罰と心配
10月22日の日記
今日は幼稚園がない日だったので、こべっこランドにでも連れて行こうかと予定していたけれど、今週に入ってからサトイモの鼻水がだんだんひどくなって、昨夜から咳も頻繁に出るため、今日は一日家で過ごした。
ここのところ毎日どこかにサトイモを遊びに連れ出して慌ただしい日々を過ごしていたが、お出かけしても家にいても一日は同じくあっという間に過ぎる。
特に最近は、サトイモがトイレに行くようになったことで手間が増えている。
自分からトイレに行くのはいいけれど、初動がシャツを脱ぐことなのが私としては納得できない。
どんなに、
「脱ぐのは下だけでいいんだよ」
と言っても全裸になりたがる。
それでいて、終わった後に服を着ない。
用を足したあと、手を洗え、オムツをはけ、服を着ろ、と追いかけ回しているうちに、また「しーこっこ」だと言い始める。
この気温で裸んぼなら、当然風邪も引くわ。
さっきは、風邪薬を飲ませるために壮絶なバトルを繰り広げた。
私が薬入りのミルクを飲ませようとしていたら、サトイモが嫌がってコップを手で払い、ミルクを盛大にこぼした。
ブチ切れた私は、抵抗するサトイモの身体を足で押さえつけて、顔を握って口の中に無理やりミルクを流しこむ。
サトイモは泣きながら吐き出し、決して飲み込まない。
見た目は完全にいじめの様相である。
しばらくの戦いの末、サトイモは、
「あっこあっこ!(抱っこ抱っこ)」
とねだり、私は、
「薬を飲まない子は抱っこしない!」
と拒絶し、それ以後は平行線となった。
結果、サトイモは夕食を作っている私の足元で、キッチンの床に突っ伏せて泣きながら寝てしまった。
もちろん、途中で私は、
「薬を飲んだら抱っこしてあげる。だから薬を飲みなさい」
と条件を提示しているんだけど、こういうときサトイモが条件を受け入れたケースは一度もない。
当然、
「風邪薬を飲まないとコンコンが治らないよ。早く治して明日遊びに行こうね」
と最初に説明もしている。
それでも結局、サトイモは風邪薬を飲まずじまい。
イヤだと言い出したら頑として受け付けない。
どうしたらいいのかわからない。
子もガンコなら親もガンコである。
今日はたまたまサトイモの泣き寝入りで終わったけれど、揉め事が起きたとき、どう収束させればいいのか、私がゴールを描けない。
そのときの私は、
「悪いことをした子は罰を受けなきゃ納得できない!」
という感情が渦巻いていて、罰がないまま終わらせることは「甘やかし」のように感じてしまう。
罰を与えたい!
そう考えている自分に気が付いたとき、果たして本当に罰って必要なんだろうか、と立ち止まってみた。
感情は、やはり「悪い子には罰を!」と思う。
でも、それが正しい子育てではないんじゃないか、と脳は疑問を投げかけている。
正解はわからない。
夢の中でも心配
最近私は短い夢を見る。
例えばこんな夢。
商店街を歩いていると、サトイモが突然路地に走っていって車道に飛び出す。
または、サトイモが本棚によじ登って本棚がぐらぐらして倒れてきそうだったり、私がスーパーで袋詰めをしていると、サトイモが走って店の外に出ていったり。
日常生活でもしばしば起きる出来事だ。
そしてすべて共通して、
「危ない!待ちなさい!やめなさい!」
と夢の中で叫んで目が覚める。
サトイモは隣で寝ている。
よかった。
と私はほっとしながら、サトイモの布団をかけなおす。
かけてもかけても、いつ見ても布団をかぶっていない。
スリーパーは着させているけど、寝冷えして風邪をひくわけだよ、と思う。
夫がいない夜は、サトイモと一緒に寝て、起きる時間もほぼ違わないくらい私の睡眠時間はたっぷりなのだけど、どこか安眠できない。
そういえば、私が子どもの頃。
両親と一緒の寝室で寝るのを卒業して、隣の子ども部屋で一人で寝ていたときだから、10歳くらいのことだろうか。
私が夜中に目が覚めて起き出すと、必ず母も起きてきた。
「なみ松どないしたん?おしっこ?のどが渇いたん?」
それも、子ども部屋のドアを開けるくらいのタイミングで、母はもう寝室を出ているのである。
あるとき、
「なんでお母さんは私が起きたのがわかるん?」
と尋ねたことがある。
すると、
「お母さんがなみ松のお母さんやからや。なんでか、わかるんや」
と言った。
私もサトイモが起きると、たいていすぐに気が付く。
父が全く起きなかったように、夫は全く気付かず寝ている。
子どもの頃の私は不思議だなぁと思ったことが、今はわかる。
授乳のたび2~3時間おきに起きていた赤ちゃんの時期を経て今になったのだから、子どもがたてるちょっとした物音に気付くことは、何も不思議ではない。
母は寝ている間も心配している。
そんなもんなんだと今は納得している。
でも、いつ心が休まるんだろうか。