3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

大丸のエレベーターで怒られた。

子育てをやってみて初めて知ることが多い。

最初に感心したのは、赤ちゃん用オムツだ。

病院で看護師さんたちがパッと見てすぐに、

「おしっこ出てますね」

なんていうので、どうしてわかるんだろう、経験なんだろうか、と不思議に思っていた。

あるとき、

「おしっこ出てないか確認してください」

と言われて、オムツを開けてチェックしたら、

「何やってるんですか?ここを見ればいいんですよ」

とお知らせラインについて教えてくれた。

黄色いラインが青く変色するのだ。


f:id:naminonamimatsu:20180704154611j:image

知っている人からしたら当然のことなんだろうけど、教わらないとわからない。

あとでパンパースのパッケージを調べてみたら、「便利なおしっこお知らせラインがついています」とだけ書いてあった。


f:id:naminonamimatsu:20180704155038j:image
…気付かんかったなぁ。
 

母の介護をしていたとき、オムツを開けてチェックしていたから、

「こんな便利なものがあるなら、大人用紙オムツにだってつけてくれたらいいのに!」

と思ったけれど、自分で尿が出たかどうかわかる人が大半だろうし、オムツだけじゃなくて尿取りパッドを併用する人も多いから意味がないのかもしれない。

 

車イスとベビーカー

ベビーカーを初めて使ったときも、車イスとの違いに戸惑った。

ひとつはストッパーとかブレーキの存在。

車イスならグリップにブレーキがついているし、レバーで固定もできるから安心なんだけど、ベビーカーには個々の車輪にしかついてない。(機種によって違うんだろうけど、うちのにはない。)

もうひとつは、車イスにはちょっとした段差を乗り越えるときに踏むバー(今調べたけど、ティッピングレバーというらしい)が後方についているけど、ベビーカーにはない。

これが一番不便。

ベビーカーは軽いから、丸ごと抱えてもたいしたことないから不要かもしれないけれど、ティッピングレバーがついていたら便利なのになぁ、と思ってしまった。

 

各レバーなどの使い方や車イスの安全な利用方法については、ケアマネさんや療法士さん、レンタル業者さんが教えてくれた。

ベビーカーの場合はそういうのがない。

ちゃんと取扱説明書を読んだのだけれど、あまり詳しくは載っていなくて、いくつか疑問点が残ってしまった。(例えば、前輪と後輪で全方向動くのと固定されてるのがあったりとか。)

もちろん、ベビーカーの性能によってまちまちなんだろうけど、そもそも購入前に選ぶポイントからして自分で調べまくらないといけないのも面倒だった。(実際、ベビーカー選びは夫に丸投げしてしまった。)

その辺りも介護の場合、うちの母に適したものをケアマネさんやレンタル業者さんがアドバイスしてくれた。

そんなふうにアドバイザーがいたらなぁ…。

 

子育て全般について、介護サービスみたいだったらいいのになぁ、とよく思う。

ケアマネさんがいて、いろんなサービスを統括してアドバイスしてくれたらありがたいのに。

だって、欲しいサービスはよく似ているのだ。 

ね?

すごく似てるでしょ?

 

先日、保健師さんからアフターフォローの電話があって大変ありがたかった。

そのとき「区役所の保健師さんってまるでケアマネさんみたいだなぁ」と思った。

興味本位で担当している赤ちゃんの人数を聞いたとき、百人単位だったのでビックリした。

当たり前だけど、介護保険の事業として確立しているケアマネさんとは全く比べようがない。

子育て支援っていうけど、もっと本腰入れれば制度としてやれることがもっとあるってことだ。

介護のほうがサポートが進んでいる。

少子高齢化だから、政治が力を入れているのは高齢者のほうってことか。

じゃ、ますます少子高齢化の拍車がかかるんじゃね?

