3歩前のことを忘れる女のサブカルと介護の記録

神戸に住む40代波野なみ松の、育児と趣味と要介護両親の対応に追われる日々の記録。

人生で初めて誕生日を忘れた日

先週木曜日は幼稚園の入園面接だった。

受付後、講堂(ホール?)で数組の親子が待たされた。

親は生活習慣などについての質問表を記入しなければならない。

その間子どもたちは、中央に置かれた大きな箱に入った大きなブロックで遊べるように配慮されていた。

 

サトイモはさっそくブロックで遊び始めたのだけど、箱ごと引っ張り回したり箱の中に入ってしまったりするので、そのたびに私は手を止めて注意しなければならず、いつ呼ばれるのかヒヤヒヤした。

結果的にはそんな心配は無用で、うちの順番は最後。

長い待ち時間が耐えられず、講堂に置かれたグランドピアノをいじろうとしたり、台からジャンプしたり、ほかの子どもにちょっかいをかけたりと、もう「こんなときくらいおとなしくして!!」と悲鳴をあげたくなった。

 

サトイモ初の面接

面接では、最初に名前を尋ねられた。

まだ自分の名前がちゃんと言えないサトイモ

答えられないのを察した先生が、

「じゃあ、名前を呼んだらハイってお返事してくれる?」

と言うと、

「はい!」

と元気に返事をしたので、

「さっそく上手にお返事してくれたね!」

と先生もにっこりしてくれた。

お受験しないと入れないような幼稚園ではないので、面接の準備なんて何もしてなかった。

こういうテストがあるのか、と気付いたときには後の祭り。

積み木を使った簡単なテストが始まったときにはハラハラしてしまった。

 

「この積み木は何色がわかるかな?」

「あか!」

「そうそう!これは?」

「あお!」

「そうだね~。これは?」

「いいろ!」

「そう、きいろね。これは?」

「ゆうり!」

 

親の私には、サトイモが緑の積み木を「きゅうり」と答えたのがわかったけれど、先生は発音が甘いだけかな、と判断してくれて、

「みどりだね~」

と大目にみてくれたようだった。

そのあとは形のテストがあったけれど、丸・三角・四角ともなんとか答えられた。

私は何にも考えてなくて練習なんか全然してなかったけれど、サトイモのポテンシャルに助けられた。

 

その後は私への質問が続き、

「現在はオムツということですが、トイレトレーニング中ですか」

と尋ねられたとき、サトイモが突然、

「しーこっこ!」

と叫んで、奥にあるトイレへ勝手に走っていってしまった。

追いかけて連れ戻す私。

初めて来た場所なのによくそこがトイレだってわかったな、と感心するやらあきれるやら。

「どうぞどうぞ!行っていいですよ」

と言われたけれど、おしっこしたいというより、トイレトレーニングの話が出たから「ぼくは行けるぞ」アピールをしたかっただけだと思うので、席に連れ戻した。

にしても面接中にトイレ行くなんて前代未聞だよ…。

 

面接後、サトイモは幼稚園を去るときに先生全員に手を振って、

「タッチ!」

と一人ひとりに手をタッチして帰っていった。

「可愛いね~」

と笑顔で応対してくれた先生たちに感謝。

のんきなもんだよ。

 

内定通知が届く

2,3日中には結果をお知らせします、と聞いていたが、なんと翌日の金曜日に速達で内定通知が届いた。

入園手続き書類が同封されていたのだけど、なんと手続きの日は翌週水曜日午後。

手続き書類には両親の勤務証明書や住民票もあるのに、用意する時間が月曜と火曜しかないじゃないか。

あまりに急すぎる!

 

しかも、水曜日の午前中は児童館の芋堀遠足があって、午後の手続きにはギリギリ間に合うものの、昼食も食べずに大急ぎで帰らないといけないスケジュールとなった。

単なる児童館イベントならいいけど、芋堀である。

親子ともに泥だらけになることは必至だし、逆に幼稚園の手続きはほかの保護者たちはそれなりにきちんとした服装で来ていることが予想され、着替えのことも考えると余計にギリギリ。

 

私一人ならこなせるスケジュールでも、サトイモがいるとなるとさらに倍の時間がかかる。

はたしてちゃんと間に合うだろうか…。

 

いろんなことで頭がいっぱいで、特に前日は精神的にもいっぱいいっぱいだった。

 

そんな私の状況を、情報としては知っていても感情までは理解できない夫が、のんきに私にちょっかいをかけてきた。

「私にさわらんとって!!」

と私が激怒し、

「なんでそんな言われかたされなあかんねん!」

と夫も逆ギレし、口もきかないまま朝仕事に出て行った。

溝は深まる。

 

1日一回は「誰か助けて!」と思う瞬間がある

区役所では待ち時間に耐えられず走り回るたびにダッシュして連れ戻した。

多目的トイレに入ると、私が用を足している最中にサトイモがドアを開けようとするので、「やめて!お願いだから開けないで!」と懇願した。

芋堀遠足ではサトイモは長靴を脱いでしまって、終始裸足で過ごし、家まで裸足のまま歩いた。

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農園から帰りたくなくてダダをこねるのを横抱きにして連れ戻した。

幼稚園の入園手続きでは、サトイモが園庭で遊びたがってすぐに脱走するのを連れ戻し、最後は泣き叫ぶのをやはり横抱きで連れ出した。

 

こういうとき、1日一回は「誰か助けて!」と心の中で叫んでいる。

でも、助けは来ないから自分でなんとかやるしかない。

 

この一週間はかなりハードな一週間だった。

気が付けば、自分の誕生日が過ぎていた。

これまで、

「どんなに忙しくっても自分の誕生日くらい気が付くよな~」

と思っていたけれど、本当に歳をとると忘れることがあるんだなぁと理解した。

40半ばになると、あんまりうれしくないし。

もうアラフォーじゃなくてアラフィフになったんだなぁ。