3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

心の臨界点

のんびりできた警報の日の夕方、発達支援教室から帰ってきたサトイモの身体が熱い。

体温を測ってみたら、38.4℃あった。

 

熱があってもすこぶる元気で、相変わらずUSBコードや延長コードで遊んでいたけれど、夕食を少しだけ食べてソファに寝転がり、

「もう食べないの?ごちそうさまを言いなさいよ!」

とプリプリしながら様子を見たらもう眠っていた。

 

夜中、40℃を超す高熱が出る。咳も出る。

「大雨警報で休んだ翌日が病欠かよ…」

と欠席決定に肩を落とした。

本人は休めていいかもしれないが、業務が完全に止まってしまった私の身にもなってほしい。

 

4歳にもなってベビーカーに乗せ、小児科に連れて行って、診察してもらう。

診断名は感冒、抗原検査は陰性。

最近またちょこちょこと周囲でコロナ陽性者の連絡が来るので、とりあえず安心。

そして、もうこれ以上会社を休まなくて済むように、翌日の病児保育室を予約する。

 

病院からの電話

小児科から帰ってきた午後は有意義だった。

コープの配達、宅配の受け取り2件、浄水器のカートリッジの回収。

 

特に宅配でやってきた荷物の一つは念願のスマートウォッチ。

夫と電話をすると毎回、

セルビアにいても土日することない。ヒマでヒマで」

というので、

「だったら私にオススメのスマートウォッチを調べて!」

とミッションを与えたら、しばらくいろいろ調べてくれて、お手頃価格のシャオミの製品を勧めてくれた。

勧められるままにネットで購入。

 

ところが、届いてみたらその製品は全く日本語が使えない。

説明書に日本語がないだけではなく、本体の表示にも日本語がない。

初めてのスマートウォッチだから、何がどんなふうにできるのか、というところから始めるのに、全部英語って…。

 

ああかな、こうかな、と時計と同期するスマホアプリをいじっていたら、母の病院から電話があった。

手に持っていたからすぐに出れた。

 

知らせがないのはよい知らせ。

逆に、知らせが来るのは、母の病状が芳しくない証拠。

 

主治医の話はこうだった。 

肺炎は治ったものの、その後体力が戻らない。

老衰でいつ命が尽きてもおかしくない状態とのこと。

また肺炎を起こすかもしれないし、突然心不全を起こすかもしれない。

面会許可を緩和するので、今のうちにできるだけ面会に来てあげてください。

 

休みで家にいたおかげで、主治医の話はゆっくり聞けた。

その場で、土曜日の午後の面会を申し込む。

 

地獄の反抗

木曜日と金曜日は、かかりつけの小児科に併設されている病児保育にサトイモを預けた。

病気の子供は幼稚園やファミリーサポートでは預かってもらえないので、預け先確保という面でとてもありがたい。

そのうえ、小児科の先生も診察に回ってきてくれるので、とても心強い。

一日2,500円。

ベビーシッターと比べたら格安!

でも、元気なら不要なお金と思えば、残念な気もする。

 

サトイモは日中は比較的元気にしているが(病児保育でもおりこうさんにしている)、夜になると高熱が出る。

体調が良くないせいもあるんだろうが、いつに増してわがままがひどい。

私の言うことは何一つ聞きたくない、という態度である。

 

特に朝出かけるときは格闘そのもの。

「いやだ!いかない!」

とベッドにへばりつく。

こちらもまだ腰痛が残っているので、無理やり抱きかかえるとまた腰をやってしまう。

泣き叫ぶサトイモをこちらが泣きたい気持ちで玄関先まで抱えていき、連日のタクシー通い。

 

母のこともあって、心に余裕がなく、反抗ばかりされると世話をする気が起きない。

一番腹が立つのは、食事を食べないこと。

一口なめて、

「おいしくな〜い!もういらない!」

と行って去っていくサトイモに、

「もう少し食べて!食べないとお熱が下がらないよ!」

と何度も声をかけても無視される。

「じゃあ何だったら食べる?ゼリーはどう?プリンは?」

と尋ねても口をつぐむなら、もうあきらめるしかない。

サトイモに生命力があるなら、自分でなんとかするだろう。

頑固さで衰弱するならそれまでだ。

勝手に生まれてきたんだから、好きにしてくれ。

風邪が治らなくても、毎日病児保育、毎日タクシーを使えばいいだけだ、と、私は「金持ち喧嘩せず」の心持ちで耐えるしかない。金持ちじゃないけど。

 

夫が不在になってからか、暑さからか、とにかくサトイモのワガママはそれくらいからひどくなった。

私一人では手に負えない。

母のこともあって、私自身に心の余裕がない。

 

心の臨界点

昨日、職場の上司に、「この夏、忌引で休むかもしれない」という相談をした。

月末月初に当たってしまうと、給与処理が止まってしまう。

そうならないように、それなりにあらかじめの段取りをしてもらわないと。

 

話をする際に、家庭の事情を話すと、あまりにボロボロなので自分で自分が気の毒になってきた。

今、子供は熱を出していて、私はギックリ腰で、夫は海外出張で、父は足が悪くて、母は死にそうなんです。

サトイモ発達障害のことは言わなかった。

言えば自分で自分をノックアウトしそうな気がした。

 

サトイモが全く言うことを聞いてくれないとき、心の臨界点を超えそうな気分になる。

このうえ母が他界したら、精神が耐えられなくならないか…。

乗り越えられるか、自問自答。

 

でも大丈夫。私は強い。