 

ステータスの高いデパートだと思っていたのに。 

夫が、「サトイモに買ってあげたいオモチャを見つけた」というので、先日、大丸神戸店に行った。

ウオッチ型の、腕につけるラトル。

 
f:id:naminonamimatsu:20180704155823j:image


これまで縁がなかった子供用品売り場。

子供のための遊び場もあるし、ベビーステーションにはオムツ替え台やミルクを作るための浄水のお湯も用意されているという充実ぶり。

「さすが大丸やなぁ」

と言いながら、お買い物が一通り終わったあと、私たちは大丸友の会カウンターを目指した。

 

去年入会した友の会の積立が満期になっていたからだ。

毎月1万円ずつ1年間積み立てると、1万円分のお買物券がもらえるお得な仕組みなので、満期が来るのを楽しみに待っていたのだ。

 

移動には、車イス・ベビーカー優先エレベーターを使う。

そういう配慮があるのも、ちゃんとしてるなぁと思う。

 

ところが。

友の会カウンターは地下2階にあるのだけれど、エレベーターは地下1階までしか行かない。

優先エレベーターだけなのかな?と思ったけれど、そうでもない。

南のエレベーターだけじゃなく、東側にあるエレベーターも地下1階どまりだ。

 

じゃあ、車イスやベビーカーはどうやって地下2階に行けばいいの??

 

これまで何不自由なくエスカレーターを使っていたから、そんなこと気付きもしなかった。

「しゃーない、エスカレーター乗ろ」

と、夫がベビーカーを抱えてエスカレーターに乗り込んだ。

「大丈夫!?」

「俺がしっかり持っとうから」

私もサポートのつもりで後ろからベビーカーを支えた。

もちろんエスカレーターは混んでいなくて、乗っているのは私たちだけ。の、はずだったが。

後ろからすごい勢いで白髪のおばちゃんが近づいてきた。

「ちょっとあんたら!ベビーカーあかんって知ってるでしょ!!」

「あっ?えっ!?」

「ここにも!ここにも!ベビーカー禁止って書いてあるでしょ!!ほら!ここにもここにも!」

 

確かに、おばちゃんが指さすところにはベビーカー禁止マークが。

普段なにげなく乗っているエスカレーター。足元にそんな禁止事項が書いてあることすら気付かなかった。

「すみません、知りませんでした」

私としては丁重に謝ったつもりなのだけれど、

「知らんかったわけないでしょ!ちょっと考えたらわかるでしょ!ほんまあんたらどういうつもり!ケガしたって知らんよ!」

と攻撃をやめない。

エレベーターなので、降りたくても階下まで降りられない。

「すみません、これから気を付けます」

下に着くまでの間、ずっと怒られ続けた。

「まったくもう!」

ていうか、おばちゃんは降りてからも独り言のように文句を言いながら去って行った。

 

友の会のカウンターで、

「ベビーカーで地下2階に来るにはどうしたらいいんですか?」

と尋ねると、

大丸内にエレベーターがございませんので、地下鉄の連絡口にある外のエレベーターをお使いください」

とのことだった。

まじか、大丸神戸店。

 

何年か前まで友の会カウンターは確か8階にあった。

それが地下2階に移動したってことは、車イス・ベビーカーの人は友の会には入らなくて結構ってことだな(怒)

 

ベビーカーのマナーブックが欲しい

 

おばちゃんが言うのは正論である。

ベビーカーをエスカレーターに乗せるな。

じゃあ、もしエレベーターがなくて、でも目的の階に行きたい場合はどうすればいいのか。

よく考えたら、サトイモを抱っこし、ベビーカーはたたんで乗ればよかったのだ。

 

考えが足りなかったし、知識もなさすぎた。

 

けれど、正直、どうすればいいのか知る機会がなさすぎる。

せいぜいネットで検索するくらいで、教えてもらえる機会もない。

怒られるばかりで正解がない。

ベビーカーのマナーがどうとか言われるけれど、初めて扱うんだもの、こっちはわからないことだらけだ。

母子手帳にベビーカーのマナーブックがついていたらいいのにな、と思う。

いちいち追いかけてきて説教する暇があるおばちゃんは、マナーブックの編纂をすればよろしい。

攻撃者じゃなく、指導者がいる社会を望む。