3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

トラウマが気になるカルチャー

サトイモの病気がまだ続いている。

土曜日にも小児科に行って、胃腸炎のための吐き気止めやおなかの薬をもらい、一時に比べたらだいぶ良くなってきたけれど、食べ物は受け付けてくれないし薬は飲まないしで困っている。

飲み物は飲んでくれるので、フォローアップミルクだけが奴の栄養源。

ミルクを飲んでは寝て、グズッて泣いてあやして、とまるで赤ちゃん返り。

 

そのおかげで、寝てくれる合間にドラマを見たり本を読んだりSNSを見たりできるのだから、ここ2、3日はほんとにありがたい日々を送っている。

ずっと見たかった『THIS IS US 36歳、これから』も何話か見ることができて、しかも噂に違わず素晴らしい作品で、こんなうれし楽しいことはない。ブログなんて書いてないで早く続きを見なきゃ!

 

これまで夢中で見ていた海外ドラマの筆頭は『クリミナルマインド FBI vs 異常犯罪』と『ウォーキングデッド』だったのだけれど、いずれも子どもが見てしまったらトラウマになるかもしれないので、サトイモが寝静まってから見ていた。

 

こんな私でも、そういうのが気にかかる。

 

ていうか、暴力表現にしろ性表現にしろ、「年齢制限あり」な作品を私がよく見るので、たおやかなママの子どもたちよりサトイモは危険にさらされているのだ!(私が原因なのだけれど!)

どこまでサトイモが目にしても問題ないだろうか、といつも気にかかっている。

テレビ番組の「5時に夢中」にしても深夜ラジオ(例えば「エレ片のコント太郎」や「深夜の馬鹿力」)にしても、おしゃべりの中でしょっちゅう性的な話が出る。

「何歳までサトイモにも聞かせて大丈夫かしら…」

気になるならイヤホンして聞けよ、という気もするが、ママが家でいつもイヤホンしているのも奇妙じゃないか。

言葉を全力で吸収しようとしている1歳半の子どもに、テレビやラジオの下ネタがどれくらい影響しちゃうんだろう…。

 

言葉じゃないけれど、サトイモがいるときにはあまり暗いヘヴィーロックも聞かないようにしている。

筋肉少女帯なら『レティクル座妄想』、人間椅子は全般的に避けている。洋楽ならマリリン・マンソンだ。

直感的になんか怖い感じがする音、というのは幼い子ほど敏感に感じとる気がする。

 

耳で聞くより、ビジュアルで入ってくるもののほうが心配だ。

アニメならだいたいの作品が一緒に見ても大丈夫だろう、と、サトイモがいる前で『僕のヒーローアカデミア』を見ていたこともあったけれど、敵の脳無(のうむ)の造形などはけっこうグロテスクなので、怖がる前に見るのをやめることにした。

『ワンピース』なら全然問題ないと思っていたが、たまたま見かけた夫が、

「戦いのシーンは小さい子には相当暴力的やで」

というので、ちょっと迷っている。

考えてみたら、『アンパンマン』でさえ戦いの連続!

人生は戦いの日々じゃないか!

 

サトイモは本当にゴンタ坊主なので、本棚の本をかたっぱしから放り出すイタズラをしょっちゅうやる。

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放り出すだけじゃなく、私の映画や演劇のパンフレットを取り出しては中身を確認していくので、それがヤバい。

一応全部検閲して、ホラーまがいのものは全部除いて段ボールにしまったものの、棚に残したものもけっこうギリギリだ。

『モンスター』『ドッグヴィル』『絶対の愛』『イノセンス』『キレイ』『大江戸りびんぐでっど』…。

美術館や美術展の図録のたぐいも侮れない。

西洋絵画のキリストの受難とかそのあたりの宗教絵画はホラー映画より恐ろしい。

北斎展の図録でさえ幽霊やお化けを描いた浮世絵があるので、このまま見せていていいのか疑問に感じる。

名画を見て感性をやしなってほしいのに、別の感性を刺激しかねない。

「変な趣味の子」になるくらいは願ったりだけれど、「歪んだフェチの子」になってしまったら、母ちゃんお前の将来に申し訳ないよ…。

 

ところで先日、サトイモを保育園の一時預かりに出して美容室に行った。

スタイリストさんとはいつも、「今はまっているドラマやテレビ」の報告をしあう。

そのとき私が見ていたのが、BSプレミアムでやっている『おしん』再放送、録画をためていた『コードギアス 反逆のルルーシュ』、Amazonプライムで見ている『ウォーキングデッド』の3つだったのだけれど、どれもがちょうど悲惨な時期にさしかかっていた。

おしん』は第2子を妊娠しながら姑にいじめ倒されて絶望状態、『コードギアス』はユーフェミアがギアスにかかって日本人大虐殺、『ウォーキングデッド』は救世主というまるで世紀末覇者ラオウのような男が現れ、仲間が二人もバットで撲殺されるという絶体絶命状況に置かれていた。

どの番組を見ても救いがなく、出口が見えない。

私もつられて落ち込み、もう最悪な気分…。

それなのに、

「俺、『テラスハウス』見てるんですよ~。いいですよぉ平和で。なみ松さんもテラハ見ましょうよ」

とスタイリストさん。

「何をノンキにっ!こっちは殺るか殺られるかの世界に生きてんだっ!惚れたハレタなんて言ってられるかぁっ!!

…いやアンタもテレビ見てるだけでしょうが。

 

さ、『THIS IS US』の続きを見ようっと。