3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

ウィル・スミス忠臣蔵

夫が帰国して以来、温泉に行きたい行きたいと言うので、先日、家族3人で赤穂温泉に行ってきた。

 

夫は温泉であればいいと言うし、私はおでかけの前後で久々に父の様子を見に行きたいと思っているし、サトイモはどこか遊びに連れてってやりたいし、全員の希望が一致する場所として赤穂に白羽の矢が立った。

かねてから、露天風呂と背景の海がつながって見える「インフィニティ温泉」が気になっていて、行ってみたい温泉の1つだった。f:id:naminonamimatsu:20220504162823j:image

それに、赤穂浪士

 

赤穂浪士とは縁もゆかりもなかった

サトイモが生まれて、2年目くらいのお正月。

夫とサトイモと3人で、母方の親戚の家に行った。

そのとき伯母に、

「ご仏壇にいるおばあちゃんの実家って、赤穂浪士奥田孫太夫なんだよね?」

と話をふった。

夫にそのことを知らせてやろうと思ったのだ。

 

ところが、伯母は、

「ああ、それなんやけどね…」

と苦笑いした。

「ご先祖の奥田孫太夫さんは、赤穂浪士奥田孫太夫さんと同姓同名の別人らしいよ」

 

えっ、ええーっ!

 

私が子どもの頃、祖母の家に郷土史家が奥田家の家系図を調べにやってきて、奥田家は赤穂浪士奥田孫太夫の末裔だと言うので、親戚中が大盛り上がりした。

その後、私はずっとそれを信じていたのだ。

 

でも、言われてみれば疑問がいっぱいあった。

奥田孫太夫の息子の奥田貞右衛門赤穂浪士の一人なのに、貞右衛門は先祖だとは言わないし、その貞右衛門も切腹していて、そのあと奥田家はなくなっている様子。

じゃあおばあちゃんの実家は何なんだ?と不思議だった。

 

同姓同名の別人だったと言われると、いろいろ納得がいった。

だけど、ちょっとがっかり…。


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ご先祖と同姓同名の奥田孫太夫

 

忠臣蔵ってどんな話?

私はがっかりしたけれど、夫には何のこっちゃな話だった。

そもそも、歴史に何も興味もなく歴史の知識が皆無な夫は、忠臣蔵のストーリーすら知らない有様だった。

 

今回、赤穂で大石神社を参拝したり、赤穂城跡を観光しながら、改めて夫に忠臣蔵のあらすじを説明した。

 

吉良上野介に侮辱されて、江戸城の殿中であるのに我慢できず斬り付けた赤穂城浅野内匠頭長矩。

忠臣蔵の冒頭であるそのくだりを説明していて、今年話題になったニュースがよぎった。

「例えるなら…、クリス・ロックに奥さんをネタにされて、アカデミー賞授賞式という晴れの場所で殴りつけたウィル・スミスみたいなもんだよ」

 

浅野内匠頭切腹のうえお家取潰し。

ウィル・スミスはアカデミー賞10年出入り禁止。

そして世論は賛否両論。

加害者がペナルティを負ったことに対して同情が集まった点に両者が重なる。

 

「赤穂の殿様ウィル・スミスの臣下たち、例えば息子のジェイデン・スミスとかがね、無念を晴らすためにクリス・ロック上野介に復讐する…。それが忠臣蔵です」

歴史に疎い夫も、最近の時事ネタに重ねると理解しやすかったらしくて、すんなりと受け入れてくれた。

実際はジェイデンが復讐なんてしないけどね。f:id:naminonamimatsu:20220504160554j:image

 

ウィル・スミス事件が起きたあと、賛否いろいろあることも含め、いろんな人がいろんなコメントをしていたのが面白かった。

オーケンは賛否よりもウィル・スミスの平手を打つフォームの美しさを語ったし、町山智浩はネタにされた『G.I.ジェーン』の映画について擁護したし、ビデオニュース・ドットコムの神保哲生は、もしどちらかが白人だったらまた違った問題に発展していたかもしれない、と別の視差を提示していた。

どうしたって暴力をふるったウィル・スミスが悪い、と私は思うけれども、いろんな意見があることが面白い。

 

きっと、ウィル・スミス事件同様、忠臣蔵の刃傷松の廊下事件も、江戸の世の中でいろんな人がいろんな見方でもって論じた事件だっただろう。

だからこそ、今まで語り継がれる人気のお話なのだ。

私は浅野内匠頭長矩が悪いと思うけどね。

 

入場無料の遊園地

サトイモにとっての旅行のハイライトは、赤穂浪士、なわけがなく、赤穂海浜公園という遊園地つきの公園だった。

遊園地がある総合公園で、とにかく広い。

塩づくりについて学べる展示もある。

しかも入場無料。

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昔は観覧車や動物ふれあいコーナーがあったらしいけれど、今はすっかりなくなっていた。

乗り物も古びている。

それでも、幼児が遊ぶにはぴったりだった。

 

一番最初に乗ったのは、空気が入っていて中がトランポリンみたいになっているアトラクション。

私も子どもの頃、この種のアトラクションが大好きだった。

もしも子どもに戻る(なれる)魔法があるなら、私は子どもになってこの中で思う存分ピョンピョン跳び跳ねてみたい。

この手のアトラクションが今もあることがうれしい。

40年も昔と今で、子どもの世界があまり変わりないことに驚くような安心するような。

 

そのあとは、家族で変形自転車やスワンボートに乗ったり、船型大型遊具のアスレチックで遊んだりと、一日満喫した。

これで入場無料!

赤穂すごい。

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まだまだコロナ禍だけど、なんだか少しずつレジャーが戻ってきた感じ。

このまま少しずつ日常に戻れ。