なくなった。

それだけ考えてもすごい成長だ。

 

かわいいと即答できなかったこと

去年の4月ごろ、会社のエレベーターで久々に会った男性の先輩がいた。

子煩悩なパパといった印象の彼は、

「子どもさん何歳になったの?」

と私に尋ねた。

「3歳です」

「3歳かぁ。ええなぁ!かわいいやろ〜!」

 

その当時は、サトイモを毎朝幼稚園へ連れて行くだけでヘトヘトになるくらい手こずっていた頃だった。

連想ゲームで「子どもと言ったら?」と聞かれたら、「困らせる」とか「言うことをきかない」とかのネガティブワードしか出てこない頃だった。

 

「いやぁ…」

と首を振る私に、

「もう生意気なん?」

と言う。

「そういうわけでもないんですけどね」

 

エレベーターは目的階に止まり、会話はそれだけだった。

けれど、そのとき私が、即答で「かわいいですよ」と即答できなかったことが、いつまでも心に沈殿している。

❛パパ❜はいいよな、どうせ土日の余裕のあるときだけ相手してりゃいいんだもの。そりゃかわいいよ。

こっちはすべてをひっくるめて、制御不能の生物を育てなきゃならないんだよ。

そう言い訳をしてみても、それでもまだ後ろめたさが残るのだった。

 

かわいい言葉のやりとり

3歳半を過ぎてから、サトイモはおしゃべりが上手になった。

言葉のやりとりができるようになって、かわいさがぐんと増した。

今なら、素直に「かわいいですよ」と言う自信がある。

 

頭をぶつけて泣いたとき、

「いたくて、ぼく、もうしんでしまったかもしれない」

と訴えてきたり、

「はちみつははちさんがつくるんでしょ? はちさんがおみせまでつくりにきてくれるの?」

と言ったり。

 

食事のあとの「おししょうさま(ごちそうさま)」や別れ際の「さようわな(さようなら)

」、スプーンの「でんで(れんげ)」などの言い間違えも含めて、3歳児の発言はほのぼのする。

 

何よりかわいいのが寝言だ。

「ママ!シールはらせて〜」

とつぶやいていたり、

「アレクシャ、ピーピーおとがするよ」

AIスピーカーに語らっていたり。

 

ある夜、サトイモが咳こんでいたので、

「よしよし」

と背中をさすると、

「ママ、ありがとう」

サトイモは起きているのか寝言なのかわからない調子で言った。

そしてもう一度、

「ママ、ぼくね、『ママありがとう』って、いいたかったんだよ」

と言った。

「こちらこそありがとう」

そう返したけれど、サトイモはそのまま寝てしまった。

 

パパの不在再び

また夫が海外出張に出てしまった。

こんなにオミクロンが感染爆発をする前に予定されていた出張だった。

あと1ヶ月は帰ってこない。

 

少しおりこうさんになったとはいえ、サトイモは相変わらずいたずらばかりする。

例えば、食器棚から勝手にグラスを出してトミカを入れたり、


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あらゆる場所に養生テープを貼ったり。


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いたずらしている間は集中してて大人しいが、寂しくなると私にひっつきまわる。

パパが不在になってから、「抱っこして病」が再発したようだ。

 

夜寝る前、最近毎晩、

「まま、おんぶして、うたをうたって」

とリクエストがある。

赤ちゃんのときそうしていたようにしてほしい、というのだ。

 

風邪で声がやられているから、うまく歌えないけど、何曲か童謡を歌ってからベッドに寝かせる。

14キロを超え、赤ちゃんのときのようにおんぶもラクではなくなった。

 

「もう、赤ちゃんじゃないんだよ」

と文句を言いつつ、でもちょっとだけ、まだ幼くいてくれるのが懐かしい。

夫が帰ってくるまでこれが続くかと思うとウンザリだけど、二人して寂しさを埋めるしかない。