アベノマスクと民主主義
今日も木曜日がやってきた!
さっきサトイモを幼稚園に送ってきたところ。
今日も靴箱の前で先生に、
「先週おっきい積み木で楽しく遊んでたよね?今日もあるよ~!早くお部屋に入ってあそぼ!」
と声をかけられると、機嫌よく私から離れて中へ入ってくれた。
自由!
ビバ木曜日!
ただ、恐ろしいのは今日も雨だということ。
先週も雨で、登園するのに雨具を何も持っていないことに気づき、慌ててAmazonで長靴を注文した。
到着したばかりの新品の長靴。
サトイモは初めて長靴というものに足を入れる。
どうも歩きにくそうで、しかめっ面をしていたから、
「長靴は水たまりでもバシャバシャ入れるんだよ~」
と教えたところ、水たまりを探してなかなか家に帰らない。
帰ろうとするとイヤイヤが始まる。
仕方なく満足するまでぶらぶらしていると、気に入った水たまりが見つかった。
とことん足踏みした挙句、手でもバシャバシャやりだし、とうとう座り込んでしまった。
顔まで泥水だらけ。
最後は車がやってきたので退かざるをえなくなり、イヤイヤと泣き叫ぶサトイモを横抱きにして連れていくはめに。
こっちがイヤイヤだよ…。
それが先週の今日の帰り道。
今日もそんなことにならなければいいんだけれど。
新しい日常が始まったらマスクが気になった
プレ幼稚園もそうだけど、子育て広場も限定的に開始し、図書館も利用できるようになったりして、徐々に日常を取り戻しつつある。
夫も会社へ出勤するようになった。
そうやって外に出るようになって気が付いたことは、街中にマスクがあふれているということ。
元町商店街を歩くと、服屋でも雑貨屋でも帽子屋でもマスクを売っている。
スーパーやホームセンターでもサージカルマスクがワゴンで山積みされている。
その一方、アベノマスクをつけている人に会ったことがない。
「見たことある?」
と夫に尋ねると、会社でも電車通勤でも見たことないという。
私が、税金の無駄遣いだ、天下の愚策だ、安倍は早くやめてくれ、と散々文句を言うと、
「安倍ちゃんだって頑張ってるんやから、文句言うたらあかん」
といつも夫は擁護する。
「なみ松はコバエと安倍ちゃんには厳しいんやから。反対ばっかり」
いやいや。
私だって最初はマスクを配ることに反対はしてなかった。
初めての事態に何ができるのか、試行錯誤するのは仕方ないと思っていた。
ただ、ふたを開けてみれば、「スピード感」のために業者は不透明、検品不十分のせいで不良品続発、回収のためにさらに不要な費用がかかる、という大失態。
ウンザリしてコバエのように叩きたくなるのはしょうがない。
それもこれも、思いつきと思い込みで周囲の意見も聞かずに勝手に決めて、情報を公開せずに隠ぺいして、資料も残さず、説明もせず(できず)、検証しないから反省もしないし改善もできない、という安倍政権の体質のせいだ。
コバエは生理的に嫌いだけど、最初は安倍ちゃんのことだって嫌いじゃなかった。
安倍ちゃんが首相になったら、拉致被害者だって帰ってくるかも、と思ってた。
自分が滑舌が悪いので、あの舌っ足らずなしゃべりだって大目にみていた。
でも、期待を裏切られるばかりか、いい加減なことばっかりされて、だんだんだんだん嫌いになってしまったんだ。
私がまくしたてると、夫は、ぼそりと、
「それでも、みんなで決めた総理大臣なんやから」
と言った。
「みんなで決めたって?」
「選挙で自民党が勝ったんやから、しゃーないやんか。多数決っていうことはそういうことやろ。民主主義なんやから」
私は目を丸くしてしまった。
ちょっと待ってよ!
多数決と民主主義は同じじゃないよ!
ガンコちゃんに教わる多数決と民主主義
小さい子どもがいると、テレビのデフォルトチャンネルはEテレだ。
ほぼ一日中Eテレがついていて、ある日見るともなく「ざわざわ森のがんこちゃん」を見ていたら、途中から引き込まれてしまった。
さんせい?はんたい? | 新・ざわざわ森のがんこちゃん | NHK for School
こんな話だ。
がんこちゃんのクラスで、「おたのしみ会」に何をするか決めるとき、みんながリレーをしようと言うのに対して、カタツムリのツムちゃんだけが反対をする。
多数決で決まって、
「みんなできめたんだもん、しょうがないよ」
と言われたツムちゃんは、意見を言えずじまい。
いろいろあって、ツムちゃんの気持ちを理解したがんこちゃんが、
「ツムちゃんがなんでイヤなのか聞こう」
ということになる。
ツムちゃんがリレーを反対する理由は、極度に足の遅いツムちゃんがいるチームが絶対に負けるから、ということだった。
やってみると、実際にダントツに遅い。カタツムリだから。
そこでみんなは、皿回しだとか竹馬などを混ぜた「おたのしみリレー」を考案し、かけっこだけのリレーよりもずっと楽しい「おたのしみ会」になった。
この話のいいところは、最後に、
「ツムちゃんの意見を聞いてよかったね」
ということになった点だ。
多数決で勝ったほうが少数意見の意見を聞かずに切り捨てるのが民主主義ではない。
がんこちゃんのように、多数派も少数派も納得できるように話し合って、建設的な意見を出し合って改善して、よりよいものする。
それが民主主義だ。
加えて言うなら、論破することが話し合いではない。意見がぶつかるなら、両方が受け入れられる第3の道を創造するのが民主主義だ。
がんこちゃんを自民党の皆さんに見せてあげたい。
がんこちゃんを引き合いにだし、
「これからサトイモが生きていく社会は、多数決じゃなくて本当の民主主義じゃないと困るでしょ」
と私が言うと、
「そうやな」
と夫も聞き入れてくれた。
あ!
そうこうしているともうすぐ11時!
お迎えにいかなきゃ。
自由な時間はあっという間。