3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

本末転倒がわかる春

登園自粛のときに預け先がなく、会社を休みまくったツケが年度末&年度初めにやってきた。

後回しにできるものは全部後回しにして、その日やれるだけのことしかできない自転車操業だったんだから、当然の結末である。

そのうえ、いつも頼りにしていた係長が3月末で異動になり、引き継ぎで忙しく、私のフォローには全く入ってくれなくなった。

毎日毎日崖っぷち。

昼休みも取らずにぶっ通しで働く。

朝出てから帰るまで職場で一度もトイレに行かない日が何度か。

飲み物を飲む時間もないから行くのも忘れる。

 

そしてまた登園自粛

そんな年度末最終週、またまた幼稚園の先生にコロナ陽性者が出た。

当然、登園自粛要請。

知らせを受けたときはめまいがした。

けれど一瞬で立ち直れたのは、一度登園自粛を経験済みなのと、今回は夫が日本にいたことだ。

一人ではないことで、前より落ち着いて対処できたと思う。

 

月曜日は夫が在宅ワークなのでお姑さんの元に連れて行ってくれて、一日お姑さんに面倒を見てもらった。(おかげでサトイモはまたトミカを3台も買ってもらった!)

 

火曜日と木曜日はファミリーサポートさんに依頼。

いつでもウェルカムで安定のファミサポさん。

木曜日は他の子も預かっていて、合計幼児4人のミニ幼稚園状態。

 

水曜日と金曜日は、幼稚園に「預け先がないので」と預かってもらった。

共働きの親に預け先がないことは十分わかってくれているのか、電話をすると意外に幼稚園は、「はいはい、わかりました」と了承してくれた。

登園してみると、普通に多くの子どもが遊んでいて驚いた。

幼稚園も親も、もう慣れっこになって、「コロナが怖い」という意識も薄れてきた感がある。

 

また風邪か!

そんな3月最終週、サトイモはまた風邪をひいた。

熱は出てないけれど、鼻水と咳が止まらない。

 

当然、幼稚園では熱があったら預かってくれないし、咳や鼻水がひどくてもお迎えを要請されることもある。

神戸市ファミリーサポートの規約では、病気の子どもは預かれないことになっている。

そんなときのために、病児保育という制度があるけれど、まず医者にかかって診断書を出してもらわないといけない。

結局、もしサトイモの風邪が悪化したら、また仕事を休まないといけなくなるのだ。

 

夜、お風呂に入ると、湯船につからず、身体も洗わず、おもちゃで遊んでばかりのサトイモに本当にイライラした。

「風邪をひいてるんだから、サッと温まってサッと上がる!!」

叱ったところで、全く言うことを聞かない。

何が楽しいのか、ジョウロやコップでバケツや洗面器にお湯を入れたり出したりを延々とやっている。

「もぉッ!風邪がひどくなっても知らんからなッ!!ママは先に上がるよッ!いいのッ?!」

と私が先に浴室を出ても、

「いいよ〜」

サトイモは何食わぬ顔でいる。

サトイモの風邪が悪化して困るのは私なのだ。

 

週半ばからだんだん症状が増し、金曜日の朝は最悪だった。

幸い、熱はないが、ずっと咳をしている。

ダメだろうけれど、市販の風邪薬にプラスして、市販の咳止めシロップを飲ませる。

しかもちょい多めに。

 

朝、できれば少しでも早く出勤したいけれど、サトイモはいつもグズグズして朝の支度をしない。

何をさせようとしても嫌がって抵抗する。

「きがえるのはイヤだ〜!パジャマでいく!」

「くつしたはイヤだよ〜!ポイっ!!」(履かせたのを脱いで丸めて投げる!)

「かおあらうのはイヤだ!かおをふくのもイヤだ!かおはよごれてないよ!」

「トイレいかない!おしっこもうんちもでないもん!」

 

かと思えば、最近はトイレに入ると長い傾向が顕著になってきた。

鍵をかけて、

「いまウンチしてま〜す」

と出てこないことも多い。

10分以上籠城されたときには、ドライバーで外側から鍵を開けたこともある。

 

4月1日も籠城されて、しかも中からはひどい咳が続いていた。

咳の声を聞きながら、泣きたい気持ちになった。

年度初め、どうしても休めなかった。

異動で新しく来た人に仕事を代わってもらうわけにはいかないし、他の人も自分の仕事が忙しくて手が回らない。

年末からの積み残しはまだまだ追いついていなかった。

退職者の手続きも新入社員の手続きも、4月からの通勤手当の精算も、あれもこれも…。

 

サトイモの咳に腹が立った。

調子にのって長湯して、上がってから湯冷めも気にせずパジャマを着ず、裸で走り回っているからだ。

 

もし風邪のせいで幼稚園に預かってもらえなかったらどうしよう。

私は最悪の想像をした。

留守番しとけ!と家に一人置いて、私は出勤しようか。

昼休みまでの2、3時間だったら意外とケロリと遊んでいて、平気かもしれない。

でも、サトイモが勝手に外に出たらまずい。

イスとかテーブルに紐でくくりつけておくか。

外から鍵をかけて、閉じ込められる部屋でもあれば、閉じ込めておけるのになぁ。

大型犬用のケージでもあればなぁ。

 

だけど、だいたいなんで私一人の責任なのだ。

夫は2か月半も不在だったのだ。こんなときくらい夫がサトイモの面倒を見てくれてもいいじゃないか。

 

私が夫に、

サトイモの咳がひどいです。もしかしたら幼稚園からお迎えに来るよう連絡があるかもしれないけど、私は休めません。なんとかお願いできませんか?」

とLINEを送ると、

「了解。なんとかする」

と返信があった。

 

あ、なんとかしてくれるんだ。

 

そこで、ふと肩の力が抜けた。

そして、薬を多めに飲ませたり、一人で留守番させたり閉じ込めたりしようと考えたりすることが、異常なことだったと気が付いた。

 

たまたま就職しただけの会社で、別にやりたくてやってるわけでもない仕事で、なんで大切な自分の子どもを犠牲にしようと思っていたんだろう?

 

過労などで自殺をする人のニュースを見聞きするたびに、「死ぬくらいなら仕事なんか辞めればいいのに。本末転倒やん」と安易に思っていた。

でも、なんかちょっとその本末転倒がわかる。

忙しすぎてわけがわからなくなって、優先順位だとか本当に大事なものとかが見えなくなってしまうのだろう。

 

4月中旬に入って、ようやく少しトンネルを抜けつつある。

時短勤務ではやっていけなくて、結局土曜日に休日出勤をして(サトイモは夫に見てもらって)、なんとか今月の給料日の処理も間に合った。

相変わらず自転車操業だけど、昼休みにコーヒーを飲むくらいの余裕は出てきた。

あー、ヒマになりたい。