サトイモの音楽会
先週、サトイモの幼稚園で音楽会があった。
三学期に入ってからは、幼稚園での保育時間はほとんど音楽会の練習に注がれていた。
ただ、三学期のほとんどといえば、オミクロン株が大流行したせいで多くの児童が登園自粛していて、「みんなで一緒に歌や合奏の練習」というわけにはいかない状況だった。
毎日、幼稚園に行かないといけない事情がある児童だけが、たった数人登園して練習していたらしい。
そんな中、サトイモは先生方を困らせる子どもの筆頭だった。
整列してじっとしていられない。
運動会以降、二学期は大人しくできるようになったのに、
「三学期になってまた落ち着きがなくなって、問題行動が増えました」
と担任の先生に言われた。
「お友だちの多くが園に来ないことが影響して、落ち着かない気分になっているのかもしれません。ご家庭では何か心当たりはありますか?」
もしかしたら、長引く夫の不在が影響しているのかもしれないし、違うかもしれない。
問題のひとつは、音楽が始まるとサトイモが踊り出し、列から出ていってしまうことらしかった。
注意を受けると、
「おんがくがたのしくてね、ぼく、おどりたくなっちゃうんだよぉ〜」
と言うらしい。
「音楽会の目的のひとつは音楽を楽しんでもらうことなので、『サトイモくんが楽しいなら、う〜ん、まあいっか〜』ということにはなるんですけど」
と先生方も一概に「悪いこと」として処理できないのが余計たちが悪い。
結果、サトイモの立ち位置にフラフープが置かれ、
「ここがサトイモくんのおうちです。踊ってもいいけど、おうちからは出ないでね」
という処理がなされているらしい。
先生方の優しい苦労に感謝である。
それにしても、どんな踊りを踊っているんだろう…。
サトイモはよく家でも踊っている。
特に、AC/DCの『Highway to Hell』をかけるとなぜか踊り出す。
なぜAC/DC?!
夫に言わせると、
「あいつにはロックの血が流れてる」
ということらしい。
奇妙な味わいのダンスなので、ダンスの才能はまるで感じないけれど(親に似たのだ)、とにかく音楽で踊るのは大歓迎だ。
逆に、ライブハウスで直立不動で見ているようなつまらない大人にはなってほしくないし。
楽しくて踊り出す。
まあ、許容範囲。
ただ、これはちょっと…、と思ったのが、タンバリン問題。
合奏でのサトイモの担当楽器はタンバリンなのだけど、ズボンとパンツを脱いで、タンバリンで前を隠し、お友だちの笑いをとっていたらしい。
おまえはアキラ100%か!!!
副園長先生が、
「そんなことしたらタンバリンさんが泣いてるよ」
と言うと、
「タンバリンさんごめんなさい」
と素直に謝っていたらしいので、まあよしとしよう。
はじめての美容室
そんな音楽会も、変更に次ぐ変更だった。
本当なら土曜日に保護者2名観覧で開催されるはずだったのに、平日保護者1名観覧に変わった。
そして直前になって他学年の園児にコロナ陽性者が出たため無観客開催になり、保護者には撮影された映像がDVDで配付されることになった。
そして音楽会の数日前。
入浴後、私は洗面所で髪にドライヤーをかけ、サトイモはリビングで遊んでいた。
しばらくして、サトイモがやってきた。
「じゃ〜ん!かっこよくなったでしょ〜!!」
子供用工作バサミで自分の髪をめちゃくちゃに切ってしまっていた。
右手で切りやすい左側の前面だけ、坊主に近い長さになっている。
「かっこよくなったかどうか、自分で鏡を見てごらん!!」
洗面台の鏡を見せたが、本人はうまくいったつもりらしく、ニコニコ顔だった。
「もうすぐ音楽会なのに、どうすんのよコレ!!」
私ではリカバリーできないので、私が通っている美容室で整えてもらうことにした。
初めての美容室。
iPadでゲームをやらせていたら、存外大人しくできたので、結果オーライ。
しかし、結局髪型はほぼ坊主頭になってしまった。
音楽会のDVDにはどんなふうに写っていることやら。
戦争やら何やら
私はといえば、ようやく資格試験が終わった。(そして無事合格していた。)
試験前は自分の余暇を削って、毎日講義動画を見たり練習問題を解いたりしなければならず、気持ちがめちゃくちゃ抑圧されていたのだけれど、終わったあとの、
「今日からは何を見ても自由!何を読んでも自由!自分の時間は自分のために使える!」
という解放感ったらなかった。
不自由な状況から普通に戻っただけなのに。
そうやって獲得(?)した自由時間で、アニメの『進撃の巨人』ファイナルシーズンを追いかけて見ている。
放送初期、あんなに面白く夢中で見ていた作品だったけれど、最近は見るのが気が重い。
巨人は人間じゃないから、戦うのが面白かった。
人間同士の戦争は見ていて辛い。
『ウォーキングデッド』もそうだ。
戦う相手がゾンビだからいいのだ。
人間同士の戦いになった後半以降、見るのが重くなった。(でも見るけど。)
話の流れ上、限られたリソースをかけた人間同士のサバイバルになってくるのは理解できる。
リアルだと思う。
でも、辛い。
歳を取れば取るだけ、重たく感じる度合いが強くなってきた。
戦争はフィクションの中ですら、見たくない。
そんな折、ロシアがウクライナに侵攻した。
戦争をしかけたロシアは悪い。極悪だ。
でも、戦争になる脅威があってもNATOに入ろうとしたウクライナも理解ができない。
誰が得をするんだろう?
そんなこととは全く関係なく、日本に住むロシア人を非難するトンチンカンなバカがいるという話に気がめいる。
日本の核保有について言及するバカも出てきて、さらに気分が落ち込む。
外国の戦争より、日本にいるそういうバカを増やさないことが大切なように思う。
早く戦争終われ。