3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

2月の憔悴

1月の末、とうとうサトイモの幼稚園で自宅保育要請が出た。

つまり園閉鎖である。

 

これまでの神戸市の方針では、幼稚園の同じ組にコロナ陽性者が出たら学級閉鎖。

そして、同じ組の園児全員にPCR検査をする、という話だった。

ところが、オミクロンの感染爆発によって、そんな対策なんて吹っ飛んでしまった。

 

というのも、まず園児の親が陽性者になった。しかも複数人。

そして園児本人に発熱などの症状が出た。

でも、PCR検査が間に合わない。

そこで医者が「みなし陽性」と判断。

 

うちの幼稚園では、学年にかかわらず園庭で一緒に遊ぶことも多いし、該当園児は預かり保育にも参加していて、組というくくりを超えて接触した可能性もある。

そこで、園と神戸市と保健所が話し合って、とりあえず31日と1日は登園自粛してください、となったらしい。

そして全園児にPCRという話は消えた。

 

「みなし陽性」。

「検査が間に合わない」。

ヨーロッパでは1日何十万人も感染者が出ている。日本はそれに比べたら、なんて言うけれど、ヨーロッパでは感染者数を上回る検査ができているということだ。

検査すらできなくなってしまったなんて、日本はほんとに情けない。

 

おばあちゃんだけが頼り

私の職場は比較的理解がある職場なので、感染予防による園閉鎖だといえば特別休暇が取れる。

けれど、運が悪いことに、園閉鎖の二日間は月末と月初だった。

ただでさえ、月末で締めて月初にやらなければならない処理がたくさんある。

しかも1月末は給与所得の国税地方税の申告締切で、ギリギリまでe-TaxやelTAXのCSVデータと格闘していた。

…休めない。

いや、休んで自分でリカバリーできないのが怖い。

 

そんなとき私が頼ることができるのは、お姑さんだけだ。

しかし、そのお姑さんも二つ返事で預かるとは言ってくれなかった。

妊娠中のお姑さんの孫、つまり夫の娘(人によっては私の義理の娘と言うかもしれない)が、

「学級閉鎖中のサトイモを預かるなら、私はもう会わない」

と言っているらしい。

3月に出産を控えている彼女はワクチン接種もしていない。

できるだけリスクを回避したいのは当然だとは思う。

ただ、お姑さん以外私が頼る先はなく、なんだか泣きそうな気分になった。

 

幼稚園に頼み込んでみるか。

幼稚園の連絡メールには、「真に保育が必要な家庭はご相談ください」とあった。

夫が海外出張で不在だという話をしたとき、副園長先生は、

「大変なときは園を頼ってくださいね。サトイモくんは愛されキャラですから」

と言ってくれた。

副園長先生のその言葉にすがろう。

 

もし園がダメならファミリーサポートさんに掛け合おう。

それでもダメなら会社に事情を話して、尻をまくって上司に仕事を押し付けるしかない。

頼る先がゼロってわけじゃない。

 

泣きたくなるのを、そう考えを切り替えて気持ちを立て直した。

 

そんな折、再びお姑さんから電話がかかってきた。

夫の娘さんの夫の同僚が陽性者になったらしい。

濃厚接触者ではないけれど、自宅待機らしい。

「やから、あの娘も家から出ぇへんから、しばらくウチとこ来ぇへんねんて! そんなことやからウチがサトイモくん預かったげる!」

 

私の友達が言ったことを思い出す。

「お姑さん、口は悪いけど頼りになる人でよかったね」

そう。頼りになる。

 

結果、預けた2日間はお姑さんがサトイモを預かってくれたおかげで、家まで迎えに来てくれて家まで送ってくれたから送迎の手間も省け、お昼ごはんも食べさせてくれたからお弁当作りもしなくて済んだ。

お姑さまさま。

 

毎日がギリギリ

その後も、園では毎日のように誰かの家族が陽性になり、PCR検査を受けている。

幸い、園児や先生方は陰性で、あれ以降は閉鎖されていない。

けれど、いつまた閉鎖されるか、ギリギリの崖っぷちを歩いている感じだ。

仕事も引き続き立て込んでいて気が抜けない。

 

そのうえ、2月の下旬には資格試験を受けなければならなくなった。

育休の間に有効期間が切れている資格を取り戻さないといけないらしい。

今の業務とは全くかけ離れているのに、うちの職場では全員取得する“決まり”なんだそうだ。

 

家事をしながら、You Tubeやラジオを聴くのが唯一の娯楽なのに、その時間を講義動画の視聴に当てなければならない。

そんなときに限って、オーケンのお誕生日で配信ライブは立て込んでいて、余暇ですらあれこれ視聴する時間に追われている。

 

サトイモサトイモで、相変わらず言うことをきかない。

こないだは浴室の洗い場でうんちをした。

「おしっこはながれるから、うんちもながれるとおもってやってみた」

のだそうだ。

 

ベッドの中からお茶碗が出てきたこともあった。

しかもその中には舐めさしのキャンディが入っていて、毛布にこびりついていた。

腹が立って力まかせに無理やりはがすと、毛布の毛羽がむしられてハゲてしまった。

「誰のせいでこうなったと思ってんの!!」

と怒ると、

「ままだよ」

と悪気なく言われる。

まあそうだけど、悪の元凶はおまえじゃないか!!

 

朝も毎日が戦いである。

寒いから着替えたくない、パジャマのままで行くとダダをこねる。

「ぬるぬるのふくがいいんだよぅ!」

ぬるぬる?!

パジャマの生地が柔らかいのを表現したかったみたいだけど、何か違う!!

 

先日公園でサトイモを遊ばせていたとき、小学2年生と5年生の女の子たちとそのお母さんがいて、少し世間話をした。

彼女がこんなことを言った。

「3歳ですか。まだまだ大変なときですよね。でも、だんだんラクになりますよ。そういえば私、10年くらいテレビが見れなかったんですよ、子育てが大変で。二人とも小学校に入った頃ようやく見れるようになりました。出てるタレントさんが知らない顔ばかりでビックリしたなぁ」

 

コロナは先が見えない。

でも、子育てはだんだんラクになって、必ず終わりがくる。

今を乗り切ろう。