3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

安定して不安定な年中さん

2022年3月末、サトイモは4歳になった。

これまでの誕生日と違う点は、誕生日がもうすぐだとわかった頃に、やたらと、

「パパはプレゼントくれる?ばぁばはプレゼントくれる?じぃじはプレゼントくれる?」

としつこく尋ねるようになったことだ。

誕生日=プレゼントがもらえる日と認識し始めたお年頃。

 

私が忙殺されていた年度末、サトイモが言うことを聞かないとイライラして、毎日怒鳴り散らしていた。

食事中にウロウロすることを怒っていた最中、サトイモがまた平然と聞いてきた。

「ママはおたんじょうびにプレゼントくれる?」

「あげるよ」

と怒りを抑えて、仏頂面で返事。

「なんで?なんでプレゼントくれるの?」

「それは、つまり、生まれてきてくれてありがとうってことだよ」

先ほど怒鳴り散らした手前、ふてくされた口調で回答する矛盾。

 

いろいろあるけど、生まれてきてくれてありがとう。

ごはんをちゃんと食べないのはムカつくけど。

 

ついに年中さん

幼稚園も4月から年中さんになった。

一年も通っているんだから慣れたもんだろうと思っていたのに、4月になってから登園時に幼稚園の門で別れるときに「ママ〜!ママ〜!」と泣くようになった。

 

ある日、

「わすれちゃったぁ〜!ママぁ!わすれちゃったぁ〜!!」

と泣きながら追いかけてきたことがあった。

何か忘れ物したっけ?

帽子?ハンカチ?マスク?水筒?

必要なものは全部確認したはずなんだけど?

「何を忘れたの?」

と尋ねても、泣いてばかりで答えない。

すると、新しい担任の先生が来てくれて、

「新しい靴箱の場所がわからなくなっちゃったみたいなんです。サトイモくん、大丈夫だよ、忘れちゃっても先生教えてあげるから」

と優しく慰めてくれた。

 

そんなことがあったので、発達支援教室で、

「4月に入ってからママっ子になったんです。私が忙しくてるのが影響してるんでしょうか」

と相談してみた。

「もう一年も幼稚園通ってるのに、別れるとき年少さんみたいに泣くんですよ。新しい担任って言っても去年からいた先生だし、お友達もだいたいみんな知った顔なのに、何を今更ってかんじです〜」

すると、先生がこんなことを教えてくれた。

「幼児期、まだまだ環境の変化に敏感なお子さんがいます。教室の場所が変わるだけで不安な気持ちになるものです。この時期、不安から母子分離が難しくなるお子さんは珍しくありませんよ。しばらくは受け止めてあげてください」

 

もう4歳、年中さん。

親としてはすっかり大きくなったつもりで接してしまうけれど、

「まだ4歳になったばかりですよ」

と言われると、そんなものかなと思う。

 

幼稚園選択の結果

ようやく安定して幼稚園に行けていたのに、進級してからまた振り出しに戻った感にがっかりしていたところ、思わぬ救世主が現れた。

幼稚園の前の道で水道管工事が始まったのだ。

 

「今日も、ショベルカーさん働いてるかな?見に行こうよ!」

と声をかけると、走って登園してくれるようになった。

ショベルカー様々。

 

でも、これには難点があった。

いつまでも園の前で工事の進捗を眺めて、なかなかお部屋に入れないのだ。

すると、門の前で登園する親子に挨拶をしている園長先生が、

「お母さん行っても大丈夫ですよ。サトイモくん、先生と一緒にショベルカー見ていようか」

と助けてくれた。

 

去年の今頃。

教室から脱走するなど、なかなか園生活になじめなかったサトイモ

保育園ではなく幼稚園を選んだのは間違いだったんじゃないかと思ったこともあった。

でも、問題行動の多いサトイモを、幼稚園の先生方は温かく見守ってくれた。

ショベルカーもそうだけど、サトイモが登園時に道端の花(カラスノエンドウとかオニタビラコとか)を摘んで行ったら、担任の先生が、

「お花さんが元気になるように、お部屋でコップで水につけようか」

と言ってくれるなど、折々に温かみを感じる。

一年経って、夫と、「あの幼稚園にしてよかったね」と話をした。

 

ときどき登園拒否

園の前の道路工事が終わると、ショベルカー効果が得られなくなった。

昨日の月曜日は、

「ようちえんにはいきません!きょうはおやすみして、おうちであそびます!」

となんてゴネた。

休み明けになると、ときどき登園拒否がでる。

それでも、これまではなんとか行ってくれたのに、昨日はすこぶる頑固でまるで動いてくれず。

とはいえ、私は出勤しないといけない。

時間は刻々と過ぎる。

困ってしまって、最終手段をとった。

タクシーを呼び、拉致同然に抱きかかえて車に詰め込み、連行。

 

こちらは腸が煮えくり返る思いなのに、のちほどサトイモが言ったことには、

「あしたもタクシーでよーちえんにいこうよ!」

行くか!!

何のために働いているのかわからなくなるぞ…。